はじめに
Google Workspace Updatesで、Google SlidesからGoogle VidsへのAI動画変換機能が日本語に対応したことが発表されました。
発表日は 2026年7月8日 です。
今回のアップデートにより、日本語で作成したGoogle SlidesをGoogle Vidsに取り込み、スライドの内容をもとに台本やナレーションなどを加えながら、動画の下書きを作りやすくなりました。
この記事では、Google Vidsをまだ使ったことがない人向けに、次の点をざっくり整理します。
- 何が日本語対応したのか
- Slidesを動画に変換すると何が起きるのか
- どのような用途で使えそうか
- 利用前に知っておきたい制限
※本記事は、2026年7月時点の公式発表とヘルプをもとにした個人の整理メモです。実際の利用可否は、契約プラン、ロールアウト状況、ライセンスの割り当てなどによって変わる可能性があります。
Google Vidsとは
Google Vidsは、Google Workspace上で動画を作成・編集できるツールです。
スライドのように複数のシーンを並べ、画像、動画、テキスト、ナレーション、BGM、アニメーションなどを組み合わせて動画を作成できます。
今回の機能では、既存のGoogle SlidesをGoogle Vidsに取り込み、スライドをもとに動画制作を始められます。
今回、何が日本語対応したのか
今回の変更を一言でまとめると、日本語のGoogle Slidesを、AI支援を使いながらGoogle Vidsの動画に変換しやすくなったというアップデートです。
Google SlidesをVidsへ取り込むと、各スライドがVids上のシーンに変換されます。
さらにGemini in Vidsを使うことで、スライドの内容をもとに次のような要素を生成・追加できます。
- 動画用の台本
- AI音声によるナレーション
- BGM
- アニメーション
2026年7月19日時点の公式ヘルプでは、変換時の [ナレーション] セクションで、AIアバターとAIナレーションを選択する手順も案内されています。
ただし、AIアバターとAIナレーションの日本語対応自体は、2026年2月に別のアップデートとして発表されています。今回の2026年7月のアップデートは、SlidesからVidsへ変換する一連のAI支援機能が日本語を含む7言語に拡大されたことがポイントです。
今回、日本語を含む次の7言語でSlidesからVidsへの変換機能を利用しやすくなりました。
- フランス語
- ドイツ語
- イタリア語
- 日本語
- 韓国語
- ポルトガル語
- スペイン語
日本の組織にとっては、英語の資料を用意して試す段階から、日本語の社内資料や研修資料を使って実際の業務に近い形で試しやすくなった、と捉えると分かりやすそうです。
Slidesから動画を作る流れ
※Geminiを利用した変換機能を使うには、対象となるGoogle WorkspaceまたはGoogle AIプランが必要です。
公式ヘルプに記載されている大まかな流れは、次のとおりです。
- Google SlidesまたはGoogle Vidsを開く
- Google Slidesでは、
[ファイル]から[動画に変換]を選ぶ - Google Vidsでは、
[スライドを変換]からDrive上のプレゼンテーションを選ぶ- 新規動画から作成する場合は、横向き(Landscape)のアスペクト比を選択する
- 動画に取り込むスライドを選ぶ
- 必要に応じて、台本、AI音声、BGM、アニメーションなどの利用を選ぶ
-
[ナレーション]セクションで、AIアバターとAIナレーションを選ぶ- 必要に応じて、選択したアバターやナレーション音声を変更する
- 生成された台本を確認・編集する
- 話者ノートを使う場合は、生成された台本を話者ノートに置き換えられる
- 動画の下書きを作成する
- Vids上で内容や見せ方を調整する
考え方としては、Slidesをそのまま完成動画に変換するというより、SlidesをVidsのシーンに変換し、AIで動画表現を補う流れです。
どのような用途で使えそうか
相性がよさそうなのは、すでにSlidesで作られている資料を動画化したいケースです。
例えば、次のような資料が考えられます。
- 新入社員向けのオンボーディング資料
- 社内システムの操作説明
- 営業・カスタマーサクセス向けの製品説明
- 管理部門からのルール変更案内
- 社内研修や勉強会の補足資料
- 教育機関で利用する補足教材
このような資料は、スライドとしては完成していても、動画にしようとすると次のような作業が必要になります。
- 動画用の台本を作る
- ナレーションを録音する
- BGMを選ぶ
- アニメーションを設定する
- シーンごとの尺を調整する
- 全体を見直して編集する
Vidsの変換機能は、このうち動画化の最初の下書きを作る作業を支援する機能と考えるとよさそうです。
完成品を一発で作るというより、Slidesをもとに動画のたたき台を作り、人が確認して整える使い方が現実的です。
利用前に確認したいポイント
既存のSlidesを動画化する場合は、変換前に次の点を確認しておくとよさそうです。
- 1枚のスライドだけを見ても内容が理解できるか
- 話者ノートに説明文が入っているか
- 1枚に情報を詰め込みすぎていないか
- 古い情報が残っていないか
- 機密情報や個人情報が含まれていないか
- AIが生成した台本や音声を人がレビューできるか
生成前に台本を編集でき、生成後もスクリプトや音声を調整できます。
そのため、AIに動画制作をすべて任せる機能というより、既存資料から初稿を作り、担当者が修正する前提の機能として見るのがよさそうです。
知っておきたい主な制限
公式ヘルプには、実務上影響しそうな制限も記載されています。
- AI機能を使う場合は最大45枚のスライドまで
- AI機能を使わない場合は最大100枚のスライドまで
- 既存の動画に音声トラックが含まれている場合、取り込み上限が45枚未満になることがある
- 生成できる動画は最大10分
