はじめに
Gensparkを確認していたところ、「Second Brain」という新しい画面が追加されていました。
画面中央には、次のメッセージが表示されています。
Your memory, always available.
また、ファイルのアップロードやGmail、Outlookとの接続ボタンも用意されています。
最初は、アップロードしたファイルを検索するナレッジベースのような機能かと思いました。
しかし、Gensparkの公式発表と公式ヘルプを確認すると、SecondBrainは単なるファイル置き場ではなく、Genspark全体に継続的なコンテキストを提供するAIの記憶レイヤーとして位置付けられていました。
この記事では、2026年7月22日時点の公式情報と実際の画面をもとに、次の点を整理します。
- GensparkのSecondBrainとは何か
- AI Workspace 6.0の中でどのような役割を持つのか
- 実際の画面で何を確認できたか
- 一般的なAIチャットと何が違うのか
- 利用前に確認しておきたい点
本記事では、公式ブログの表記に合わせて「SecondBrain」と記載します。実際の画面上では「Second Brain」と、単語の間にスペースを入れた表記も使われています。
Genspark AI Workspace 6.0で追加されたSecondBrain
Gensparkは2026年7月20日、「Genspark AI Workspace 6.0」を発表しました。
公式ブログでは、新しいワークスペースを次の4つのレイヤーで説明しています。
- SecondBrain:記憶レイヤー
- Super Agent:知能・実行エンジン
- Build Suite、Office Suite、Content Suite:実際の成果物を作るツール
- GenTeam:人とAIエージェントが協働するレイヤー
SecondBrainは、この構成の土台に置かれています。
SecondBrainに集められた情報をSuper Agentが参照し、その上でドキュメント、スライド、画像、動画、コードなどの作成へつなげる構造です。
単独のメモ機能が追加されたというより、Gensparkの各AI機能が利用する共通のコンテキスト基盤が追加されたと捉えると理解しやすそうです。
参考:
SecondBrainとは
GensparkはSecondBrainを、AIのための「Memory layer」と説明しています。
公式ブログによると、SecondBrainは次のような情報を、1つの継続的なコンテキストへまとめます。
- メール
- 会議
- チャット
- ドキュメント
- 外部アプリ
- Genspark上のプロジェクト
公式ヘルプでは、SecondBrainを、メール、会議、ファイル、接続したアプリから利用者と仕事について学習する、個人向けの知識・記憶システムと説明しています。
その上にあるSuper Agentは、SecondBrainにまとめられたコンテキストを利用します。
これにより、利用者がAIへ毎回、次のような前提を説明し直す手間を減らすことが狙いとされています。
- 自分がどのような人物なのか
- 何のプロジェクトに取り組んでいるのか
- これまで何が決まったのか
- 過去にどのような資料を作ったのか
一般的なAIチャットでは、新しい会話を始めるたびに、背景情報や資料を渡し直す場面があります。
SecondBrainは、その前提情報をGenspark側へ集め、Super Agentが必要に応じて利用する仕組みを目指しているようです。
公式ヘルプでは、対応するデータソースの例として次のサービスが挙げられています。
- Gmail
- Google Calendar
- Outlook
- Slack
- Notion
- HubSpot
- Salesforce
- Google Workspace
- Microsoft 365
- 手動でアップロードしたファイル
対応するコネクターは今後追加される可能性があります。利用時には、実際の画面と最新の公式ヘルプを確認してください。
参考:
AI Workspace 6.0の4つのレイヤー
公式ブログで紹介された4つのレイヤーを整理すると、次のようになります。
| レイヤー | 役割 |
|---|---|
| SecondBrain | メール、会議、チャット、ドキュメント、アプリ、Gensparkプロジェクトをまとめる記憶レイヤー |
| Super Agent | SecondBrainのコンテキストを利用して判断や作業を行う知能エンジン |
| Build・Office・Content Suite | コード、ドキュメント、スライド、画像、動画などの成果物を作るツール |
| GenTeam | 人とAIエージェントが同じ環境で協働するレイヤー |
この構成を見ると、SecondBrainは単体で完結するサービスではなく、Super Agentや各種Suiteを支える基盤として設計されていることが分かります。
なお、各Suiteには次のような機能が含まれます。
- Build Suite:Design、Code、AgentBase
- Office Suite:Slides、Sheets、Docs、GenMail
- Content Suite:Chat、Image、Video、Music
SecondBrainに蓄積された情報を検索するだけでなく、その情報をもとに成果物を作成するところまで、1つのワークスペースでつなげる構成です。
実際の画面で確認できたこと
今回確認したSecond Brainのホーム画面には、中央に質問入力欄があり、次のメッセージが表示されていました。
Ask your Second Brain anything
その下には、Second Brainへ情報を追加するための項目が並んでいます。
- Upload files
- Gmail
- Outlook
