これは、IBM Cloud Advent Calendar 2021 25日目の記事です。
IBM Cloud PaaS ベストテンの2021年版
年末の風物詩とも言うべき人気ベストテン。来年はIaaS部門もやってみたいなと思いながらしたためております。
さて。今年もまたお茶目な(昨年とは別の)同僚から連絡がありました。
同僚:「ベストテンってあります?」
わたし:「まだないです。」
同僚:「来週末には使いたいんです」
わたし:「あと1週間ですね。準備します」
同僚:「木曜日までに送ってくれると助かります」
丁寧な言い回しながらも言葉尻に圧力を感じます。何かのスキルなんでしょうか。リモートなのにおそるべし(笑)
IBM Cloud で利用できるサービスの変遷
今年は大阪リージョンにPaaSの機能が順次実装された一年でした。さらには、サーバーレスやバッチ、はたまたお手軽にコンテナアプリ開発にも使える注目の新サービス「Code Engine」がリリースされ、分散クラウド業界でもっとも高い注目を集めている「IBM Cloud Satellite」が東京リージョンでサービスを開始しました。
一方、IaaS領域ではありますが、AIX/IBMiがやっと東阪リージョンでご利用いただけるようになり、Linux on zもVPC環境で利用できるOSとしての提供も始まり、LIFTしやすい環境が急速に充実した一年だったと思います。
さぁ、いよいよIBM Cloud PaaS 人気ベストテン 2021
集計単位は、対象のサービスを有償プランで利用しているユーザー数です。無償枠での利用やライトアカウントでの利用は含まれていません。
今年は「日本のユーザー」に絞って集計してみました。
昨年はベストテンじゃあ傾向が分からないほどの堅調っぷりでしたが、日本のユーザーにフォーカスしてみると別の傾向が見えてきますね。
なんとSDK for Node jsが堂々の1位。
3,4,7位にランクインしているWatson系のサービスと組み合わせて使っているユーザーが多いようです。ベースのサービスとなっている、Cloud Foundaryはアプリ開発のしやすさでも利用者の多いサービスですね。アプリ開発基盤としては、新サービスであるCode Engineが来年どういう動きを見せるか楽しみですね。
Cloud Object Storageが2位(全世界では1位)と高い人気を集めているのは世界共通です。利用頻度に応じて最適なプランに切り替えてくれる「Smart Tier」が利用できるようになってさらに使い勝手が向上しました。東京リージョンに加えて大阪リージョンが選択できるようになったのも便利でいいですよね。
そして今年の注目のひとつ「Kubernetes Cluster」です。ランクを上げて5位。Kubernetesをシンプルに使い倒したいユーザーには「IBM Kubernetes Service(IKS)」と「IBM Cloud Red Hat Openshift Kubernetes Service(ROKS)」の二つから選択して利用することができます。共に東京や大阪リージョンでも本格的に利用できるようになったのと、アプリケーション開発がコンテナで実装される、ということが利用者が増えてきている傾向も見て取れるかと思います。
最後に注目しないといけないのは、VPC系のサービスが3つもランクインした点でしょうか。Xenベースの第一世代(いわゆるSoftLayer)から、KVMベースの第二世代(VPC)となり利用できるインスタンスのサイズやNIC帯域の拡大、デプロイ時間の短縮だけでなく、システムそのものの安定性が向上したというのも人気の理由の一つかもしれません。
Virtual Server for VPC では、OSS系のOSだけではなく、Red HatやWindows Serverも選択できます。それに加えて、なんとzLinuxも今年はラインナップに登場しました。エミュレーターじゃないですよ。LinuxONE上のzLinuxです。どういうOSが今後増えてくるのか楽しみですね。
もうすぐベストテンから見る来年の傾向
人気ベストテンの圏外だったけど、年間で上昇トレンドだったサービスをご紹介します。
ログ系サービス(IBM Log Analysis with LogDNA)や、モニタリング系サービス(IBM Cloud Monitoring with Sysdig)は地味ながらもクラウド上のサービスには欠かせないものですね。これまでのベストテンでもなかなかランクインしないまま圏外にいます。
Databases for PostgresSQLは、注目のサービスのひとつです。IBM Cloud Databasesでは、PostgresSQLだけではなく、Redis、Mongo、Etcd、Elasticsearch、EnterpriseDBなどに加えMySQLも選択できるManaged Databasesのひとつです。AWSでも人気のRDSに相当するIBM Cloudのサービスですね。
Power Systems Virtual Serverは、その名の通りPower(IBMi、AIX)を利用できるサービスです。SoftLayer時代からあったOpenPowerではなく、Powerそのものを利用できます。2021年は日本語にも対応し、また、VPNaaSがPower Virtual Serverにも対応したことで専用線での接続が非常にお手軽に(そしてお安く)なったのは嬉しいお知らせです。
Cloud Internet Servicesは、一時期ベストテンにもランクインしていた人気のサービスです。Global LB、WAF、DDoS、CDNなどなどWebアプリケーションには必要な基本的なサービスがオールインワンで、かつ、非常にお得にご利用いただけます。年末ゼロデイで話題になったLog4Jの対策もCISを適用している環境なら、水際で防御しやすいですね。まだ試したことが無い方はぜひお試しください。最初の30日間無料でお試しいただけます。
いかがでしたでしょうか?
ご利用いただいているサービスはランクインしていましたか?ここ数年、ベストテンを発表しています。今年は「日本のユーザー」に絞って人気ベストテンをお送りしました。
来年は、分散クラウドの注目サービスとして今年リリースされた「IBM Cloud Satellite」がランクインしそうな気配があります。また業界向けクラウドも順次出てくるようです。IBM Cloud、来年も目が離せません。