これは、IBM Cloud Advent Calendar 2020 25日目の記事です。
IBM Cloud PaaS ベストテンの2020年版
年末の風物詩のような記事になってきた感のある人気ベストテン。昨年の素朴な依頼に味をしめたのか、今年もまたお茶目な同僚から連絡がありました。
同僚:「例の今年版、もうある?」(ほぼ原文)
わたし:「ないです」
同僚:「いつごろできそう」(ほぼ原文)
わたし:「予定は未定っすね」
同僚:「でもアドベントカレンダーにやるって書いてあったよ。いまいまのでいいからチョウダイ!」(ほぼ原文)
なんやねん。2019年と同じ流れやないか・・・と。
いまいまの、ってそんなんないよ、、、。だってこの文章を書いているのは12/24の夜なんだもの。
折角なので、昨年と今年のベストテンを並べてみますかね。何か面白い傾向が見えるかもしれない。。。わくわく。
IBM Cloud で利用できるサービスの変遷
今年は大阪リージョンが開設した記念すべき年でした。すでに、仮想サーバーやベアメタル、とくにVMwareやICOSなどを東阪で分散して配置する場合に活用されているようです。でも本ベストテンに影響するPaaSのサービスは2021年の第一四半期から順次提供開始、となっているので大阪の影響が出てくるのは来年のベストテンを待たないといけません。
2020年はなんと言ってもコンテナでしょう。いろんなクラウドでManagedのKubernetesやOpenShiftが出ました。IBM Cloudもそのひとつです。コンテナ系のラインナップがこの一年間どう使われてきたのかがベストテンに出てくるんだろうな。。。
さぁ、いよいよIBM Cloud PaaS 人気ベストテン 2020
「人気」の集計単位は、対象のサービスを有償プランで利用しているユーザー数、です。
もうベストテンじゃあ傾向が分からないほどの堅調っぷり。出てくるサービスもなんだか目新しいものが無いなぁ、という感じです。
さて。
1位のICOSは、堂々の1位です。ぶっちぎりです。ほとんどのユーザーにご利用いただいているんじゃないかというくらいの利用率です。業界トップクラスの堅牢性、使い勝手の良さと、そして何より「安さ」もあるので、これは納得です。
Continuous Deliveryが昨年に続いて2位なのは、Kubernetes効果と、DevOpsな開発環境としての利用も高まってきたということだと思われます。
Availability Monitoring、SDK for Node.jsともに非常に人気のあるサービスです。これらの位置、しばらく不動となりそうです。
Visual Recognitionが順位を落としたのはやはりサービス提供終了のお知らせによるところが大きいでしょう。
比べてみたよ。IBM Cloud PaaS 人気ベストテン 2019 vs 2020
この二年間、4位までの順位が変わっていません。(集計で利用している)ポイント的にも順位が入れ替わることが無いような差があるので、この順位が入れ替わるのはしばらく先になりそうです。
Continuous DeliveryやAvailability Monitoringが連続してランクインしているのは、やはりIBM Cloudを開発基盤として利用するユーザーが増えてきていて、かつ、定着してきていることの表れだと想像できます。
そして2019年に引き続き Watson 強いですね。この傾向もしばらく続きそうです。
続いてIBM Cloud PaaS 売上ベストテン 2020
さて売上ベストテンです。
Watson系3サービスが変わらない人気で、1-2-3フィニッシュ。Speech To Text(音声認識)が堂々の1位、Discovery(探索)2位、Natural Language Classifier(自然言語分類)が3位、というのは如何に AI 系のサービスがIBM Cloud PaaSで利用されているかを物語っています。この傾向は2019年も同じでした。
今年注目すべき動きは、「IBM Cloud Garage」です。IBM Cloudのコンソールから、なんとMVP開発などを依頼できるアジャイル開発をオーダーできるようになったのですが、その利用者がぐいと増えるようなタイミングがあると順位が急上昇し、そうでないときは深く潜航する、というボビングのような動きをしています。
わたしの推しPaaSのひとつであるCloud Internet Servicesも昨年ランクインしてから2020年はじわりじわりとランクを上げています。今後の動向にも要注目ですね。いろいろ機能が増えてきているので、ご利用をご検討されている方はぜひ詳細を確認しましょう。
もうすぐベストテンから見る来年の傾向
ベストテンの圏外だったけど、年間で上昇トレンドだったサービスをご紹介します。
(売上ではすでにランクインしている各種の)コンテナ系サービスが上昇トレンドを継続し、ランクインしそうです。
2021年はSysdigやLogDNAといったログ・モニタリング系のサービスが急浮上しそうな傾向です。
2020年9月に開始されたPowerのクラウドサービスが急成長しており、こちらは2021年にはランクイン確実視されています。
ServerlessやAppID、PoetgreSQLなどアプリケーション開発で広く活用されている各種サービスも来年はランクインが見込まれます。
いかがでしたでしょうか?
ご利用いただいているPaaS系のサービスはランクインしていましたか?ここ数年、ベストテンを発表しています。その中で、これほど動きが無かった年は初めてだと思います。それほど、多くのユーザー様にご利用いただいている堅実なサービスが増えてきた、ということの現れだと考えています。
ですが、ベストテンのままだとぜひ知っていただきたい新しいサービスのご紹介ができないので、来年はベスト20にしようかな、と考えています。
来年は、大阪リージョンの立ち上がりの影響を受けたサービスが上位に食い込んできそうですね。既存のサービスがすでにかなり堅実な地位を築いていますので、どれくらい健闘してくれるか楽しみです。
また、分散クラウドの注目サービスとして2021年3月にリリースが予定されている「IBM Cloud Satellite」も登場とともにランクインしそうな気配があります。また2021年は東京と大阪にHyperProtect系(いわゆるzLinux)のサービスがご利用いただけるようになります。これまでメインフレームがないと使えなかった業界最高水準の暗号化の仕組みが従量課金で(しかもお得に)ご利用いただけるようになるのです。IBM Cloud、来年も目が離せません。