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【備忘録】ColabにアップロードしたPDFをGemini APIで要約する前に整理する - 安全な検証手順と注意点

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Last updated at Posted at 2026-09-02

はじめに

overrview.png

PDFをGemini APIで要約できると、技術資料、仕様書、公開レポート、マニュアルなどを読むときの入口として便利そうです。

ただし、PDF要約は「APIを呼び出せば終わり」ではありません。公開記事や業務メモとして扱う場合は、次の点を先に整理しておく必要があります。

  • どのPDFを使うのか
  • そのPDFを外部APIに送ってよいのか
  • 要約結果をどこまで信用してよいのか
  • ページ数やファイルサイズなどの制限はあるのか
  • APIキーやファイル名に秘密情報が含まれていないか

この記事では、Google ColabにPDFをアップロードし、Gemini APIで要約を試す前の流れと注意点を整理します。

※本記事は2026-09-02 時点の個人の整理メモです。Gemini APIのSDK、モデル、ファイル入力の扱い、料金、レート制限、対応ファイル形式は変更される可能性があります。公開前には、必ず公式ドキュメントと公式Cookbookの最新状態を確認してください。

この記事で扱う範囲

fig_01_scope.png

この記事では、次の範囲に絞ります。

  • ColabでPDF要約を試すときの全体像
  • サンプルPDFの選び方
  • APIキーとファイルの安全な扱い
  • Gemini APIにPDFを渡して要約する考え方
  • 要約結果を確認するときの注意点

一方で、この記事では以下は扱いません。

  • 社内文書や顧客資料を使った検証
  • 大量PDFの一括処理
  • RAG構成への組み込み
  • PDFのOCR精度検証
  • 料金や上限値の詳細比較

まずは「安全なサンプルPDFで、1ファイルだけ試す」前提にします。

なぜPDF要約は需要がありそうか

fig_02_why_demand.png

PDFは、技術情報の現場でよく出てきます。

たとえば、次のような資料です。

  • 公式ドキュメントのPDF版
  • ホワイトペーパー
  • 製品マニュアル
  • 公開仕様書
  • 技術レポート
  • セミナー資料

こうした資料は情報量が多く、最初から全部読むのは大変です。Gemini APIで要約を作ると、まず全体像をつかみ、詳しく読むべき箇所を見つける入口になります。

ただし、要約はあくまで補助です。PDF本文の内容を確認せずに、要約結果だけを根拠として仕様や提供条件を断定しない方が安全です。

全体の流れ

fig_03_overall_flow.png

ColabでPDF要約を試す流れは、ざっくり次のように整理できます。

  1. 検証用のPDFを用意する
  2. ColabにPDFをアップロードする
  3. APIキーをColab Secretsから読み込む
  4. google-genai SDKでクライアントを作成する
  5. PDFをGemini APIに渡す
  6. 要約プロンプトを実行する
  7. 出力結果をPDF本文と照らし合わせる

最初は複雑な処理を入れず、「1つのPDFを読み込んで短く要約する」だけにすると、問題の切り分けがしやすいです。

1. 検証用PDFを選ぶ

fig_04_choose_pdf.png

最初の検証では、公開して問題のないPDFを使います。

おすすめは、次のようなPDFです。

  • 自分で作った短いサンプルPDF
  • 公式サイトで公開されている資料
  • 機密情報を含まない公開レポート
  • 内容を自分で確認しやすい短めの文書

逆に、次のPDFは使わない方が安全です。

  • 顧客資料
  • 社内資料
  • 契約書
  • 個人情報を含むPDF
  • 未公開の設計書
  • ファイル名や本文に組織名・案件名が入っているPDF

Qiita記事では、サンプルPDFの中身だけでなく、ファイル名にも注意した方がよいです。スクリーンショットにファイル名が写ることもあります。

2. ColabにPDFをアップロードする

fig_05_upload_pdf.png

Colabでは、左側のファイル欄からPDFをアップロードできます。

Pythonコードでアップロードする場合は、次のような形もあります。

from google.colab import files

uploaded = files.upload()

