2024年11月にCopilot Studioで自律型エージェント機能(Generative)がプレビュー機能として、リリースされました。
今回は自律型エージェント機能を使って、Plannerで自分にタスクが割り当てられたときに、
タスクのサポートをしてくれるエージェントを作成してみましたので、ご紹介します。
※本記事の内容は、2025/1/29時点の仕様です。
自律型エージェント機能とは?
自律型エージェントとは、簡単にいうと「人間が設定した目標に向かって自ら判断し、行動するエージェント」を指します。
これまではユーザー側で指示を出し(例えば「資料を検索して」など)、エージェントがその指示に従って行動するものでした。
しかし自律型エージェントでは、人間側で直接指示を出すのではなく、あらかじめ設定しておいたきっかけからエージェントが自発的に行動を開始します。
人間がエージェントに何かアクションをせずとも、エージェントが自発的に動き出すというイメージを持っていただければと思います。
Generetive機能:利用上の制限
動作が不安定
Copilot Studioの自律型エージェント機能(Generative)は、2025年1月現在、プレビュー機能として提供されています。このため、動作が不安定な場合があります。
現時点ではGenerative機能はMicrosoftのサポート対象外であるため、不安定な原因は特定できていません。
(ご紹介する「タスクサポート」も結果を出力してくれないケースがあります)
言語設定「英語」
Generative機能を利用するには、エージェントの言語設定を「英語」にする必要があります。
自律型エージェント「タスクサポート」の機能
今回、Generative機能を用いて作成した自律型エージェントは、タスクを完遂するまでの流れなどをサポートしてくれるものとなっています。
具体的にはMicrosoft 365サービスの1つである、Plannerに自分が担当者として割り当てられたタスクが登録されると、その内容をエージェントが分析し、タスクをスムーズに完了するための作業手順や想定作業時間などを提案してくれます!
※エージェント「タスクサポート」は内部処理にユーザー認証が走っているため、作成者本人しか利用できません。
▼ エージェント「タスクサポート」の一連の流れ
1. Plannerに自分が担当者として割り当てられたタスクが登録される
2. エージェント側でイベントトリガー「タスクが自分に割り当てられるとき」が起動する
3. エージェントがタスクの詳細を取得する
4. 取得したタスクの詳細をもとに、エージェントがタスクの作業完了までの作業内容や想定作業時間を考える
5. 考えた結果をユーザー宛にTeamsチャットメッセージとして送信する
登録したタスクと提案された内容
実際に「Copilot Studioに関するメルマガ作成」というタスクを登録してみました。
タスクには、タスク名と担当者のみを設定しています。
エージェントは「タスク名」の内容から、タスクが完了するまでに必要な作業などを考えます。
そのため、タスク名は明確に具体的な内容を登録すると、回答精度の向上が期待できると考えられます。
上記のタスクを登録後、エージェントはタスクを分析し、下記のTeamsメッセージを結果として返しています。
<出力内容> 全体の想定作業時間、タスク完了までの流れ、作業手順、タスク遂行に必要な情報

作成手順
今回のエージェント作成方法については、下記にまとめました。
興味のある方はこちらをご参考にしていただければと思います。
作成時の注意点としては、ChatGPTのGPTsと同様に指示文が非常に重要となります。
指示文はAI自身も参照し、指示文のとおりに振る舞うように行動します。
プログラミングでいうところのコードのような位置づけになりますので、分かりやすく端的に記載することを心がけるとよいかと思います。
①エージェントの作成
1. Copilot Studioにアクセスし、[作成] > [新しいエージェント] の順にクリックします。

2. [言語の編集] > [英語] > [保存] の順にクリックします。

②説明・指示の設定
2. 「説明」と「指示」にエージェントに実行してほしい振る舞いを記載し、[保存]をクリックします。

③Generative機能の有効化
2. [生成AI] を選択し、「生成(プレビュー)」を有効にし、[保存]をクリックします。

④トリガーの追加
2. [すべて] > [タスクが自分に割り当てられるとき]の順にクリックします。

3. サインインが有効なことを確認し、[次へ]をクリックします。

⑤アクションの追加
2. [新しいアクション] > [新しいPowerAutomate フロー]の順にクリックします。

3. [Copilot からフローを実行する] > [入力を追加する]の順にクリックします。

5. [Teams 本文]と入力し、[《]をクリックします。

6. [+] > [アクションを追加する] の順にクリックします。

7. [Microsoft Teams] をクリックします。

8. [チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する]をクリックします。

9. 「投稿先」で[フローボットとチャットをする]、「Recipient」で自分のメールアドレス、「メッセージ」で[Teams 本文]を指定します。

10. 左上の[アクション名]をクリックし、「タスクの整理結果をTeamsに投稿する」と入力します。

12. Copilot Studioの画面に戻り、[更新]をクリックします。

14. 追加したアクション[タスクの整理結果をTeamsに投稿する]をクリックします。

⑥動作確認
1. 「トピック名」横の[トリガーのテスト]をクリックします。

まとめ
これまでの自動化処理(Power Automate など)では、フローどおりに機械的に動くことによって、作業の効率を図れました。
しかしここにGenerative機能が加わることにより、エージェントが考えて行動するようになりました。
これによりできることは大幅に増え、活用の場がどんどん広がっていくと思います!
早くプレビュー機能ではなく、本リリースされ、実運用も可能になってくれたらいいな~と切に願います!
最後に
テンダでは、「こんなプロジェクトに挑戦したい」「こんなチームで働きたい」「理想のチームを創りたい」と願う仲間を求めています。
カジュアル面談も随時受付中です。ぜひ一度お話ししましょう!
















