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[初級] Salesforceユーザーの作成と管理 - 基本から応用まで

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Last updated at Posted at 2025-12-05

はじめに

Salesforceの「ユーザー」は、組織にログインしてデータにアクセスできる個人を表します。ユーザー管理は、システムアドミニストレーターの最も基本的で重要な業務の一つです。適切なユーザー設定により、セキュリティを確保しながら、各ユーザーが必要な機能に効率的にアクセスできるようになります。本記事では、ユーザーの作成から管理、トラブルシューティングまで詳しく解説します。

学習目標

この記事を読むことで、以下の内容が理解できます:

  • Salesforceユーザーの概念と構成要素
  • ユーザーの作成手順(単一・一括)
  • ユーザー設定の各項目の意味
  • ユーザーの編集、凍結、無効化の違い
  • パスワード管理とリセット方法
  • ユーザー管理のベストプラクティス

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Salesforceユーザーとは

ユーザーの定義

Salesforceの「ユーザー」は、以下の要素で構成されます:

ユーザー = 個人情報 + ライセンス + プロファイル + ロール + 権限セット

ユーザーが持つ主要属性

  1. 識別情報: 名前、メールアドレス、ユーザー名
  2. ライセンス: 使用できる機能の範囲
  3. プロファイル: 基本的な権限セット
  4. ロール: データアクセスの階層
  5. 権限セット: 追加の権限
  6. ロケール設定: 言語、タイムゾーン、ロケール

ユーザーの種類

Salesforceには様々なユーザータイプがあります:

ユーザータイプ 説明 主な用途
内部ユーザー 従業員 通常のSalesforce利用
外部ユーザー パートナー、顧客 Experience Cloud/Community
Chatterユーザー Chatterのみ コラボレーション専用
統合ユーザー システム連携用 API接続専用

ユーザーの作成

前提条件

ユーザーを作成する前に確認すべき項目:

チェックリスト:
- 利用可能なライセンスが残っている
- 適切なプロファイルが存在する
- ロール階層が設計されている
- 権限セットが準備されている(必要に応じて)
- ユーザー名の命名規則が決まっている

単一ユーザーの作成手順

ステップ1: ユーザー作成画面へアクセス

設定 > ユーザー > ユーザー > 新規ユーザー

ステップ2: 基本情報の入力

必須項目:

  1. 姓(Last Name)

    例: 山田
    
  2. 名(First Name)

    例: 太郎
    
  3. メールアドレス(Email)

    例: yamada.taro@company.com
    
    重要:
    - 有効なメールアドレスが必要
    - パスワードリセットや通知に使用
    - 同じメールアドレスを複数ユーザーで使用可能
    
  4. ユーザー名(Username)

    例: yamada.taro@company.com.production
    
    重要ポイント:
    - メール形式である必要がある
    - Salesforce全体で一意である必要がある
    - 実際のメールアドレスである必要はない
    - 変更可能だが推奨されない
    

ユーザー名の命名規則例:

パターン1: メールアドレス + 環境
yamada.taro@company.com.production
yamada.taro@company.com.sandbox

パターン2: 社員番号ベース
emp12345@company.com.sfdc

パターン3: 部門別
yamada.taro.sales@company.com
  1. 別名(Alias)

    例: ytaro
    
    - 最大8文字
    - レポートやリスト表示で使用
    - 自動生成されるが変更可能
    
  2. ニックネーム(Nickname)

    例: 太郎
    
    - Chatter での表示名
    - 組織内で一意である必要がある
    

ステップ3: ライセンスとプロファイルの選択

ユーザーライセンス:

主なライセンスタイプ:
- Salesforce: フル機能
- Salesforce Platform: カスタムアプリのみ
- Chatter Free: Chatterのみ
- Guest User: ゲストアクセス

プロファイル:

標準プロファイルの例:
- システム管理者: 全権限
- 標準ユーザー: 一般的な権限
- カスタムプロファイル: 組織固有の権限

ライセンスを選択すると、そのライセンスで利用可能なプロファイルのみが表示されます。

ステップ4: ロールの割り当て

ロール(Role):

例:
- CEO
  └─ 営業部長
      └─ 営業担当
  └─ サポート部長
      └─ サポート担当

重要性:

  • データの可視性を制御
  • ロール階層の上位者は下位者のデータを参照可能
  • 必須ではないが推奨

ステップ5: 追加設定

ロケール設定:

言語: 日本語
ロケール: 日本語(日本)
タイムゾーン: (GMT+09:00) 日本標準時

これらは組織のデフォルトから継承されますが、個別に設定可能です。

その他の設定:

