2
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

【IBM Cloud】Techzone環境を利用して IBM watsonx Orchestrate を触ってみた

Last updated at Posted at 2025-07-24

はじめに

今回はIBMのデモ環境であるのIBM Techzoneを使って、IBM watsonx Orchestrateの基礎操作を行ってみたので、その流れについて整理しています。

本検証にはIBM Cloudアカウント(IBMid)が前提となっています。
また、検証に必要なToolやKnowledgeファイルは事前に用意したものを利用しています。

watsonx Orchestrate(wxO)とは?

スクリーンショット 2025-07-17 17.06.26.png
IBM watsonx Orchestrate(wxO) は、AIを活用したデジタルワーカー・プラットフォームとして、業務などにおける反復的な作業や手間のかかる業務プロセスを、自然言語の指示だけで自動化できるしてくれるAIアシスタントプラットフォームです。
開発者にとってもAIエージェントより簡単に構築運用できる環境をサポートしています。

このwxOが2025年4月に日本リージョンで利用できるようになり、今回Techzone環境でいじってみました。

Techzone環境の予約

繰り返しとなりますが、今回の検証はIBMで提供するデモ環境であるIBM Techzoneにて実施しています。そのため、環境構築のためIBM Techzoneのwatsonxページにアクセスします。
なお、こちらのページにアクセスするためには、前提条件のIBMidでのログインが必要となります。

ログイン完了後、watsonxページの下端にwxOのTrial/Standard環境がありますので、こちらをクリックします。
FireShot Capture 119 - Watson Applications - [techzone.ibm.com].png

予約作成のページが表示されたら、REserve a environmentをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-17 17.17.00.png

環境の設定画面が表示されますが、適宜設定を行います。
今回の検証の目的はTest、リージョンはTokyoを選んでいます。

なお、利用可能時間は基本的に予約開始時から12時間の間です。ただ12時間単位で最大2日まで延長することも可能である旨がポリシーとして記載されています。
Reservation policy: Recommended 12 hours, but can be reserved up to 12 hours on this reservation form. Extend later for 12 hours increments up to 1 day total. Max time 2 days total.
FireShot Capture 122 - Create a reservation - [techzone.ibm.com].png

選定が完了したらチェックボックスにチェックを入れて、Submitをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-17 17.18.52.png

予約完了後、しばらくするとメールにて予約完了メールが送られてきます。
Status UpdateProvisioningと記載されていますが、Readyに変わりましたら環境が用意されたことになります(私の環境では大体5分程度でReadyに変わりました)。

スクリーンショット 2025-07-17 17.27.05.png

スクリーンショット 2025-07-17 17.27.16.png

Techzoneの環境予約ページにアクセスすると、環境が用意されていることが確認できます。
Open this environmentをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-17 17.31.51.png

環境の詳細ページの下端にwxOのURLが記載されているので、こちらにアクセスします。
スクリーンショット 2025-07-17 17.32.25.png

URLにアクセスするとIBM Cloud上のTrialアカウント(xxxxxx-itz-watsonx-5 など)が発行され、wxOインスタンスが作成されていることがわかります。
Launch watsonx Orchestrateをクリックし、wxOにアクセスします。
スクリーンショット 2025-07-17 17.36.25.png

wxOのメイン画面が表示されたら完了です。
スクリーンショット 2025-07-17 17.39.58.png

wxOのエージェントの構築

wxOコンソールにはデフォルトのチュートリアルとしてLesson Planが設けられています。以下の添付のように、こちらのLesson Planを段階的に進めていくことによって、wxOの操作方法や仕組みをイメージしやすいかと思います。また、チュートリアルの中にはサンプルファイルもダウンロードすることができますので、ぜひ一度試してみてください。
スクリーンショット 2025-07-17 18.38.51.png
スクリーンショット 2025-07-17 18.39.05.png

ただ、今回は別途用意されているサンプルドキュメントやyamlファイルを使っていますが、全体的な流れとしてはLesson Planの一部と同様ですので、ご参考ください。

なお、今回検証のコンセプトは、医療業界におけるユースケースに基づいて回答が帰ってくることを想定しています。
AskBenefitsというエージェントを構築しますが、これは医療処置や医療プランの給付に関する質問に答えるデジタルエージェントを想定しています。

まずはエージェントを作成するため、Create new agentをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-17 18.40.53.png

その後、エージェント名やそれに対する説明も記載します。入力が完了したらCreateをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-17 18.48.50.png

