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PMBOK原理・原則:リスクの最適化

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PMBOKのリスク管理について記事を書きました。
「リスク=悪いこと」という固定観念を外して、チャンスとしても捉えていく。そして小さな一歩から始める。
この2点を意識するだけでも、プロジェクトの成功確率は上がるのではないでしょうか。
ご参考になれば幸いです。🙏

マインドマップ (13).png

はじめに

risk-management-detailed.png

~リスク対応策を見直して機会を最大化する~

ソフトウェア開発やプロジェクト進行では、日々いろんなリスクに直面しますよね。突然の仕様変更や新しい技術導入、人的リソース不足など、挙げればキリがありません。だけど「リスク管理ってなんか固そう」「結局めんどくさくて後回し…」と敬遠されがち。でも、ちょっとした工夫でリスク管理をうまく回せるなら、むしろ現場の負担やストレスを減らし、チャンスを最大化できる可能性があります。

この記事ではPMBOK(Project Management Body of Knowledge)のリスク対応策の基本をおさらいしつつ、現場で働くエンジニアやリーダーが「これなら少しやってみる価値がありそう」と思えるようなポイントをまとめました。

1. リスクは「悪いこと」だけではなく「機会」でもある

risk-opportunity-revised.png

  • PMBOKの“リスク”は「不確実性」全般を指す
    実際の運用では「リスク=トラブルの原因」みたいに考えがちですが、PMBOK的にはポジティブなチャンスも「リスク」の一部です。

    • 例)新技術の導入は失敗のリスクがある一方で、大きな差別化要素にもなる。
  • “機会”を意識して動くと雰囲気がポジティブになる
    リスクを“避ける”だけだとどうしてもテンションは下がりがち。でも「攻めの姿勢で得られる可能性」があるとわかると、チームのやる気をうまく引き上げられます。

2. PMBOK的リスク対応策の基本をサクッとおさらい

image.png

PMBOKには、リスクへの対応策として主に以下の5種類が出てきます(ポジティブリスク向けに追加要素もあります)。

  1. 回避(Avoid)

    • リスクを発生させる要因そのものを取り除く
    • 現場でありがちな例:
      • 難易度が高くて間に合わない機能をスコープから切る
      • 無理なスケジュール・要件を見直す
  2. 軽減(Mitigate)

    • 発生確率や影響度を小さくする
    • たとえば:
      • 新しい技術ならPoCを小さくやってみて、いけそうなら拡大
      • フェイルセーフを組み込んで不具合の範囲を局所化
  3. 転嫁(Transfer)

    • リスクを外部や契約などで別のところに移す
    • たとえば:
      • 専門ベンダーに依頼して契約で範囲や責任を明確化
      • クラウドサービスのSLAを活用
  4. 受容(Accept)

    • 対応コストが高すぎたり重要度が低いリスクは「そのまま受け入れる」
    • ただし、万一の発生時にどうリカバリするかは把握しておく
  5. 活用(Exploit) ※ポジティブリスク向け

    • プラスを見込めるなら、積極的に手を打って機会を取りにいく
    • 例:
      • 新技術を導入するためのスポット投資で、後の大幅な効率化や差別化を狙う

3. 「リスクの最適化」で得られるメリット

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  • 燃え尽き症候群の予防
  • チャンスを逃しにくくなる
  • チーム内コミュニケーションの活性化

4. まずは小さくやってみる:現場Tips

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4-1. リスク/機会メモをライトに運用してみる

  • Slackの専用チャンネルやGoogleスプレッドシートなどでざっくりメモを残す

4-2. 定例ミーティングで5分だけ「リスクと機会を振り返る」

  • 短時間の共有タイムを設けるだけで意識が高まる

4-3. トラブルの共有は“ネガティブ”じゃなく“学習”の場に

  • 振り返りを「次に活かす場」として活用

4-4. 機会の活用は「小さな実験」から

  • PoCを小さくやってみる

5. 現場のみんなに届けたい想い

  • 「リスク管理=めんどくさい仕事」だけじゃない
  • みんなでリスクに目を配るからこそ、リーダーの負担も軽くなる
  • 不安や改善案を言いやすい空気が生む「安心感」

まとめ

image.png

  • リスクはポジティブな機会も含む不確実性である
  • 完璧を目指さず、小さくリスク・機会の洗い出しをしてみる
  • トラブルを学びに変え、チャンスをうまく掴むとチームの空気も良くなる

「リスクマネジメント」を聞くと固いイメージがありますが、要は「ちょっとした気配りを現場全体で積み重ねる」イメージに近いと思います。その積み重ねが、後々大きな炎上を防いだり、意外な機会を引き寄せたりするきっかけになるはずです。ぜひ無理のない範囲から取り組んでみてください。チームのモチベーションアップと成果につながることを願っています。

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