  • マネージャー: 直属の上司を選択(レポート階層用)
  • 受信メールのエンコード: 通常はデフォルト
  • ロケール: 日付・数値の表示形式

ステップ6: 保存とパスワード設定

保存オプション:

  1. 保存: ユーザーを作成し、ウェルカムメールを送信

    - 新規パスワードの設定リンクが送信される
    - ユーザーが自分でパスワードを設定
    
  2. 保存してもう1つ新規作成: 連続してユーザーを作成

    - 複数ユーザーを続けて作成する場合に便利
    

ユーザー作成の実例

例1: 営業担当者の作成

基本情報:
- 姓: 山田
- 名: 太郎
- メール: yamada.taro@company.com
- ユーザー名: yamada.taro@company.com.prod
- 別名: ytaro

ライセンスと権限:
- ライセンス: Salesforce
- プロファイル: 標準ユーザー
- ロール: 営業担当

ロケール:
- 言語: 日本語
- タイムゾーン: (GMT+09:00) 日本標準時
- ロケール: 日本語(日本)

例2: システム管理者の作成

基本情報:
- 姓: 佐藤
- 名: 花子
- メール: sato.hanako@company.com
- ユーザー名: sato.hanako@company.com.prod
- 別名: hsato

ライセンスと権限:
- ライセンス: Salesforce
- プロファイル: システム管理者
- ロール: IT管理者

追加設定:
- システム管理者のチェックボックスをオン

一括ユーザー作成の方法

Salesforceではユーザーを Data Import Wizard でインポートすることはできません。
一括作成するには以下の2つの方法があります。


方法1: 「複数ユーザーの追加」を使う(UI)

管理画面の CSV アップロード機能で、最大 10〜数十ユーザーをまとめて作成できます。
大量作成にはデータローダー推奨。UI版は簡易用途向け

手順:
設定 > ユーザー > ユーザー > [複数ユーザーの追加]

CSVサンプル:
First Name,Last Name,Email,Username,Alias,Profile,Role


方法2: データローダーを使用する

より大量のユーザー(数百〜数千件)を作成する場合は、データローダーで
「User オブジェクト」を Insert します。

手順:

  1. User を Insert モードで選択
  2. CSV を準備
  3. マッピングを設定し実行

注意:

  • プロファイル名・ロール名は正確に記載
  • ライセンスの残数を必ず確認

ユーザー情報の編集

編集可能な項目

ユーザー作成後、以下の項目は編集可能です:

いつでも編集可能:

  • 名前(姓・名)
  • メールアドレス
  • ニックネーム
  • ロール
  • マネージャー
  • 電話番号
  • 住所
  • タイムゾーン
  • 言語
  • ロケール

条件付きで編集可能:

  • ユーザー名(変更可能だが非推奨)
  • プロファイル(ライセンスタイプ内で変更可能)
  • ライセンス(条件により変更可能)

編集不可:

  • ユーザーID(自動割り当て)
  • 作成日

ユーザー編集の手順

設定 > ユーザー > ユーザー
> [編集したいユーザー名をクリック]
> 編集

一括編集

複数のユーザーを一度に編集する場合:

方法1: データローダー

1. 既存ユーザーをエクスポート
2. CSVファイルを編集
3. Updateモードでインポート

方法2: Apex

// 例: 全営業担当のロケールを変更
List<User> users = [SELECT Id FROM User WHERE Profile.Name = '営業担当'];
for(User u : users) {
    u.LocaleSidKey = 'ja_JP';
}
update users;

ユーザーの無効化と凍結

無効化(Deactivate)

定義: ユーザーのログインを永続的に停止

使用場面:

  • 退職
  • 長期休職
  • ライセンスの削減

手順:

設定 > ユーザー > ユーザー
> [ユーザー名をクリック]
> 編集
> 「有効」チェックボックスをオフ
> 保存

影響:

  • ログイン不可
  • ライセンスが解放される
  • データの所有権は維持
  • レポートの実行ユーザーには使用可能

重要な注意点:

- 最低1人のアクティブなシステム管理者が必要
- 無効化後も再有効化は可能
- データは削除されない

凍結(Freeze)

定義: ユーザーのログインを即座に一時停止

使用場面:

  • セキュリティ違反の疑い
  • アカウント調査中
  • 一時的なアクセス停止

手順:

設定 > ユーザー > ユーザー
> [ユーザー名をクリック]
> 凍結

特徴:

即座に効果: 既存のセッションも切断
一時的: 簡単に凍結解除可能
ライセンス: 解放されない
所有データ: アクセス不可

無効化 vs 凍結の比較

特徴 無効化 凍結
即座の効果 新規ログイン不可(既存セッションは残る場合あり) 即座(既存セッションも切断)
ライセンス 解放される 解放されない
用途 永続的な停止 一時的な停止
所有データ 維持 維持
解除 再有効化 凍結解除

ユーザー削除

重要: Salesforceではユーザーの削除は原則できません!