- Connect more
少なくとも画面上では、次の方法で情報を追加できることが分かります。
- ファイルを手動でアップロードする
- Gmailを接続する
- Outlookを接続する
- その他のサービスを接続する
左側のメニューには、次の項目が表示されています。
- Home
- Feed Brain
- New document
- Personal Space
- Genspark Project History
- Help Doc
「Feed Brain」という名称からも、SecondBrainへ継続的に情報を追加していく設計が見て取れます。
公式ヘルプでは、Genspark上で行った過去の活動がGenspark Projectsとして自動的に保存され、AI Meeting Notesも情報源に含まれると説明されています。
そのため、外部から追加した情報だけでなく、Genspark上で行った過去の作業も、継続的なコンテキストとして利用される設計です。
また、接続したツールのデータは自動的に同期されます。ただし、一部の連携は即時ではなく、一定のスケジュールで同期されるため、接続後に反映まで数分かかる場合があると案内されています。
一般的なAIチャットとの違い
SecondBrainの特徴は、単発の会話ではなく、継続的なコンテキストを前提としていることにありそうです。
一般的なAIチャット
一般的なAIチャットでは、次のような流れになります。
- 資料を添付する
- 背景や目的を説明する
- AIに質問する
- 別の会話では、再び資料や背景を説明する
SecondBrainを利用する場合
SecondBrainでは、次のような流れが想定されています。
- ファイル、メール、会議、外部サービスなどの情報を集める
- SecondBrainに継続的なコンテキストを作る
- Super Agentが必要な情報を参照する
- 各種Suiteを使って成果物の作成へつなげる
重要なのは、SecondBrain自体が最終成果物を作る機能というより、Super Agentが判断や作業を行うための記憶基盤として位置付けられている点です。
ただし、これは「AIがすべての情報を常に正確に記憶し、必ず適切に参照する」ことを保証するものではありません。
実際に利用する際は、回答の根拠や参照された情報を確認し、重要な判断は人が検証する必要があります。
SecondBrain Noteとの関係
AI Workspace 6.0では、SecondBrainとあわせて「SecondBrain Note」も紹介されています。
SecondBrain Noteは、SecondBrainを利用するための必須機器ではありません。
SecondBrainはソフトウェアの記憶システムとして単独で利用でき、アプリの接続やファイルのアップロード、アプリ内のAI Meeting Notesなどから情報を取り込めます。
SecondBrain Noteは、会議室や対面での会話をSecondBrainへ取り込むための、任意の入力手段として位置付けられています。
公式ブログでは、SecondBrain NoteをSecondBrainの「耳」に相当するものとして説明しています。
会議や対面での会話など、その場で発生した情報を記録し、文字起こしや要約を作成してSecondBrainへ取り込むことを目的とした、カード型のAIボイスレコーダーです。
公式情報からは、次のような流れが想定されています。
- SecondBrain Noteで会議や会話を記録する
- 録音データをGensparkアプリへ転送する
- 文字起こしや要約を作成する
- SecondBrainの情報源として利用する
- Super Agentが後続の作業で参照する
公式ヘルプでは、ハードウェアを使わずに、スマートフォンのアプリで録音したり、既存の音声ファイルを取り込んだりする方法も案内されています。
また、SecondBrain Noteの購入者には、毎月300分の文字起こし枠が含まれると説明されています。PlusまたはProプランでは、文字起こしと要約を無制限で利用できるとされています。
価格、販売地域、プランの内容などは変更される可能性があるため、購入を検討する場合は公式ショップと最新の公式ヘルプを確認してください。
参考:
SecondBrainによって変わりそうなこと
SecondBrainが公式説明どおり機能した場合、AIの使い方は「質問のたびに資料を渡す形」から、「継続的に蓄積された情報をもとに作業を任せる形」へ変わります。
毎回の説明を減らせる
通常のAIチャットでは、プロジェクトの目的や過去の経緯を会話ごとに説明する必要があります。
SecondBrainでは、メール、会議、資料、過去のプロジェクトなどをまとめることで、Super Agentが前提情報を利用できる設計になっています。
情報の検索と成果物の作成がつながる
SecondBrainは検索専用の機能ではありません。
SecondBrainの上にSuper Agentがあり、その先にDocs、Slides、Sheets、Code、Image、Videoなどのツールがあります。
そのため、情報を探して回答するだけでなく、蓄積された情報をもとに資料や成果物を作成するところまでつなげることが、AI Workspace 6.0全体の狙いと考えられます。
Genspark内の作業履歴も文脈になる
公式ヘルプでは、Genspark上の過去の活動がGenspark Projectsとして自動的に保存されると説明されています。
新しくアップロードした資料だけではなく、過去にGensparkで作成したプロジェクトやAI Meeting Notesも、継続的なコンテキストの一部になります。
Gensparkを使い続けるほど、過去の作業を次の作業へ再利用しやすくなる可能性があります。
複数の情報源をまたいだ作業ができる
