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60歳から個人開発。AIに助けてもらいながら、Flutterでダンスアプリを作ってApp Storeに公開した話

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はじめに

60歳になってから、個人でスマホアプリを作り始めました。

そして2026年8月4日、自分で作ったアプリをApp Storeに公開しました。

アプリの名前は、

MoveMaster - AI Dance Analyzer

ダンスの練習動画を使って、

  • お手本と自分の動きを比較する
  • スロー再生する
  • 左右反転する
  • 骨格を表示する
  • 動きの軌跡を見る
  • 身体の軸や重心の状態を確認する
  • 気づいたことを動画の上に直接書き込む

といったことができる、ダンス練習用のアプリです。

「60歳からアプリを作った」と言うと、ものすごいプログラマーを想像されるかもしれません。

でも、私はいわゆる「バリバリのエンジニア」ではありません。

むしろ、

分からないことを調べながら、AIにも聞きながら、なんとか作ってきた人間です。

この記事では、そんな私がどうやってアプリ開発を始め、どうやってApp Storeまでたどり着いたのかを書いてみます。


もともとは業務システムを作っていた

普段の仕事では、総務関係の仕事をしています。

給与、社会保険、労災、事故処理など、いろいろな業務があります。

その一方で、社内のコンピューター関係も担当してきました。

以前からプログラミングにも興味があり、34歳から

  • VB6
  • Kotlin
  • Flutter

などを、必要なことを調べながらコードを書いてきました。

ただし、専門のプログラマーというわけではありません。

「こういうことをしたい」

「どうやればいいんだろう?」

検索する。

試す。

エラーになる。

また調べる。

そんな感じです。


そして60歳になった

2025年9月に60歳になりました。

そして10月から嘱託になり、環境も大きく変わりました。

そこで、これから先どうしようかと考えました。

以前から作ってみたいと思っていたものがあります。

それが、

自分が好きなダンスのためのアプリ

でした。

私はストリートダンスを趣味にしています。

ダンスの練習をしていると、よくこんなことがあります。

「先生と同じように踊っているつもりなのに、なんか違う」

動画を撮って見返しても、

「どこが違うんだろう?」

となります。

そこで、

「その“なんか違う”を、もっと具体的に見えるようにできないか?」

と考えました。


最初はもっと単純なアプリだった

最初から現在のMoveMasterのようなアプリだったわけではありません。

動画を再生して、

  • スローにする
  • 左右反転する
  • コマ送りする
  • お手本と自分を比較する

そんなところから始まりました。

ところが、作っているうちに、

「骨格を表示したら面白いんじゃないか?」

「動きの軌跡を表示したら?」

「身体の軸を見たら?」

「リズムを分析できないか?」

と、どんどんやりたいことが増えていきました。

気がついたら、かなり大きなアプリになっていました。


AIに助けてもらいながら開発する

ここで大きかったのが、生成AIです。

私はコードを全部自分の頭の中で書けるわけではありません。

そこで、

「Flutterでこういうことをしたい」

「このエラーは何?」

「このコードをこう変更したい」

とAIに相談しながら開発していきました。

もちろん、AIが出してくれたコードをそのまま貼れば全部うまくいくわけではありません。

エラーが出ます。

動かないこともあります。

別のところが壊れることもあります。

そして、

「さっきまで動いていたのに!」

ということも普通にあります(笑)。

それでも、

「分からないからできない」

ではなく、

「分からないけど、AIに聞きながら調べてみる」

という開発スタイルが、自分にとって大きな武器になりました。


FlutterでiPhoneとAndroidを狙う

開発にはFlutterを使いました。

一つのコードベースからiOSとAndroidの両方を狙えることは、個人開発者にとってかなり大きなメリットだと感じました。

もちろん、実際にはiOSとAndroidで違う問題も出てきます。

MacでiOSのビルドをしたり、Android StudioでAndroid版を確認したり。

App Storeへの申請も初めてです。

「こんなところまで自分でやるのか……」

と思うこともありました。

でも、一つずつ調べていけば、少しずつ前に進めます。


MoveMasterは「AI先生」ではない

開発を進めるうちに、自分の中でMoveMasterの方向性も変わってきました。

最初は、

「AIがダンスを教えてくれるアプリ」

のような方向も考えていました。

でも、実際に作っていく中で、少し違うと思うようになりました。

ダンスには、

「この瞬間、ちょっと重心が遅れた」

「ここで肩が上がった」

「このタイミングで身体が止まっている」

といった、自分自身で感じ取る部分があります。

そこでMoveMasterは、

AIが正解を教えるアプリではなく、自分の動きを見つめるための道具

にしたいと思うようになりました。

言い換えるなら、

「AI先生」ではなく「透明な鏡」

です。

自分の身体の動きを見えるようにして、

比較する。

見る。

気づく。

記録する。

もう一度練習する。

この繰り返しを助ける。

それがMoveMasterの考え方です。


「身体知」を見える化する

ここから、私自身が興味を持つようになったのが、

身体知

という考え方です。

