はじめに
「プロジェクト管理」でも「プロジェクト管理ツールを利用する」においても、共通している重要事項があります。
それは役割と権限を明確にして運用するという点です。
しかし、プロジェクト管理ツールを導入するとき、機能や操作性に注目する一方で「権限設計」は後回しになりがちです。
ここが不明確のまま実際に運用がはじまると・・・
- いつの間にかプロジェクト設定が変わっていた
- 意図しないメンバー追加や削除がされている
- 結局、誰がプロジェクト管理者なのか分からない
というトラブルが起きるのは"あるある"ではないでしょうか・・・
多くの場合の原因は、「プロジェクト単位の権限が曖昧なまま」運用開始されていることによります。
Excelやスプレッドシートでの管理では、誰でも設定を変更でき、履歴も追いにくい。
結果、ルールが曖昧・責任の所在が不明確な運用になります。
ONES Projectでは、こうした混乱を防ぐために「プロジェクト権限」という仕組みが用意されています。
この記事では、ONES Projectの「プロジェクト権限」について、仕組みと設計のポイントをわかりやすく紹介します。
プロジェクト権限とは
「プロジェクト権限」とは、プロジェクトそのものの設定・管理に関わる操作を制御するための権限です。
日々の課題操作を管理する「課題権限」とは別のレイヤーであり
「"このプロジェクトの形を変えられるのは誰か"を決める仕組み」と言えます。
「プロジェクト権限」によって制御されるのは、プロジェクト全体に影響する操作です。
たとえば、
- プロジェクト設定の変更
- メンバーの追加・削除
- プロジェクト構成や利用機能の設定
これらはプロジェクト全体に影響するため、「誰でも変更できる」状態はリスクです。
プロジェクトはチームの共有資産ですが、無制限に操作できる状態=混乱のもと とも言えます。
権限が曖昧なままだと、
- 設定変更が頻発し、運用ルールが崩れる
- 問題が起きたとき、責任の所在が不明確になる
- 管理者とメンバーの認識にズレが生じる
といった問題が発生しやすくなります。
プロジェクト権限を明確にすることで、「誰が管理し、誰が使うのか」を明確にし、安心してプロジェクトを運用できるようになります。
画面右上の「設定」>「権限設定」 から簡単にプロジェクト権限を設定できます。
役割(ロール)別に考えるプロジェクト権限の設計
ここではプロジェクト権限の例について紹介します。
権限を誰に何を任せるか(権限と委任)という視点で設計するのがポイントです。
よくある「管理職には全ての権限を付与」は、リスクマネジメントができていない状況として監査で指摘されるケースがあります。
権限設定は、例えば「権限設定を設計する人」、「権限設定を承認する人」、「権限を設定する人」というように、役割(ロール)ごとに設定するなど、職務の分離を意識することが理想です。
| ロール | 役割 |
|---|---|
| プロジェクト管理者 | プロジェクトの設計・設定を担う立場/メンバー管理や全体統制を行う/原則として、プロジェクト権限を持つ中心的な存在 |
| サブ管理者・リーダー | 日常的な運用を支える役割/管理負荷を分散するため、限定的に設定変更権限を付与 |
| 一般メンバー | 課題対応や作業を進める立場/プロジェクト設定には触れない/安心して作業に集中できる環境を維持する |
このように役割に応じて権限を分けることで、安定した運用とリスク回避が両立できます。
権限設定のメリット
適切な権限設定は「縛るため」ではなく、「プロジェクトを壊さず続けるため」の仕組みです。
プロジェクト権限を適切に設定すると、次のような効果が得られます。
- プロジェクト設定が安定する
- 意図しないトラブルを防げる
- 管理者・メンバー双方が安心して利用できる
- 長期・大規模プロジェクトでも破綻しにくい
運用のポイント
プロジェクト権限を活かすための実務的なポイントをまとめます。
- プロジェクト作成時に、必ず権限設計を行う
- 管理者は必要最小限の人数にする
- 権限付与の理由を明確にする
- プロジェクト途中での権限変更は慎重に行う