ただし、アップロードしたファイルはColabの実行環境に置かれます。ノートブックを共有するときは、PDFそのものが含まれていないか、出力ログにファイル名や内容が残っていないか確認します。

3. SDKとAPIキーを準備する

fig_06_sdk_apikey.png

Gemini APIをPythonから使う場合、公式情報では google-genai SDKを使うサンプルが案内されています。

Colabでは次のようにインストールします。

%pip install -U -q "google-genai>=2.9.0"

2026-08-31時点の公式Cookbook(PDF_Files.ipynbAuthentication.ipynb)も、この形で下限バージョンを指定しています。

なお、公式SDK(google-genai)のREADMEでは、次のメジャーバージョンである v3.0.0 で自動関数呼び出し(Automatic Function Calling)の挙動が変わることが予告されており、影響を避けたい場合は google-genai<3.0.0 のようにピン留めする方法が案内されています。PDF要約を試すだけなら影響しない見込みですが、-U で常に最新へ上げる書き方は、長く残すノートブックや記事では将来動かなくなる可能性があります。

APIキーは、Colab Secretsから読み込む形にします。

from google.colab import userdata
from google import genai

GEMINI_API_KEY = userdata.get("GEMINI_API_KEY")
client = genai.Client(api_key=GEMINI_API_KEY)

APIキーをノートブックに直接書くと、共有時に漏えいする可能性があります。Qiita記事では、必ずSecretsや環境変数を使う例にしておくと安全です。

4. PDFをGemini APIに渡す考え方

fig_07_pass_pdf.png

PDFをGemini APIで扱う方法は、SDKやAPIの更新により書き方が変わる可能性があります。

そのため、この記事では実行コードを固定的に断定せず、公式Cookbookや公式ドキュメントのサンプルに合わせて確認する前提にします。

確認したい観点は次のとおりです。

  • PDFをローカルファイルとして渡すのか
  • File APIのような仕組みでアップロードして参照するのか
  • MIME typeを指定する必要があるか
  • 対応しているモデルはどれか
  • ファイルサイズやページ数の制限はあるか
  • PDF内の画像やスキャン文書をどう扱うか

参考までに、2026-08-31時点で公式Cookbookの PDF_Files.ipynb を確認すると、PDFの渡し方は client.interactions.create()input に「type: "document" の入力」を並べる形に統一されていました。渡し方によって書き方が少し変わります。

  • 公開URLのPDFをそのまま渡す場合: {"type": "document", "uri": <PDFのURL>, "mime_type": "application/pdf"}
  • client.files.upload() でアップロードしたファイルを参照する場合: {"type": "document", "uri": file_ref.uri} のように、アップロード結果の uri を渡す

Gemini APIは2026年6月(GAは2026-06-22)にInteractions APIをGA・推奨のエントリーポイントとしました。従来の generateContent は「レガシー」という位置づけですが、公式の案内では引き続きフルサポートで、当面は新しいメインラインのモデルも提供されるとされています。すぐ使えなくなるわけではない一方、エージェント関連などの新しい機能はInteractions API側に寄っていく見込みです。

ファイルサイズ・ページ数については、2026-08-31時点の公式ドキュメントでは、PDFは最大50MBまたは1000ページまで、各ページは258トークン相当として扱われると案内されています。上限やトークンの扱いは変更される可能性があるため、実際に大きなPDFを扱う場合は最新の公式ドキュメントを確認してください。