人間は、頭で考えていることだけで身体を動かしているわけではありません。

繰り返し練習することで、

「考えなくても身体が動く」

ということがあります。

逆に、頭では分かっているのに身体ができないこともあります。

ダンスをやっていると、この不思議さを強く感じます。

そこで、

「身体の中にある、言葉になっていない知識を、少しでも見えるようにできないか?」

と考えるようになりました。

MoveMasterという名前にも、そんな思いがあります。


そして、アノテーション機能を追加した

2026年9月には、新しい機能も追加しました。

アノテーション機能です。

動画を見ながら、その場で動画の上に直接、

「重心」

「ここ!」

「腕の軌道」

「このタイミング」

などを書き込めます。

これは単なる「メモ機能」とは少し違います。

動画を見ていると、

「あ、今のところだ」

という瞬間があります。

その気づきを、その場で動画に残す。

つまり、

見る → 気づく → 残す → 練習する

という流れを作るための機能です。

さらに、アノテーションのデータをエクスポート・インポートして、人に渡すこともできます。

先生が生徒の動画に書き込んだり、生徒同士で気づきを共有したり、といった使い方も考えています。


完全オフラインにこだわった

MoveMasterには、もう一つ大きなこだわりがあります。

動画を外部サーバーに送らないことです。

ダンスの練習動画は、自分の身体が映っています。

だからこそ、

「サーバーにアップロードしてください」

という仕組みにはしたくありませんでした。

MoveMasterは、基本的に端末内で処理する設計にしています。

ログインも必要ありません。

自分の動画を、自分の端末の中で、自分のために分析する。

個人開発だからこそ、こういう部分にはこだわることができました。


2026年8月4日、App Store公開

そして、

2026年8月4日。

ついにApp Storeで公開しました。

60歳になってから作り始めたアプリが、本当にストアに並びました。

これは、かなり感慨深かったです。

ただ、公開したから終わりではありません。

むしろ、ここからがスタートでした。

実際に使ってもらうと、

「ここが便利」

「この機能が欲しい」

「こういう使い方ができそう」

という新しい発見があります。

そのフィードバックをもとに、現在もアップデートを続けています。


個人開発は「全部一人でやる」ということ

個人開発を始めて分かったのは、

アプリを作るだけでは終わらない

ということです。

企画。

UI設計。

プログラミング。

デバッグ。

ストア申請。

スクリーンショット。

紹介動画。

Webサイト。

SNS。

ユーザーへの案内。

フィードバック。

また開発。

一人でやると、本当に全部やることになります(笑)。

でも、その分、

「自分が考えたものが、本当に誰かのスマホで動いている」

という面白さがあります。


60歳でも、まだ作れる

今回、一番伝えたいのは技術的なことだけではありません。

60歳になったとき、

「もう新しいことを始める年齢ではない」

と考えることもできたと思います。

でも、実際には逆でした。

60歳になったからこそ、

「やってみたいことを、やってみよう」

と思えました。

そして生成AIという強力な相棒もあります。

もちろん、AIが全部やってくれるわけではありません。

何がしたいのかを考えるのは自分。

試すのも自分。

エラーと戦うのも自分。

最後に「これでいい」と決めるのも自分です。

でも、

一人では難しかったことが、AIと一緒なら挑戦できる。

これは、これからの個人開発にとってかなり大きな変化だと思っています。


そして、次の挑戦へ

現在、MoveMasterはさらに次のステージに進もうとしています。

2026年は、

Shipaton 2026

にも挑戦しています。

まだ結果は分かりません。

でも、60歳から始めた小さな個人開発が、

「自分のためのアプリ」

から、

「誰かの役に立つアプリ」

へ変わっていく可能性を感じています。


最後に

私は、ものすごい技術を持ったエンジニアではありません。

分からないことだらけです。

それでも、

「こんなものがあったらいいな」

と思ったものを、

AIに相談しながら、

調べながら、

失敗しながら、

一つずつ作ってきました。

60歳からでも、アプリは作れました。

そして、App Storeにも公開できました。

だから、もしこの記事を読んで、

「自分も何か作ってみようかな」

と思った人がいたら、

まず小さなものから始めてみるのもいいんじゃないかと思います。

完璧じゃなくてもいい。

分からなくてもいい。

AIに聞けばいい。

エラーが出たら、また調べればいい。

そして、

「作ってみたい」

と思ったものを、実際に作ってみる。

個人開発って、案外そういうところから始まるのかもしれません。


MoveMasterについて

MoveMaster AI Dance Analyzerは、ダンスの練習動画を使って、自分の動きを比較・分析・記録するためのアプリです。

現在はiPhone版をApp Storeで公開しており、Android版もテスト公開しています。

詳しい機能や使い方については、公式ページをご覧ください。

MoveMaster 公式ページ

👉https://taka0918.github.io/move_master_docs/

今後はダンスだけにとどまらず、

「身体知を見える化し、磨く」

という考え方を、さまざまな身体活動へ広げていけたらと思っています。

そして、この挑戦はまだ続きます。

60歳からの個人開発。
次はどこまで行けるのか。

自分自身でも、ちょっと楽しみです。

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