CA Tech Dojo 2026 Android編に参加した話
書かなければと思いながら、かなり時間が空いてしまいました。
2026年3月にCA Tech Dojo - Android編 - に参加したので、
体験記と参加後の変化をまとめます。
この記事では、CA Tech Dojoを知らない人にも伝わることを意識して、
参加前の状態、インターン中に取り組んだこと、難しかった点、参加後に考えたことまで整理して書きます。これから応募を考えている人や、短期インターンに興味がある人の参考になれば嬉しいです。
夜の渋谷。活気が溢れていて圧倒されるばかりでした。
1ヶ月に1回ぐらい東京来てるのに渋谷には全然慣れない。
CA Tech Dojoとは
CA Tech Dojo - Android編 - は、サイバーエージェントが実施する5日間のAndroid向け育成型インターンシップです。公式ページでは、プログラミング経験があればAndroid開発未経験でも応募可能で、事前ハンズオンや面談を経て本番に臨む形式であることが案内されています。
東京・Abema Towersで実施され、参加者が「1人でアプリを開発しリリースできるようになる」ことがゴールとして掲げられていました。
今回の開発は、「毎日使いたくなるコンテンツアプリ」 という大きなテーマのもとで進みました。そのうえで、外部APIの利用、Roomによるローカル保存、オフライン対応、リスト表示など、モバイルアプリ開発の基礎を押さえた条件を踏まえつつ、各自でアプリを設計・実装していく形式でした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 形式 | 5日間の育成型Androidインターンシップ |
| 開催場所 | 渋谷・Abema Towers |
| 事前準備 | 事前ハンズオンとメンターさんとの面談あり |
| 開発テーマ | 毎日使いたくなるコンテンツアプリ |
X(Twitter)でよく見るやつ。1Fにいるのかと思っていたが10Fだった。
参加前の自分
国立大学6年制学部の2年生(参加当時)で、いわゆる30卒です。
Webアプリの開発経験はあり、長期インターンやアルバイトでのチーム開発も経験していました。一方で、モバイル開発はほぼ初めてでした。
また、SecHack365やコンテストなどを通じて長期の個人開発は経験していましたが、数日間で設計から実装、発表まで一気に進めるような短期集中型の開発経験はありませんでした。
したがって、今回の参加には二つの目的がありました。
ひとつは、モバイル開発に踏み出すきっかけを作ること。
もうひとつは、短期間で形にする開発の進め方を学ぶことです。
卒年度の都合で参加できるインターンがかなり限られます。
その中でサイバーエージェントのインターンは卒年度を問わず応募できたため、その点も非常にありがたく感じていました。
もともと会社やプロダクトに興味があったことも参加を決めた理由の一つです。
ES・面接について
選考は、ES提出→面接1回という流れでした。
技術面接を想像していたのでかなり緊張していたのですが、実際には技術知識は問われず人物面を見られていると感じる面接でした。
過度に構えすぎなくてもよかったのだと思います。
キックオフで設定した目標
事前ハンズオンとメンターさんとの1on1は、2026年2月24日に実施されました。
環境構築や簡単なハンズオンを行ったあと、メンターさんとの1on1でこのインターンにて何を目標にするかを決めました。
当時の自分には、かなりはっきりした課題感がありました。
AIエージェントを使えば実装速度は上がるものの、生成されたコードの設計意図や責務分離を自分の言葉で説明しきれない場面が増えていたことです。
以前はもっと考えてから書いていたのに、最近は「まず出してもらう」方向に流れがちだという自覚もありました。
そこで、このインターンでは次のことを目標にしました。
コード生成に頼る前に、自分の頭で設計を言語化する習慣を身につけること。
そのために、公式ドキュメントを一次情報として読むこと、レイヤ構造や責務分離を自分の言葉で説明できるようにすることを意識しました。
実際、あとから自分のリポジトリを見返すと、READMEや学習ログ、Issue分解の跡がかなり残っており、少なくとも「まず設計を言語化する」という姿勢は、この5日間でかなり強く意識できていたように思います。
5日間の過ごし方について
本番は、2026年3月2日から3月6日までの5日間でした。
4人×3チームというまとまりはありましたが、形式としては個人開発でした。
チームごとにメンターの方がついてくださり、適宜アドバイスをいただきながら進めるスタイルです。
普段よりも意識的に設計から入りました。
ここを曖昧にしたまま実装へ進むと、参加した意味が薄くなると感じていたためです。
開発中のメモをもとに振り返ると、5日間の流れは次のようなものでした。
| 日程 | 主にしていたこと | 当時の感触 |
|---|---|---|
| 1日目〜2日目午前 | 設計、責務分離、実装方針の整理 | とにかく設計に時間を使った |
| 2日目午後 | Issue分解、学習ログ前提のタスク設計 | かなり細かく分解したが、想像ほど進まなかった |
| 3日目 | 実装 | 寝坊してしまい、大きな反省が残った |
| 4日目 | 実装、他参加者との交流 | チームの人と深い話ができ、空気のよさを感じた |
| 5日目 | デモ、発表準備、最終調整 | API制限にかかり、最後の立ち回りに課題が残った |
2日目から4日目のランチタイムには、チームメンバーをシャッフルして渋谷のお店で昼食をいただく機会がありました。これがかなりよい息抜きになりました。
地方在住の自分にとっては、渋谷で数日過ごすこと自体がひとつの経験でしたし、夜もチームを越えて食事に行くことが多く、短期間のわりに参加者同士の距離が縮まった感覚がありました。
オフィス環境の印象も強く残っています。
Abema Towersはやはり大きくてきれいでしたし、10Fのカフェもとても良かったです。こうした「働く場所の空気」を実際に見られるのもオフライン開催の価値のひとつだと思います。