理由:

  • データの整合性を保つため
  • 監査証跡の維持
  • レポートの履歴保持

例外:

  • 作成後すぐ(データがほとんどない場合)
  • Salesforceサポートへの特別な依頼(条件あり)

パスワード管理

パスワードのリセット

管理者によるリセット

手順:

設定 > ユーザー > ユーザー
> [ユーザー名をクリック]
> パスワードのリセット

動作:

  1. ユーザーにパスワードリセットのメールが送信される
  2. ユーザーがリンクをクリック
  3. 新しいパスワードを設定

ユーザー自身によるリセット

ログイン画面から:

1. 「パスワードをお忘れですか?」をクリック
2. ユーザー名を入力
3. リセットリンクを受信
4. 新しいパスワードを設定

パスワードポリシー

組織で設定可能なパスワード要件:

設定 > セキュリティ > パスワードポリシー

設定項目:

  • 最小文字数: 8文字以上推奨
  • 複雑さの要件:
    • 英大文字を1文字以上
    • 英小文字を1文字以上
    • 数字を1文字以上
    • 特殊文字を1文字以上
  • 有効期限: 30日、60日、90日、180日、1年、無期限
  • 履歴: 過去0〜24個のパスワードを再利用不可(0は履歴なし)
  • 最大ログイン試行回数: ロックアウトまでの試行回数

ベストプラクティス:

推奨設定:
- 最小文字数: 8文字以上
- 複雑さ: すべての要件を有効
- 有効期限: 90日
- 履歴: 3個(0〜24個の範囲で設定可能)
- ロックアウト: 10回

パスワード期限切れの処理

ユーザーへの通知:

  • 期限切れ前に警告メール
  • ログイン時に変更を促す

管理者の対応:

期限切れユーザーの確認:
設定 > ユーザー > ユーザー
> リストビューで「パスワード有効期限切れ」でフィルタ

ユーザーの権限管理

プロファイル

定義: ユーザーの基本的な権限セット

含まれる権限:

  • オブジェクト権限(CRUD)
  • 項目レベルセキュリティ
  • アプリケーション設定
  • Apexクラスアクセス
  • ページレイアウト割り当て

変更:

ユーザー詳細 > 編集 > プロファイル変更

権限セット

定義: プロファイルに追加する権限

用途:

  • プロファイル変更なしに権限追加
  • 一時的な権限付与
  • 複数の権限の組み合わせ

割り当て:

設定 > ユーザー > 権限セット
> [権限セット名]
> 割り当ての管理
> ユーザーを追加

権限セットグループ

複数の権限セットをグループ化:

例:
営業マネージャー権限セットグループ
├─ 商談編集権限セット
├─ レポート作成権限セット
└─ ダッシュボード管理権限セット

ユーザーの監視と監査

ログイン履歴

確認方法:

設定 > ID > ログイン履歴

表示情報:

  • ログイン日時
  • ログイン元(ブラウザ、アプリなど)
  • ステータス(成功、失敗)
  • IPアドレス

保持期間: 6ヶ月

最終ログイン日

未使用アカウントの特定:

設定 > ユーザー > ユーザー
> リストビューで「最終ログイン日」列を追加
> 古い順にソート

活用:

最終ログイン90日以上 → 無効化を検討
最終ログイン180日以上 → 無効化を推奨

セットアップ監査証跡

ユーザー関連の変更履歴:

設定 > セキュリティ > セットアップ監査証跡を参照

記録される操作:

  • ユーザーの作成
  • プロファイルの変更
  • 権限セットの割り当て
  • ロールの変更

保持期間: 180日

ベストプラクティス

1. ユーザー名の命名規則

推奨:
- 一貫性のある形式
- 環境を識別可能(.prod, .uat, .dev)
- わかりやすい構造

例:
firstname.lastname@company.com.production
firstname.lastname@company.com.sandbox

