はじめに
※本記事は個人の整理メモです。2026年5月時点で確認できる Salesforce Help / Trailhead / Spring '26 リリースノートの情報をもとにしています。Salesforce Go は機能拡張が頻繁に行われるため、最新仕様は公式ドキュメントもあわせてご確認ください。
Salesforce の Setup 画面を使っていると、機能を有効化するたびに「どのメニューだっけ?」と迷うことがよくあります。
そんな悩みを軽くしてくれる入口のひとつとして用意されているのが Salesforce Go です。本記事では Salesforce Go の概要と、実際の使い方を整理します。
Salesforce Go とは
Salesforce Go は Setup 内に用意された、機能の 発見・有効化・設定手順の確認・利用状況確認 を一か所から進めやすくする管理者向けページです。Salesforce Go 自体の有効化作業は不要で、対象エディションかつ必要権限を持つユーザーであれば歯車メニューから利用できます。
もともとは Winter '25 で「Sales Cloud Go」として Sales Cloud 向けに登場し、その後、より横断的な「Salesforce Go」として整理されるようになっています。対象となるクラウドや機能はリリースごとに拡張・変更される可能性があるため、最新の対応範囲は公式ドキュメントで確認してください。
公式の言葉を借りると、Salesforce Go は Salesforce の機能を 「discover(発見)/set up(セットアップ)/configure(設定)/monitor(利用状況の確認)」 できる、管理者向けの統合的なセットアップ体験です。
Salesforce Go では、以下の作業を一か所から開始・確認できます。
- 使える機能の発見
- 機能の有効化と設定
- 利用状況・採用状況の確認
- 権限セットの割り当て誘導
- Agentforce 関連機能の導入導線
👉 従来は「どのメニューで有効化するのか」を探す手間がかかっていましたが、Salesforce Go を起点としてまとめてアクセスできるようになりました(最終的な細かい設定は Setup ページや App Builder に遷移するケースもあります)。
補足: 「Setup with Agentforce(Beta)」は、Setup 内で自然言語を使って管理者業務を支援する別機能です。Salesforce Go が機能の発見・有効化・設定導線を整理する入口であるのに対し、Setup with Agentforce は会話的に Setup 作業を支援する体験です。利用には Lightning Experience の Enterprise / Performance / Unlimited / Developer エディションに加え、Foundations または Agentforce 1 が必要とされています。Beta 機能のため、最新条件は公式ヘルプを確認してください。
画面構成
Salesforce Go は4つのタブで構成されています。
① ホーム(Home)
トップページ。以下のような要素が確認できます。
- 初期設定(Initial Cloud Setup) ― 最低限やっておくべき設定(現在は Field Service customers 向けに提供)
- Agentforce の使用を開始 ― Agentforce 関連機能の導入を始めるための導線
- おすすめの機能セット ― 用途別のおすすめ機能まとめ
組織にあわせてカスタマイズされた機能セットや、Agentforce の導入を促すカードが表示されます。
② 機能セット(Feature Sets)
用途・シナリオ("Job To Be Done")単位で機能をまとめたカード一覧です。
例: 「IT サービス向け Agentforce」「商談をトラックに乗せる(Keep Deals on Track)」「営業のリードへのつなぎ込み」など。
各カードには以下が含まれています。
- 機能の概要
- 役立つポイント(どんな課題を解決できるか)
- 必要な有効化ステップ
- 「View All Features(すべての機能を表示)」リンク
ライセンスが足りない機能はロックアイコンで表示されるため、どの機能で追加ライセンスや購入検討が必要になりそうかを把握しやすくなります。
③ 機能(Features)
機能セットの枠を超えて、組織に関連する機能を一覧で確認しやすくしたビューです。設定中の機能、これから設定できる機能、すでに有効化済みで利用状況が見える機能、まだ未購入だが購入候補として表示される機能などを、一覧で確認できます。
「Filter By」で設定状況・利用可否・クラウド種別などで絞り込んだり、機能名で直接検索することができます。
👉 問題ベースで探すなら 機能セット タブ、すべての選択肢を眺めて検討するなら 機能 タブ、という使い分けができます。
④ 自分のクラウド(My Clouds)
すでにライセンスを保有しているクラウド製品と、Salesforce Go 上で購入候補として確認できるクラウド製品を分けて表示します。Industries 製品も含まれており、自社が今持っている資産と、追加で導入できる選択肢を俯瞰できます。
実際の使い方 ― Einstein Opportunity Scoring を有効化する例
公式 Trailhead でも紹介されている例にならって、Salesforce Go から機能を有効化する流れを確認します。
シナリオ: 営業マネージャーから「営業チームが見込みの低い商談を追いかけて時間を浪費している。クローズの可能性が高い商談に集中させたい」と相談を受けた。
1. Salesforce Go を開く
Setup の歯車メニューから「Salesforce Go」を選択するか、Setup のクイック検索(Quick Find)で「Salesforce Go」と入力してアクセスします。
なお Sales Cloud Go の場合は、歯車メニューから「Sales Setup」を選択するか、Quick Find で「Sales Setup」を検索する経路もあります。組織や対象クラウドによってアクセスパスが少し異なる点に注意。
2. 課題に合う機能セットを探す
「機能セット」タブを開き、Sales 系でフィルタ。「Keep Deals on Track(商談をトラックに乗せる)」というカードが目に留まります。説明には「パイプラインの管理に役立ち、インサイトに基づいて優先度の高い商談に集中できる」とあり、まさに今回の課題にマッチします。
「View All Features(すべての機能を表示)」をクリック。
3. 個別機能を選ぶ
機能セットに含まれる機能カードのなかから、Einstein を活用してクローズ確度の高い商談を可視化する「Einstein Opportunity Scoring」を選択します。
4. 「Set Up(設定/使用開始)」をクリック
