はじめに
今回はIBM CloudのVirtual Private Cloud(VPC)内に仮想サーバーを構築する際、カスタム・イメージを使用して仮想サーバーを作成する流れについて整理しました。
カスタム・イメージとは、IBM Cloud VPC上に予め設定されている既存のイメージのストック・イメージとは別に、名前通りに独自の設定を反映したイメージです。カスタム・イメージの種類としてはLinuxやWindows、z/OS WaziaaSなどがあります。
そのカスタム・イメージを使って仮想サーバー作成する大きな流れは以下となります。
- 持ち込みのイメージをIBM Cloud Object Storage(ICOS)に格納する
- 格納されたイメージファイルからカスタム・イメージを作成する
- 作成したカスタム・イメージを指定してVirtual Server Instance(VSI、仮想サーバー)を作成する
(今回は手順2,3を同時に進めます。)
また、今回の内容にはIBM Cloudのアカウント(無料利用も可能)とVPC環境の準備が前提となっています。
1. 持ち込みのイメージをICOSに格納
カスタム・イメージの作成には複数の方法がありますが、今回はIBM Cloud Object Storage(ICOS)に格納し、サーバーを立ち上げる際にそのイメージを使用する流れで進めました。そのため、今回利用するICOSを指定する必要があります。
コンソールの左上のナビゲーション・メニューをクリックし、リソース・リストをクリックします。
リソース・リストの製品検索欄にobejct storage
を入力し、既存のICOSインスタンスをクリックします。
もし既存のICOSインスタンスがない場合は、リソース・リスト右上のリソースの作成
をクリックします。今回は新規ICOSインスタンスを作成しました。
カタログ画面に移動しますが、検索欄にobject storage
を入力し、ICOS作成画面に移動します。
作成画面にてICOSの設定を行い、作成
ボタンをクリックします。
(Liteプランでの作成も可能ですが、イメージの容量によってはStandardプラン以上を注文する必要があります。)
イメージはICOSのインスタンス内に「バケット」という格納箱を作成し、その中に「オブジェクト」という形で格納する必要があります。既存/新規のICOSインスタンスにアクセスし、バケットの作成
をクリックします。
バケットはカスタム・バケットや事前定義済みの構成から作成することができますが、必要に応じた形で作成します。こちらのIBM Cloud Docsにもこちらの流れが記載されています。
バケットが作成されたらバケットに入り、アップロード
ボタンをクリックします。
イメージのアップロード画面で設定を行い、イメージファイルをアップロードします。
詳しくはこちらをご参考ください。
2. カスタムイメージの作成 + 3. VSIの作成
カスタム・イメージは仮想サーバーを作成する際に一緒に作成することができます。そのため、まずは仮想サーバーを立ち上げる流れに沿って進めます。
なお、繰り返しとなりますが、VPC利用の準備ができていない場合、こちらを参考にしてください。
コンソール画面の左上のナビゲーション・メニューをクリックし、VPCインフラストラクチャー
→仮想サーバー・インスタンス
をクリックします。
VPCの仮想サーバー・インスタンスの画面が出たら、右上の作成
ボタンをクリックします。
作成画面でサーバー・タイプやロケーション、インスタンス情報(名前、リソース・グループ、タグ など)を入力します。
その下にイメージを設定する画面が表示されます。ここでイメージの変更
をクリックするとイメージ選択画面が表示されます。デフォルトでは既存のストック・イメージが表示されますが、今回は横のカスタム・イメージ
をクリックします。
カスタム・イメージ画面で右側の作成
ボタンをクリックしますと、新しいタブにてVPC用のカスタム・イメージ作成画面が表示されます。ここで同じくロケーションやカスタム・イメージの詳細設定を行います。
下にスクロールすると、イメージ・ソースを選択する部分がありますが、ここでCloud Object Storage
を選択します。
またICOSからファイルを選択する方法も二つありますが、1つ目はICOSインスタンスやロケーション、バケットをタブで開いて選択する方法がありますが、今回は隣のイメージ・ファイルURLで検索する
方法で進めましたので、そちらをクリックします。
そうするとイメージのURLを入力する画面が表示されます。URLの形式としては、cos://<location>/<bucket-name>/<object-name>
となるため、こちらに入力します。
また、URLがわからない場合、ICOSのバケットに格納したオブジェクトファイルの情報にて確認し、コピーする方法もあります。(個人的にはこちらの方法をおすすめします。)
最後に必要のOSを選択し、VPC用のカスタム・イメージを作成します。
そうすると、仮想サーバー作成時、イメージ選択する欄に作成したVPC用のカスタム・イメージが表示されます。(アップロード時間は容量によって異なりますが、容量が大きい場合には時間を要するケースもあります)
イメージの選択が終わったら、プロファイル
にて必要とするスペックを選択します。プロファイルの変更
をクリックすると複数のプロファイルが確認でき、その中から選ぶことができます。
また、VPCの準備段階で予め作成したSSH Keyを選択します。
下のストレージはブート・ボリューム、データ・ボリュームそれぞれ鉛筆マーク
や作成
ボタンをクリックし、必要なサイズを入力することで、サイズを変更することが可能ですので、必要に応じて設定します。
最後にネットワーキングの部分で、VPCの準備段階で予め作成したVPCを選択します。また、ネットワーク・インターフェースで鉛筆マーク
をクリックし、セキュリティー・グループを選択します。
全ての設定が終わりましたら、右側の仮想サーバーの作成
をクリックします。
これでカスタム・イメージを使用した仮想サーバーが立ち上がるようになります。
参考
- IBM Cloud Docs