エージェント作成の詳細画面が表示されたら、まずToolを入れていきます。
ここでいうToolとは、API アクセスやデータ処理、AIサービスなどの機能をエージェントに提供するコンポーネントの一つです。
スクリーンショット 2025-07-17 18.51.55.png

まだToolが何も入っていないので、Add toolをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-17 18.52.05.png

今回は事前に用意されていたサンプルyamlファイルにてtoolが作成されていたため、そのファイルをインポートしました。Importをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-17 18.52.16.png

Import from fileをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-17 18.52.22.png

Drag and drop an OpenAPI file here or click to upload.をクリックし、用意しているyamlファイルをインポートします。ファイルがアップロードされたらNextをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-17 18.52.49.png

yamlファイルから読み取れるToolの一覧をここで表示しています。今回は全てのToolを使用しますので、全てチェックを入れてDoneをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-17 18.53.04.png

Toolが入った後には、以下のようにToolsetが含まれていることがわかります。今回は合計9つのToolを入れています。
スクリーンショット 2025-07-17 18.53.16.png

Toolが入ったら次はKnowledgeを入れていきます。ここでいうKnowledgeとは、ユーザーの質問に対してそのAgentが回答するために必要な参考情報のことを示します。

Knowledgeカテゴリーをクリックし、DocumentsUpload filesをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-17 19.11.55.png

Knowledgeファイルをアップロードする画面が表示されたら、Drag and drop files here or click to uploadをクリックし、ファイルをアップロードします。今回はToolと同様、事前にKnowledgeファイルもPDFファイルとして用意したものを使っています。

その後Uploadをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-17 19.13.40.png

また、Knowledgeの説明も適宜記載します。
“This document covers key healthcare benefit policies—eligibility, coverage, claims, exclusions, and post-employment options. Use it to answer employee questions related to health benefits”
スクリーンショット 2025-07-17 19.14.02.png

ここまで設定が完了したら、うまく動くかどうかの確認を行います。
wxOはコンソール右側にプレビュー画面が表示されており、都度設定した内容をここに反映することで、調整を行うことができます。また設定した項目の反映速度がほぼリアルタイムに行われるため、非常に楽な仕様でした。
簡単な質問を投げてみたら、以下のように回答がしっかり戻ってきます。
スクリーンショット 2025-07-17 19.20.12.png

なお、回答の上端にあるShow ReasoningStep 1をクリックすることで、回答に使用されたyamlファイルの中の情報がjson形式に表示されます。質問となったコスト関連の情報を正しく読み取って理解し、コスト関連のデータを推論して表示させていることがわかります。
スクリーンショット 2025-07-17 19.21.16.png

設定したToolやKnowledgeに問題がなければ、上端のDeployをクリックし、正式にエージェントを構築します。
スクリーンショット 2025-07-17 19.30.29.png

エージェント画面に先ほど作成したAsk Benefitsが表示されていることがわかります。
スクリーンショット 2025-07-17 19.31.41.png

wxOエージェントの追加

最初のAskbenefitsエージェントのデプロイが完了したら実際の画面で利用してみるために上端のAgent chatをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-22 11.32.32.png

先ほどToolやKnowledgeの設定によりPreview画面で表示させることができる内容はこちらのチャット画面でも同じく表示されますが、インプットした情報以外の質問をした場合の回答についてはうまく回答が得られません。例としてCan you describe my Dental benefits?とDental benefitsについて質問したところ、Dental benefitsは前段階のKnowledgeにない情報のため、回答が得られませんでした。
スクリーンショット 2025-07-22 11.31.29.png

追加で情報をインプットするために、Manage Agentをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-22 11.40.26.png

先ほど作成したAskBenefitsエージェントをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-22 11.41.29.png

前段階と同様、Toolsetのadd agentをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-22 11.43.56.png

冒頭での前提の通り、事前に追加のファイルは手元にあることを想定し、Add from local instanceをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-22 11.44.42.png

事前に用意されているAskDentalエージェントをチェックし、Add to agentをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-22 11.51.06.png

エージェントが追加されたことを確認し、Deployをクリックします。
スクリーンショット 2025-07-22 11.52.12.png

最後に、再度Can you describe my Dental benefits?と質問をすると、新しく追加したエージェントから情報を引き出し、しっかり回答が戻ってくることがわかります。
スクリーンショット 2025-07-22 11.50.02.png

このようにwatsonx Orchestrateを利用することで、一般的に時間や手間がかかるファインチューニングの作業がたださまざまなエージェントを追加するだけの作業となるため非常に楽になります。また、エージェントを追加して適用するまでの時間もほぼリアルタイムで実現できましたので、一度試していただけたらと思います。

参考

2
0
3

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
2
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?