機能の詳細ページが開き、説明・有効化に必要なステップ・関連ヘルプリンク・前提条件が表示されます。
UI の表記は機能ページや言語設定により「Set Up」「設定」「使用開始」などの揺れがあります。
5. Turn On(有効化)
機能ページの「Turn On」ボタンをクリックして有効化します。
ここがポイントで、Salesforce Go は 「Turn On(有効化)」と「Configure(設定)」が明確に分かれた2ステップ になっています。
機能によっては「事前有効化(preenablement)」が必要な場合があり、その場合は Turn On ボタンがグレーアウトしてアイコンが表示されます。クリックすると、必要な手順と該当する Setup ページへの直接リンクが提示されるため、迷わずに事前作業を進められます。
例えば Einstein Lead Scoring は、Turn On する前に Einstein Lead Scoring Setup ページで初期設定を済ませる必要があります。
6. Configure(設定)
有効化されると、機能ページに 設定ステップ が並びます。Einstein Opportunity Scoring の場合は次のような3ステップが表示されます。
- レコードページへのコンポーネント/フィールド/アクションの追加
- ユーザーアクセス(権限セット)の管理
- Setup で最終設定を完了(Finish in Setup)
各ステップに「設定に移動」リンクがあるので、該当する Setup ページに直接ジャンプできます。
権限セット割り当てと利用状況モニタリング
機能によっては、権限セットや権限セットグループの割り当ても Salesforce Go 内のフローから進められます。ただし、すべての機能で同じ操作ができるとは限らないため、各機能ページの設定ステップを確認する必要があります。設定が完了したあとは、Salesforce Go の「Monitor Usage」セクションから利用状況を確認できます。
Spring '25 以降のアップデートで、設定の進捗トラッキングや権限割り当て、利用状況のモニタリングが強化されています。対応する機能では、Permission Set License がどれだけ割り当てられ、Salesforce Go 上で active として示されるユーザーがどれだけいるかを、採用状況の目安として確認できます。
Salesforce Go のメリット
| 観点 | 従来の Setup | Salesforce Go |
|---|---|---|
| 機能の探し方 | メニューを掘り下げて探索 | 課題ベース or 機能ベースで1か所からアクセス |
| 有効化の手順 | 手順が分散・ドキュメント参照 | ステップが順番に表示・前提条件を自動誘導 |
| ライセンスの可視性 | 不足に気づきにくい | ロックアイコンで可視化、一部機能では購入導線も表示 |
| 利用状況の把握 | 手作業で集計 | Permission Set License の割当・active 数を画面から確認 |
| Agentforce 関連機能の導線 | 分散しがち | ホームなどから関連機能にアクセス |
👉 特に「初めて Salesforce の管理者をやる人」「新機能を試したい人」「リリースのキャッチアップを効率化したい人」に使いやすい設計です。
Spring '26 での強化点(補足)
Spring '26 リリースノートでは、Salesforce Go に以下のような強化が入っています。
- ホーム画面のカスタマイズ: セクションの並び替えや非表示が可能になり、自分の使い方に合わせたレイアウトに調整できる
- サブバーティカルフィルター: クラウド内のより細かい業種・領域で、関連する機能セットや機能を絞り込みやすくなった
- 検索強化: 同名の機能と機能セットの違いを見分けやすくなった
このあたりの細かいアップデートが入っていることからも、Salesforce Go が継続的に磨かれているプロダクトであることが伝わってきます。
利用可能エディションと必要権限
エディション
Spring '26 リリースノートでは、Salesforce Go は Lightning Experience の以下のエディションで利用可能とされています。ただし、Salesforce Help の Required Editions 表記はページにより差があるため、実際の導入時は自組織の契約・ライセンス条件も確認してください。
- Pro Suite / Professional / Enterprise / Performance / Unlimited / Developer / Agentforce 1 Sales Edition
なお、Winter '25 時点の Sales Cloud Go は、Pro Suite / Professional / Enterprise / Performance / Unlimited / Einstein 1 Sales Edition で利用可能と案内されていました。Salesforce Go / Sales Cloud Go / Setup with Agentforce は対象エディションや前提条件が異なるため、混同せずに確認する必要があります。
必要権限
-
閲覧:
View Setup and Configuration -
機能の有効化:
Customize Application
👉 単に Salesforce Go の画面を開くだけなら View Setup and Configuration で十分ですが、実際に Turn On して機能を有効化するには Customize Application も必要になる、という点に注意。
まとめ
- Salesforce Go は、Setup 内に用意された 対応機能の発見・有効化・設定手順確認・利用状況確認のための管理者向けハブ
- Home / Feature Sets / Features / My Clouds の4タブで構成され、課題ベースでも機能ベースでも目当ての設定にたどり着ける
- Turn On(有効化)→ Configure(設定) の2ステップ構造で、前提条件があれば自動誘導
- 必要権限は閲覧が
View Setup and Configuration、有効化がCustomize Application - Spring '25 以降のアップデートで進捗トラッキング・権限割り当て・Permission Set License ベースの利用状況確認が強化、Spring '26 ではホーム画面カスタマイズや検索強化が追加
- Agentforce 関連機能の導入導線としても機能し、対象機能ではライセンス状況を確認しながら導入・設定を進められる
- Setup with Agentforce(Beta)は別物なので混同しないよう注意
Setup 画面で迷ったときは、まず Salesforce Go を開いてみると整理しやすいです。