2. ライセンスの最適化

定期チェック:
- 月次で使用状況を確認
- 未使用ライセンスの特定
- 適切なライセンスタイプの割り当て

例:
- Chatterのみ使用 → Chatter Freeに変更
- カスタムアプリのみ → Platform ライセンスに変更

3. セキュリティ強化

推奨設定:
- 強力なパスワードポリシー
- MFA(多要素認証)の有効化
- IPアドレス制限(必要に応じて)
- ログイン時間制限(必要に応じて)

4. 退職者の処理手順

1. 即座の対応:
   - ユーザーを凍結(セキュリティ確保)

2. データの移行:
   - 所有レコードの再割り当て
   - ダッシュボード/レポートの移行
   - Chatter投稿の確認

3. 無効化:
   - ユーザーを無効化
   - ライセンスの解放確認
   - ドキュメント更新

5. ドキュメント化

# ユーザー管理ドキュメント

## 命名規則
- ユーザー名: firstname.lastname@company.com.prod
- 別名: 名前の頭文字

## プロファイル割り当て
- 営業: 営業ユーザープロファイル
- サポート: サポートユーザープロファイル
- 管理者: システム管理者

## 新規ユーザー作成プロセス
1. 人事からの申請受領
2. ライセンス確認
3. ユーザー作成
4. 権限設定
5. 初回ログイン支援

## 退職者処理プロセス
1. 人事からの通知
2. 即座に凍結
3. データ移行
4. 無効化
5. 記録更新

よくある間違いと対処法

間違い1: ユーザー名とメールアドレスの混同

問題:

ユーザー名 = メールアドレス と誤解

正しい理解:

ユーザー名: ログインに使用(メール形式、グローバルで一意)
メールアドレス: 通知先(実際のメールアドレス、重複可能)

対処法:

yamada.taro@company.com          ← メールアドレス
yamada.taro@company.com.prod     ← ユーザー名

間違い2: ライセンスとプロファイルの誤解

問題:

プロファイルがライセンスを決定すると誤解

正しい理解:

ライセンス → 利用可能な機能の範囲を決定
プロファイル → ライセンス内での権限を決定

対処法:

1. まずライセンスを選択
2. そのライセンスで使用可能なプロファイルを選択

間違い3: ユーザーの削除

問題:

退職者のユーザーを削除しようとする

正しい対処:

削除ではなく無効化:
1. データの移行
2. ユーザーの無効化
3. ライセンスは自動的に解放される

間違い4: システム管理者の全員無効化

問題:

最後のシステム管理者を無効化してしまう

エラー:

「最低1人のアクティブなシステム管理者が必要です」

対処法:

1. 新しい管理者を先に作成
2. 古い管理者を無効化
3. 常に複数の管理者を維持(推奨)

試験対策ポイント

重要な試験トピック

  1. ユーザー名の要件

    • メール形式である必要がある
    • Salesforce全体で一意
    • 実際のメールアドレスである必要はない
  2. 無効化 vs 凍結

    • 無効化: ライセンス解放、永続的
    • 凍結: 即座、一時的、ライセンス保持
  3. ユーザーの削除

    • 原則として削除できない
    • 無効化を使用
  4. パスワードリセット

    • 管理者がリセット可能
    • ユーザー自身もリセット可能

よく出る試験問題パターン

問題例1:

Q: ユーザー名の要件として正しいものはどれですか?

a) 実際のメールアドレスである必要がある
b) メール形式である必要がある
c) 組織内で一意である必要がある
d) 変更できない

A: b) メール形式である必要がある

問題例2:

Q: ユーザーのログインを即座に停止する方法は?

A: ユーザーの凍結(Freeze)
   無効化は次回ログイン時から効果

問題例3:

Q: 退職したユーザーのレコードを他のユーザーに
   移行する前に行うべきことは?

A: ユーザーを凍結してセキュリティを確保

問題例4:

Q: プロファイルと権限セットの違いは?

A:
- プロファイル: 必須、1ユーザー1プロファイル
- 権限セット: オプション、複数割り当て可能、権限追加のみ

まとめ

user-management-summary-improved.png

Salesforceのユーザー管理では、まずユーザー名・ライセンス・プロファイル・ロールを正しく設定して作成することが重要です。運用では最終ログイン日やライセンス使用状況を定期的に確認し、パスワードポリシーやMFAなどのセキュリティ設定を適切に維持します。退職者は削除ではなく無効化し、必要に応じて凍結で即時対応します。また、命名規則の統一やライセンス最適化、手順の文書化、四半期ごとの監査を行うことで、安定したユーザー管理体制を保つことができます。

動画解説(著者用)

スライド(著者用)

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