この記事を書いている2025年2月2日時点での話です。
なお筆者の Windows のバージョンは Windows10 Pro 22H2 19045.5371 です。

初報 2025年2月2日(日)

Windows では WSH（Windows Script Host）と呼ばれるスクリプト実行環境が Windows98 の頃から用意されており，標準では JavaScript と VBScript を使用できます¹。ただし，VBScript は2027年にデフォルトで無効になるとのこと²。幸いなことに JavaScript のほうはもうしばらく使えそうですが，そもそもエンジンが IE6 時代のものなので言語仕様が相当古いのです。幸いなことに IE9 以降の JavaScript エンジン（JScript9）や Edge の JavaScript エンジン（Chakra）に置き換える方法も知られています³。

具体的には下記のように CLSID を直接指定することにより，JavaScript エンジンを置き換えることができます。

JScript9 を使う方法

cscript //E:{16d51579-a30b-4c8b-a276-0ff4dc41e755} script.js

Chakraエンジンを使う方法

cscript //E:{1B7CD997-E5FF-4932-A7A6-2A9E636DA385} script.js

ところが，このうち Chakra エンジンを使用しようとすると下記のエラーメッセージが表示されるようになったのです。

CScript エラー: Chakra スクリプト エンジンの実行は、Windows Script Host に対してブロックされています。

管理者権限で実行してもダメでした。

なお，JScript9 エンジンのほうは引き続き使用することができます。

本件に関して，マイクロソフトの月例セキュリティ更新情報⁴などを見てみましたが，それらしい情報は得られませんでした。

次報 2025年2月3日(月)

あれれ？何故か会社の PC だと Chakra エンジンが使えます。これは貴重な情報です。タイムスタンプを確認してみましょう。

会社の PC（Windows10 22H2 19045.5247）の場合

c:\>dir c:\windows\system32\chakra.* c:\windows\system32\?script.exe
～中略～
2024/08/21  11:26         7,770,112 Chakra.dll
2024/11/15  10:06           173,056 cscript.exe
2024/11/15  10:06           180,736 wscript.exe

一方，自宅の PC は以下のようになっています。おそらく Chakra.dll のほうはバイナリが同じで，2025年1月16日に更新された cscript.exe および wscript.exe が怪しいように思います。