「とりあえず全員管理者」は、後から必ず運用の負担になります。
ONES Projectの権限設定の一覧
ONES Projectでは、以下のような権限を細かく設定できます。
特に「課題権限」は、プロジェクトで使用する「課題タイプ」ごとに詳細な権限カスタマイズが可能です。
💡「課題タイプ」については近日中に他の記事で詳しく紹介します。
プロジェクト権限
| 各種権限 | 概要 |
|---|---|
| プロジェクトを参照 | プロジェクトデータを参照できる |
| プロジェクトを管理 | 設定やデータを編集・更新できる |
| レポートを参照 | プロジェクトレポートを閲覧できる |
課題権限
| 各種権限 | 概要 |
|---|---|
| 課題を作成 | 新規課題を登録できる |
| 課題を参照 | 課題を参照できる |
| 課題を編集 | 内容を更新できる |
| 課題を削除 | 課題を削除できる |
| 課題のステータスを更新 | 課題のステータスを更新できる |
| 課題タイプを変更 | 課題タイプの変更、子課題タイプの変更、課題への変換、子課題への変換ができる |
| ウォッチャーを管理 | 課題のウォッチャーを変更する |
| 担当者になる | 課題を担当できる権限 |
| 子階層を更新 | メンバーに 課題の子階層フィールドの編集を許可 |
| 関連課題を更新 | メンバーにすべての関連課題フィールドの更新を許可 |
| 課題リストをエクスポート | 課題のリストをエクスポートできる |
| 予定工数を管理 | 課題の予定工数を作成、変更、削除できる権限 |
| すべての実績工数を管理 | 課題で他のメンバーの実績工数の記録、編集、残工数を更新できる |
| 自分の実績工数を管理 | 課題で自分の実績工数の記録、編集、残工数を更新できる |
スプリント権限
| 各種権限 | 概要 |
|---|---|
| スプリントを管理 | このプロジェクトのスプリントを作成、更新、削除できる |
| スプリントを計画 | 課題をプロジェクト内のスプリントに計画できる |
| スプリントを担当 | このプロジェクトのスプリントを担当できる |
カンバン権限
| 各種権限 | 概要 |
|---|---|
| カンバンを管理 | 「カンバン」コンポーネントの構成の管理、カンバンの新規追加・変更、現在のプロジェクト内のカンバンの削除、スイムレーンや課題の並べ替えを行う |
マイルストーン計画権限
| 各種権限 | 概要 |
|---|---|
| マイルストーン計画を管理 | マイルストーン計画のスナップショット保存、ベースライン設定ができる。マイルストーン計画の閲覧、マイルストーン計画の編集ができる。マイルストーンに対する増減、修正と表示ができる。 |
| マイルストーン計画を編集 | マイルストーン計画の閲覧、マイルストーン計画の編集ができる。マイルストーンに対する増減、修正と表示ができる。 |
| マイルストーン計画を閲覧 | マイルストーン計画の閲覧ができる。 |
| マイルストーン状態を更新 | マイルストーン状態の更新ができる。 |
成果物権限
| 各種権限 | 概要 |
|---|---|
| 成果物を表示 | 成果物を参照できる |
| ターゲット成果物を設定 | ユーザーによるターゲット成果物の設定ができる |
| 成果物を提出 | ユーザーによるターゲット成果物ファイルのアップロード、リンクの編集、Wiki ページとのリンクができる |
| 成果物を削除 | ユーザーによるアップロード済みの成果物、およびリンクされた Wiki ページの削除ができる |
プロジェクトの性質に合わせて、必要な権限を適切に組み合わせることが重要です。
まとめ
ONES Projectの「プロジェクト権限」は、“チームを守るための見えない安全装置” といえます。
設定は少し地味ですが、権限を正しく設計しておくことで、
プロジェクトが混乱せず、安心して長く運用できるようになります。
導入初期や組織拡大のタイミングこそ、プロジェクト権限を見直してみましょう。