この整理は今後も変わる可能性があるため、実行前に必ず最新のCookbook・公式ドキュメントを確認してください。

特に、スキャンPDFの場合はテキストPDFとは挙動が変わる可能性があります。最初はテキストを選択できるPDFで試す方が、要約結果を確認しやすいです。

5. 要約プロンプトを作る

fig_08_prompt.png

PDF要約では、プロンプトを雑にすると、欲しい粒度の要約にならないことがあります。

最初は、次のように出力形式を指定すると確認しやすいです。

このPDFの内容を日本語で要約してください。
次の形式で出力してください。

1. 全体の概要
2. 重要なポイント3つ
3. 技術者が確認すべき注意点
4. 原文で確認した方がよい箇所

ポイントは、単に「要約して」と書くのではなく、読者が次に何を確認すべきかまで出してもらうことです。

技術資料の場合は、次のような観点も有効です。

  • 前提条件
  • 対応バージョン
  • 制限事項
  • 非推奨機能
  • 料金やライセンスに関わる記述
  • セキュリティ上の注意点

6. 要約結果を確認する

fig_09_check_result.png

PDF要約で一番大事なのは、出力結果をそのまま信じないことです。

要約結果を見たら、少なくとも次を確認します。

  • PDF本文に実際に書かれている内容か
  • 数値、日付、バージョンが正しいか
  • 「できる」「対応している」などの断定が本文と一致しているか
  • 重要な制限事項が抜けていないか
  • PDF内の表や脚注を誤って解釈していないか

特に、仕様、料金、提供条件、ライセンスに関わる内容は、要約だけで判断せず、PDF本文または公式ページを確認した方が安全です。

試す価値がある小さな発展形

fig_11_extensions.png

最初のPDF要約ができたら、次のような小さな発展形も試せます。

1. 要約の粒度を変える

  • 3行要約
  • 初心者向け要約
  • 技術者向け要約
  • 注意点だけ抽出

同じPDFでも、プロンプトによって見え方が変わります。

2. 表形式で整理する

技術資料であれば、要点を表にすると読みやすくなります。

次の列を持つ表で整理してください。
- 項目
- 内容
- 注意点
- 原文確認の必要性

3. 確認質問を作る

PDFを読む前に、確認すべき質問を作ってもらう使い方もあります。

このPDFを読む前に、技術者が確認すべき質問を5つ作ってください。

これは、長い資料を読む前のチェックリスト作成に使いやすそうです。

参考(公式情報)

※公開前に、PDF入力、File API、対応モデル、料金、レート制限、SDKサンプルの最新状態を公式情報で再確認してください。

テスト用サンプルコード

以下は、Google Colab上でPDF要約の流れを確認するために使用したサンプルコードです。

2026-09-02時点で gemini-3.6-flash を使用して動作確認しています。

サンプルコードを開く
# ============================================================
# 1. SDKをインストール
# ============================================================

%pip install -U -q "google-genai>=2.9.0"

import google.genai as genai_pkg

print("google-genai version:", genai_pkg.__version__)


# ============================================================
# 2. APIキーを読み込み、クライアントを作成
# ============================================================

from google.colab import userdata
from google import genai

GEMINI_API_KEY = userdata.get("GEMINI_API_KEY")
client = genai.Client(api_key=GEMINI_API_KEY)

MODEL_ID = "gemini-3.6-flash"

print("client ready. model:", MODEL_ID)


# ============================================================
# 3-A. 検証用サンプルPDFを生成
# ============================================================

import matplotlib
import matplotlib.pyplot as plt
from matplotlib.backends.backend_pdf import PdfPages

PAGES = [
    ("Sample Service Release Notes v2.4.0", [
        "Release date: 2026-08-01",
        "Status: General Availability",
        "",
        "Summary",
        "  This release adds batch export, revises the rate limit policy,",
        "  and deprecates the legacy v1 authentication endpoint.",
        "",
        "Highlights",
        "  - Batch export supports up to 5,000 records per job.",
        "  - Default rate limit raised from 60 to 120 requests per minute.",
        "  - New region: asia-northeast1.",
        "",
        "Note",
        "  Batch export is available on the Standard plan and above.",
        "  It is NOT available on the Free plan.",
    ]),
    ("Limits and Requirements", [
        "Item                   Value          Note",
        "-----------------------------------------------------------------",
        "Max records per job    5,000          Standard plan and above",
        "Max file size          50 MB          Per uploaded file",
        "Rate limit             120 req/min    Was 60 req/min in v2.3.0",
        "Retention              30 days        Export files are deleted",
        "Supported regions      3              us-central1, europe-west1,",
        "                                      asia-northeast1",
        "",
        "Requirements",
        "  - SDK version 2.9.0 or later is required for batch export.",
        "  - The legacy v1 auth endpoint is deprecated and will be",
        "    removed on 2027-01-31. Migrate to v2 before that date.",
        "",
        "Known issue",
        "  Jobs larger than 4,000 records may take over 10 minutes.",
    ]),
    ("Migration Guide (Summary)", [
        "Step 1. Upgrade the SDK to 2.9.0 or later.",
        "Step 2. Replace v1 auth calls with the v2 token flow.",
        "Step 3. Re-issue API keys created before 2026-04-01.",
        "Step 4. Verify the new rate limit does not break your retry logic.",
        "",
        "Pricing",
        "  Batch export itself is not charged separately, but exported",
        "  data transfer is billed at the standard egress rate.",
        "  Free plan users are not billed because the feature is unavailable.",
        "",
        "Disclaimer",
        "  This document is a fictional sample created for API testing.",
        "  It does not describe any real product or service.",
    ]),
]

