これは、IBM Cloud Advent Calendar 2019 25日目の記事です。
IBM Cloud PaaS ベストテンの2019年版ってないの?
2017年のアドベントカレンダーの記事を見たお茶目な同僚から、ある日ふと無言のプレッシャー連絡がありました。
同僚:「キータで見たんだけど今年版、もうある?」(ほぼ原文)
わたし:「ないです」
同僚:「いつごろできそう」(ほぼ原文)
わたし:「予定は未定っすね」
同僚:「年内にxxxで使いたいんだけど作ってくれない?ざっとでいいから」(ほぼ原文)
ざっと、ってどういう。。。まとめるのかぁー。手間がかかるのは間違いないです。抱える仕事(この時期、夜も埋まってるしね)の間隙を縫って、でもまぁ、作ろうか、となるわけです。
折角なので、2年前(2017年)と今年(2019年)のベスト10を比較しながら IBM Cloud で利用されている PaaS 系サービスを見ていくことにしましょう!何か面白い傾向が見えるかもしれない。。。わくわく。
IBM Cloud で利用できるサービスメニューの変遷
2017年のIBM Cloud | 2019年のIBM Cloud | |
---|---|---|
カタログ 構造 |
インフラストラクチャー コンピュート ストレージ ネットワーク セキュリティー コンテナー VMware プラットフォーム ボイラープレート API アプリケーション・サービス ブロックチェーン Cloud Foundry アプリ データ & 分析 DevOps 金融 Functions インテグレーション IoT(IoT Platform) モバイル セキュリティー Watson |
VPC Infrastructure コンピュート コンテナー ネットワーキング ストレージ AI 分析 データベース Developer Tools 統合 IoT セキュリティーおよび ID スターター・キット Web とモバイル Web とアプリケーション |
サービス 総数 |
200+ | 240+ |
コンソール | console.bluemix.net | cloud.ibm.com |
2017年のカタログでは、SoftLayerベースのインフラストラクチャー(IaaS)系サービスとBluemixベースのプラットフォーム(PaaS)系サービスとに分けられていました。これは、それぞれの利用者にカタログで迷わないように、という意図があったのかもしれません。
大きく変わったのは2018年12月。それまでのコンソール(console.bluemix.net)から、新コンソール(cloud.ibm.com)での利用開始のタイミングです。そこから2019年のようなカタログとなりました。
一方、サービスメニュー総数は 200強(2017年12月時点)から、240強(2019年12月時点)となっています。細かな機能レベルでの追加分や強化分はここにカウントされていないのですが、この1年間は特にKubernetesやOpenShiftのマネージドサービスや、VMware on IBM Cloudの様々なオプションのラインナップが拡充された年だと思います。
さぁ、いよいよIBM Cloud PaaS 人気ベストテン 2019
「人気」の集計単位は、対象のサービスを有償プランで利用しているユーザー数、です。
年間通してほとんど順位が変わらない、という堅調ぶりが際立ちました。
それIaaSちゃうの?というオブジェクトストレージが堂々のランクインです。カウント上、IaaSではなくPaaSとして計上されているので・・・まぁ、業界トップクラスの堅牢性、使い勝手の良さと安さもあるので、これは納得ですね。
Continuous Deliveryが2位につけたのは、Kubernetes効果と、DevOps的な開発環境としての利用も高まってきたという現れだとも言えます。
SDK for Node.jsはこれまでも非常に人気のあるサービスです。。。が、今回の集計でランキングを落としてしまいましたが、3位までのサービスが広範囲に利用できるものだということを考えると、4位までのこの位置、しばらく不動となりそうです。
またベストテン中、Watsonやアナリティクス系が6つランクインしています。
これはやはり、IBM CloudはWatsonや分析アプリとともに利用されていることが多い、という傾向の現れだと言えるでしょう。
比べてみたよ。IBM Cloud PaaS 人気ベストテン 2017 vs 2019
この二年で明らかな違いは、オブジェクトストレージの登場でしょうか。彗星のように現れた印象があるサービスですが、Cloud Object Storageは現在第二世代です。第一世代のSwiftベースのものから、第二世代はAWS S3準拠となり、様々なサービスのデータ保管先として活用されています。IaaSやん、、、と思うのですが、現在PaaSとしてカウントされているため、堂々の1位、です。
Continuous DeliveryやAvailability Monitoringが出てきているのは、やはりIBM Cloudを開発基盤として利用するユーザーが増えてきている、ということだろうと想像できます。
そして相変わらず Watson 強いですね。この傾向もしばらく続きそうです。
続いてIBM Cloud PaaS 売上ベストテン 2019
さて売上ベストテン、ではIBM Cloud PaaS系サービスの中の売上ランキングです。
Watson系3サービスが変わらない人気で、1-2-3フィニッシュ。Speech To Text(音声認識)が堂々の1位、Discovery(探索)2位、Natural Language Classifier(自然言語分類)が3位、というのは如何に AI 系のサービスがIBM Cloud PaaSで利用されているかを物語っている、と言えるでしょう。
昨年ベスト10入りが予測されたKubernetesサービスが堂々ランクイン。2020年も Kubernetes だけではなく Red Hat OpenShift効果でさらにランクを上げそう。
Cloud Internet Servicesも圏外から一挙にランクイン。今後の動向が見放せません。CISの代表的機能をヒーローに見立てたイメージ動画結構面白いです。
クラウドで利用できるDb2(Db2 on Cloud)もじわりじわりと順位を上げております。
そして、売上ランキング的には10位にランクインした Blockchain、結構、いろんなところで使われているんですよね。
もうすぐベストテンから見る来年の傾向
2019年のトレンドを継続し、(売上ではすでにランクインしている各種の)コンテナ系サービスがランクインしそうです。
また、アプリに「さらなる便利さ」を加えられるような以下のサービスも票を伸ばしそうです。
Analytics Engine: SparkやHadoopを使いアナリティクス用アプリを容易に開発できる
Language Translator: 多言語⇔多言語変換できる
Machine Learning: SPSS Modeler Serverの簡易版、です。
売上でランクインしたBlockchainと同じく、IoTのためのプラットフォームサービス「Internet of Things Platform」も2017年から一度ランクから外れたものの、ジワジワ順位を上げています。
いかがでしたでしょうか?
ご利用いただいているPaaS系のサービスはランクインしていましたか?来年はコンテナ系のサービスが上位に食い込んできそうですね。
ちなみに私の「推しPaaS」は、Cloud Internet Services です。
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オンプレにあるWebも、IBM CloudじゃないクラウドにあるWebも対象にできるのが、もう、なんて太っ腹。
80/443だけじゃないのでモバイルアプリとかIoTとかにも使えるというのも(地味だけど)便利なんですよね。