はじめに
前回の記事でGCPとAWS間をインターネットVPNで接続しました。
https://qiita.com/TBT/items/2a834e119b10f51d57bf
今回はこの環境を使ってファイルの転送速度を確認してみます。
結論から言うと、GCP~AWS間のインターネットVPNのファイル転送速度はかなり速いです。
基本環境
実施環境
- GCP、AWSそれぞれの環境にWindowsサーバを立てる。
- プライベートIPでWindowsファイル共有できるようにする。
- 2GBのファイル転送にかかる時間を計測する。
参考:ファイル作成Windowsコマンド
fsutil file createnew testfile 2147483648
実行パターン
以下の3条件のうち1つだけを変えて計測
- 時間帯
- リージョン
- マシンスペック
時間帯別
朝は09:00頃、昼は16:00頃、夜は23:00頃に計測
朝 | 昼 | 夜 | |
---|---|---|---|
1回目 | 76秒 | 70秒 | 64秒 |
2回目 | 71秒 | 65秒 | 84秒 |
3回目 | 74秒 | 62秒 | 62秒 |
転送速度 | 約220Mbps | 約250Mbps | 195Mbps~265Mbps |
時間帯による大きな差はなかった
リージョン別
- 同リージョン
- GCPはasia-northeast1
- AWSはap-northeast-1
- 異リージョン
- GCPはasia-northeast1
- AWSはus-east-1
同リージョン | 異リージョン | |
---|---|---|
1回目 | 58秒 | 12分35秒 |
転送速度 | 約280Mbps | 約21.7Mbps |
異なるリージョンだと転送速度はかなり遅くなるが、インターネットVPNにしてはそれなりの速度は出ている。
マシンスペック別
- 最低スペック
- GCPはf1-micro(vCPU x 1、メモリ 0.6 GB)
- AWSはt3.nano(vCPU x 2、メモリ 0.5 GB)
- 中スペック
- GCPはn1-standard-1(vCPU x 1、メモリ 3.75 GB)
- AWSはt3.medium(vCPU x 2、メモリ 4 GB)
- 高スペック
- GCPはn1-standard-8(vCPU x 8、メモリ 30 GB)
- AWSはt3.2xlarge(vCPU x 8、メモリ 32 GB)
最低スペック | 中スペック | 高スペック | |
---|---|---|---|
1回目 | 306秒 | 66秒 | 65秒 |
転送速度 | 約53Mbps | 約250Mbps | 約250Mbps |
中スペック以上は回線側がボトルネックになるのか転送速度は変わらず。
インスタンス毎の帯域やディスクI/Oというよりは、インスタンス自体のスペック(メモリ)の影響が大きいのかと思った。