PDF_PATH = "sample_doc.pdf"

with PdfPages(PDF_PATH) as pdf:
    for title, lines in PAGES:
        fig = plt.figure(figsize=(8.27, 11.69))
        fig.text(
            0.08,
            0.94,
            title,
            fontsize=16,
            fontweight="bold",
            va="top",
        )

        y = 0.88

        for line in lines:
            fig.text(
                0.08,
                y,
                line,
                fontsize=10,
                family="monospace",
                va="top",
            )
            y -= 0.022

        pdf.savefig(fig)
        plt.close(fig)

import os

print(
    PDF_PATH,
    round(os.path.getsize(PDF_PATH) / 1024, 1),
    "KB /",
    len(PAGES),
    "pages",
)


# ============================================================
# 3-B. 手元のPDFを使用する場合
# ============================================================
#
# 3-Aを使う場合、この部分は実行しません。
#
# from google.colab import files
#
# uploaded = files.upload()
# PDF_PATH = next(iter(uploaded))
#
# print("uploaded:", PDF_PATH)


# ============================================================
# 4. File APIへPDFをアップロード
# ============================================================

file_ref = client.files.upload(file=PDF_PATH)

print("uri :", file_ref.uri)
print("name:", file_ref.name)


# ============================================================
# 5. PDFを要約
# ============================================================

from IPython.display import Markdown

PROMPT = """このPDFの内容を日本語で要約してください。
次の形式で出力してください。

1. 全体の概要
2. 重要なポイント3つ
3. 技術者が確認すべき注意点
4. 原文で確認した方がよい箇所
"""

interaction = client.interactions.create(
    model=MODEL_ID,
    input=[
        {
            "type": "document",
            "uri": file_ref.uri,
        },
        {
            "type": "text",
            "text": PROMPT,
        },
    ],
)

Markdown(interaction.output_text)


# ============================================================
# 6. 公開URLのPDFを直接渡す場合
# ============================================================

PDF_URL = (
    "https://storage.googleapis.com/"
    "generativeai-downloads/data/"
    "Smoothly%20editing%20material%20properties%20of%20objects"
    "%20with%20text-to-image%20models%20and%20synthetic%20data.pdf"
)

interaction_2 = client.interactions.create(
    model=MODEL_ID,
    input=[
        {
            "type": "document",
            "uri": PDF_URL,
            "mime_type": "application/pdf",
        },
        {
            "type": "text",
            "text": "このPDFを3行で要約してください。",
        },
    ],
)

Markdown(interaction_2.output_text)


# ============================================================
# 7. 確認質問を生成
# ============================================================

CHECK_PROMPT = """
このPDFを読む前に、
技術者が確認すべき質問を5つ作ってください。
"""

interaction_3 = client.interactions.create(
    model=MODEL_ID,
    input=[
        {
            "type": "document",
            "uri": file_ref.uri,
        },
        {
            "type": "text",
            "text": CHECK_PROMPT,
        },
    ],
)

Markdown(interaction_3.output_text)


# ============================================================
# 8. File APIにアップロードしたファイルを削除
# ============================================================

client.files.delete(name=file_ref.name)

print("deleted:", file_ref.name)

image.png

公開URLのPDFを渡すサンプルの実装は、この実装のままではPDFサイズが大きくなる可能性があります。あと、動作は未検証のため、ご注意ください。

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