はじめに
勉強や読書と「成果」の関係について、日頃から考えることがあります。私は時間があればたまに読書します。思考法や概念、構造、はっと驚かされる発見や知らない考え方に触れることがあると嬉しくなります。
一方で、読書は何かの役に立てるためにするものなのか、それとも純粋に楽しみとしてしているのか、どちらとも言い切れないとも感じます。実用書やビジネス書は「困っていることを解決する」「やりたいことを達成する」ために読む場合もありますが、ネットで検索したほうが効率的なのではと思ってしまいます。
今回は「読書と成果」について、自分の体験を通じて考えたことを整理します。
体験談:本との出会いとタイミング
社会人1年目のとき、ある本のタイトルが目に入りました。しかし、そのときは興味が湧かず、買う気にもなれませんでした。ところが、社会人3年目くらいに再びその本を見かけ、なぜか手に取り、購入しました。
読んでみると「人は自分のことしかコントロールできない」「他人を変えることはできない」という内容が書かれていました。この考えに触れてから、私は人に期待しすぎることをやめ、お願いがあれば素直に伝え、やってもらえなくても相手の事情を想像できるようになりました。
結果として、人間関係のストレスが減り、幸福度が増し、他人に依存せずに行動できるようになりました。読んだ瞬間だけ役に立つノウハウではなく、価値観が変わり、長期的に影響を与える本だったのです。
気づき:読書の価値は「タイミング」で変わる?
この経験から強く感じたのは、同じ本でも読むタイミングで価値が変わるということです。1年目の自分には響かなかった内容が、3年目の自分には刺さりました。
心に余裕ができ、考え方を見直す準備が整ったときに読んだからこそ、深い影響を受けられたのだと思います。「もっと早く出会いたかった」と思う一方で、早すぎても受け入れられなかったかもしれません。
読書と成果の関係
読書は「課題解決の手段」としても使えますが、ネット検索やAIのほうが早く答えにたどり着ける場面も多いでしょう。しかし、読書には検索にはない価値があります。
- 著者の思考の流れを追体験できる
- 新しい概念や考え方に出会える
- 抽象的な知識を得て、あらゆる場面に応用できる
つまり、読書の成果は単なる「問題解決」ではなく、考え方や行動指針の変化として現れることが多いのです。
おわりに:読書は問いをくれるのかもしれない
読書は、もしかすると答えをくれるものではなく、問いをくれるのかもしれません。その問いがどんな形で自分に返ってくるかは、やはりそのときの自分次第です。私の場合、なんとなく興味を惹かれ、どんな内容が書かれているのか気になって手に取った本で、得られたのは答えそのものではなく、新しい考え方や視点の変化でした。