- 動画内の音声オブジェクトは最大50個
- Slides内のワードアートや動画ファイルはVidsに取り込めない
- 音声生成がないシーンのデフォルト長は5秒
- AIアバターを使う場合、最初はプレースホルダーが挿入され、最終的なアバターの反映まで数分かかることがある
- AIアバターの生成上限はプランによって異なり、多くのユーザーでは月25回まで
- AIアバター動画は1回あたり最大60秒
- 既存の動画ファイルのサイズが大きすぎる場合は、[スライドを変換] がグレーアウトして選択できないことがある。その場合は、動画を短くする必要がある
AIアバターの生成回数はプランによって異なり、AI動画クリップと共通の上限が設定される場合もあります。利用前に、自分のプランの生成上限を確認しておくと安心です。
最初から長い研修動画を作るよりも、まずは3〜5分程度の短い説明資料で試すのがよさそうです。
スライド枚数が多い資料は、1本の動画にまとめるよりも、次のように分けたほうが編集しやすく、視聴者にも分かりやすくなりそうです。
- 概要編
- 操作手順編
- 注意点編
ロールアウトと対象プラン
公式発表で示されているロールアウト予定は次のとおりです。
| リリース方式 | 展開予定 |
|---|---|
| Rapid Release | 2026年6月30日から段階的に展開。表示まで最大15日 |
| Scheduled Release | 2026年7月20日からフルロールアウト。表示まで1〜3日 |
発表後すぐに機能が表示されない場合は、組織で利用しているリリース方式やロールアウト状況を確認する必要があります。
公式発表では、対象として次のエディションが挙げられています。
- Business Starter / Standard / Plus
- Enterprise Starter / Standard / Plus
- Enterprise Essentials / Enterprise Essentials Plus
- Education Plus
- Nonprofits
- Google AI Pro / Ultra
- Google AI Pro for Education
- Teaching and Learning
- AI Expanded Access
対象範囲は広めですが、実際に利用できるかどうかは、組織の契約状況やライセンス割り当てによって異なる可能性があります。
管理者・利用部門で注意したいこと
公式発表では、今回の機能に対する個別の管理者コントロールや、エンドユーザー向けの個別設定はないとされています。
そのため、機能単体のオン・オフよりも、利用ルールやレビュー体制を整理しておくことが重要になりそうです。
特に、次の点は事前に決めておいたほうがよさそうです。
- 誰が動画を作成してよいか
- どの部署や用途から試すか
- AI生成の台本を誰がレビューするか
- 動画の保存先と共有範囲
- 社外向け動画の承認フロー
- 個人情報、顧客情報、未公開情報を含むSlidesの扱い
AIが作成した台本やナレーションを、そのまま公開しない運用も必要です。
社外向けに利用する場合は、内容だけでなく、音声やアバターの印象、ブランド表現、法務・広報上の確認も必要になりそうです。
このアップデートの何がうれしいのか
このアップデートの価値は、単に「日本語で動画を作れるようになった」ことだけではなさそうです。
より大きいのは、既存のGoogle Slides資産を、動画という別の形式に変換するコストが下がることだと思います。
社内には、次のようなSlides資料が多く蓄積されています。
- 説明会資料
- 研修資料
- 業務手順書
- 製品紹介資料
- ルールや制度の案内
これらを動画化するたびに、人が台本を作成し、録音して編集するのは負担が大きくなります。
Slidesをもとに動画の初稿を作れるなら、動画化を試すハードルはかなり下がりそうです。
また、自動生成された台本を確認することで、「このスライドは何を説明したいのか」を見直すきっかけにもなります。
生成された台本が分かりにくい場合は、動画生成の問題ではなく、元のスライド構成が分かりにくい可能性もあります。
その意味では、SlidesからVidsへの変換は、動画制作だけでなく、既存資料を棚卸しする機会としても使えるかもしれません。
まとめ
Google SlidesからGoogle VidsへのAI動画変換機能が、日本語を含む7言語に対応しました。
ポイントをまとめると、次のとおりです。
- 日本語のSlidesをVidsのシーンへ変換しやすくなった
- Geminiを使って台本、AI音声、BGM、アニメーションなどを追加できる
- 完成動画を一発生成するというより、動画の下書きを作る機能として考えると分かりやすい
- 既存の研修資料、説明資料、操作手順などの再利用に向いている
- AI機能を使う場合は最大45枚、動画は最大10分などの制限がある
- 利用時は、AI生成内容のレビューや動画の共有範囲を決めておく必要がある
個人的には、これは動画生成機能の追加というよりも、既存のスライド資産を動画へ再利用するワークフローの変化として見ると理解しやすいアップデートだと感じました。
まずは短い社内説明資料や研修資料を使って、どの程度の下書きが作れるか試してみるのがよさそうです。
参考
- Google Workspace Updates: Convert your Google Slides to videos in 7 additional languages
- Google ドキュメント エディタ ヘルプ: Google スライドを Google Vids に変換する
- Google Workspace Updates: AI avatars and AI voiceovers in Google Vids now available in seven new languages
- Google ドキュメント エディタ ヘルプ: Google Vids で AI アバターを使用する