公式ヘルプでは、SecondBrainを利用したワークフローの例として、次のような使い方が紹介されています。
- メール、カレンダー、接続したアプリから週次報告を作る
- カレンダー、関連資料、過去の会話から次回会議の事前資料を作る
- 会議メモからフォローメールやアクション項目を作る
- 接続した情報源を横断してファイル、メール、ノートを探す
- HubSpotやSalesforceの情報をスライドへまとめる
- Slackの会話から依頼事項を確認する
単に情報を蓄積するのではなく、複数の情報源をまたいで検索、整理、作成を行うことが、SecondBrainの重要な狙いと考えられます。
プライバシー面で確認しておきたいこと
SecondBrainでは、メール、ファイル、会議、チャットなど、重要な情報を扱う可能性があります。
そのため、利用前にGensparkのプライバシーポリシーや、組織の外部AI利用ルールを確認しておく必要があります。
2026年3月12日更新版のGensparkプライバシーポリシーでは、AI機能を提供するため、利用する機能に応じて、入力内容のうち処理に必要な内容が外部のAIサービス事業者へ送信される場合があると説明されています。
主なAIサービス事業者として、次の企業が挙げられています。
- OpenAI
- Anthropic
- xAI
- ElevenLabs
送信されるデータは利用する機能によって異なり、テキスト、画像、音声、動画など、処理に必要な内容が該当するAIサービス事業者へ送られる場合があります。
一方、Google Workspace APIから取得したデータについては、汎用的なAI・機械学習モデルの開発、改善、学習には利用しないと明記されています。
参考:
ただし、この内容はGensparkサービス全体のプライバシーポリシーです。
SecondBrainへ会社の資料、顧客情報、個人情報、実際のメールなどを登録する場合は、次の点を事前に確認する必要があります。
- 組織の生成AI利用ルール
- 外部サービスへのデータ送信可否
- 接続時に要求される権限
- 登録した情報の保存と削除方法
- 利用するAIモデルや外部事業者
- 個人情報や機密情報の取り扱い
- 会議や会話を録音する場合の参加者への通知と同意
特にSecondBrain NoteやAI Meeting Notesで他者の会話を録音する場合は、利用する地域の法令や社内規定を確認し、必要な通知や同意を得る必要があります。
個人で確認する場合も、最初から重要なメールや機密情報を接続するのではなく、公開情報やダミーデータから始めるほうが安全です。
現時点で確認しきれなかったこと
公式ヘルプでは、主なコネクター、基本的な同期方法、Super Agentとの連携例などが説明されています。
一方、2026年7月22日時点の公開情報では、次の詳細までは確認できませんでした。
- SecondBrain本体を利用できる料金プランとクレジット条件
- ファイルの容量や登録件数
- 対応するファイル拡張子
- 日本語への正式な対応状況
- コネクターごとの具体的な同期間隔
- 取り込んだ情報の保持期間
- 回答時の引用元や根拠の表示方法
- SecondBrain内の個別データを削除する具体的な手順
- コネクターごとに要求される具体的な権限
- SecondBrainの情報を利用する機能と共有範囲
- 取り込んだ情報の更新、訂正、除外を制御する方法
一部の連携は即時ではなく、スケジュールに基づいて同期されることは公式ヘルプで説明されていますが、コネクターごとの正確な同期間隔までは示されていません。
また、接続したアカウントを解除する方法は案内されていますが、SecondBrainへすでに取り込まれた個別データが、解除後にどのように扱われるかは別途確認が必要です。
仕様や提供条件は今後変更される可能性があるため、利用時には最新の公式ヘルプとサービス画面を確認してください。
まとめ
GensparkのSecondBrainは、ファイルを保管して検索するだけの機能ではありません。
メール、会議、チャット、ドキュメント、外部アプリ、Genspark上のプロジェクトを1つの継続的なコンテキストへまとめる、AIの記憶レイヤーとして設計されています。
AI Workspace 6.0では、その記憶の上にSuper Agentがあり、さらにその先に、ドキュメント、スライド、画像、動画、コードなどを作成する各種Suiteが配置されています。
今回、実際の画面では次の項目を確認できました。
- Second Brainへの質問入力欄
- ファイルのアップロード
- Gmailとの接続
- Outlookとの接続
- その他サービスとの接続
- Feed Brain
- Genspark Project History
公式ヘルプでは、Gmail、Google Calendar、Outlook、Slack、Notion、HubSpot、Salesforceなどのサービスと接続し、Super Agentが複数の情報源をまたいで検索や成果物の作成を行う使い方も紹介されています。
また、SecondBrain NoteはSecondBrainを利用するための必須機器ではなく、対面での会話を記憶へ追加するための任意の入力手段です。
Genspark AI Workspace 6.0は、AIへ毎回資料を渡して単発の作業を依頼する形から、蓄積されたコンテキストをもとに継続的に作業を任せる形への移行を目指しているように見えます。
一方で、ファイルの容量、対応形式、日本語への正式対応、コネクターごとの同期間隔、情報の保持期間、個別データの削除方法など、現時点の公開情報だけでは確認しきれない点も残っています。
SecondBrainを利用する際は、機能面だけでなく、接続するデータの範囲、要求される権限、外部AIサービスへのデータ送信、録音時の同意なども確認した上で利用する必要がありそうです。