2日目はパスタ。
3日目はラム肉ハンバーグ。
4日目は焼肉、この保管庫?が見えるところにあるお店は美味しいがち。
5日間で作ったもの
今回自分が作ったのは**「技術書ウィンドウショッピング」** というアプリでした。
公開しているリポジトリでは「技術書が気になったら、まず記事で試してみよう」というコンセプトで説明しています。
本屋で技術書を手に取り、少し眺めてから買うかどうかを決めることがあります。それをアプリ上で再現したいと考えました。
技術書をいきなり買うのではなく、まず関連するQiita記事を読んでみる。
そのうえで、自分の興味が本当に続くのかを確かめてから購入判断につなげる。
そうした体験を形にしたのがこのアプリです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アプリ名 | 技術書ウィンドウショッピング |
| コンセプト | 技術書を買う前に、関連する技術記事で試し読みする |
| 目的 | 興味の持続を確かめながら購入判断につなげる |
| 公開リポジトリ | https://github.com/Suisan-neki/dojo2026_android_yamashita_marin |
使った技術と設計
今回のアプリではKotlin / Jetpack Compose / Material3 / Navigation Compose / Hilt / Room / Retrofit / OkHttp / WorkManagerなど、Android開発でよく使われる技術に広く触れています。
設計面では、data、domain、ui、diなどに責務を分け、
RepositoryやUseCaseを挟みながら、UIに判断ロジックを寄せすぎない構成を意識していました。Roomによるローカル保存、cache-firstなオフライン対応、オンライン復帰時の再同期、画面ごとの状態管理なども含めて、動けばよいで終わらせず、なぜその構成にするのかを考えることを強く意識していました。
リポジトリにはREADMEだけでなく、Issueごとの学習ログや実装方針も多く残っています。
今見返しても、「まず設計を決める」「後続の実装で迷わないように構造を固定する」という考え方で進めていたことがよく分かります。
参加前に立てた目標と、実際の取り組みはきちんと繋げられていたかなと思います。
今回のインターンで個人的に大きかったのは、実装量そのものよりも、設計を先に言葉にする習慣を取り戻せたことでした。
一番難しかったのはAPIまわり
設計面で最も難しかったのは、APIが期待どおりに動かなかったことでした。
最初は楽天Books APIを採用して進めていたのですが、これがかなり手強かったです。
レート制限に引っかかることもありましたし、期待していた技術書がうまく出てこず、検索結果にスマートフォンの取扱説明書のような本が混ざることもありました。
アプリのコンセプト上「技術書を眺める体験」が成立しないと意味がないので、この点はかなり悩みました。
あとからリポジトリを見返すと、ホームは楽天ランキング、検索はGoogle Books、Qiita記事連携は別に持つ、といった形でかなり試行錯誤した跡が残っています。APIを使うこと自体が目的ではなく、作りたい体験に対して、どのAPIがどこまで応えてくれるのかを見極めることが重要なのだと痛感しました。
課題感も抱えつつ、前向きな評価を頂けて嬉しかった
最終的な完成度としては、何とかデモを見せられる程度までは持っていけました。
ただ、発表は少しまとまりを欠いてしまいましたし、機能要件をすべてきれいに見せ切れたかというとそこまではできませんでした。
今振り返ると、もっと早い段階で発表資料を作るか、あるいは機能を絞ってでも余裕を持った進め方をするべきだったと思います。
アイデア自体は悪くなかったと思う一方で、最終日の進め方には改善の余地が大きかったというのが率直な感想です。
ただそれと同時に印象的だったのは、自分では基本的にずっと「うまくいかない/うまくいかなかった」感を抱いていたのに、途中でも最終発表後でもポジティブな評価をいただけたことでした。
人事の方との1on1が途中で一度あり、メンターの方との1on1も最終発表後に一度あったのですが、このときに技術寄りのことも、それ以外のことも、かなりざっくばらんに聞くことができたのもありがたかったです。
この点は単に担当してくださった方々が親切だったというだけでなく、サイバーエージェントの風通しのよさを感じた部分でもありました。学生エンジニア向けイベントやハッカソンでスポンサーとして名前を見ることは以前から多かったのですが、実際に参加してみるとその印象と繋がるものがありました。
広島に帰ってからやったこと
インターン終了後は継続開発を進めたい気持ちはありつつ、まずはテスト期間への対応に追われました。無事に進級が確定したので、それは本当に良かったです。
その後すぐにAndroid側の継続開発へ戻るのではなく、先にiOSアプリを一本作る方向に進みました。これは逃避ではなく、モバイル開発の中でAndroidとiOSがどう違うのか、逆に何が共通しているのかを知りたかったからです。
ちょうど技育ハッカソン2026 vol.2でもiOSアプリを個人で開発していて、現在進行形でもiOSへの理解を深めています。
だからこそ、今後はもう一度Android側に戻り、インターンで作ったアプリに向き合いたいと考えています。参加直後よりも今のほうが比較の視点を持って見直せるはずです。
その意味で、このインターン体験は5日間で終わった出来事ではなく、その後の学習にもつながっています。
良かったことと反省したこと
今回の参加を振り返ると、良かった点と反省点の両方がかなりはっきりしています。
| 良かったこと | 理由 |
|---|---|
| Android開発の基礎から応用まで短期間で触れられた | モバイル開発への入口として非常に良かった |
| 短期集中型の開発を初めて経験できた | これまで長期寄りの開発が多く、良い補完になった |
| プロのエンジニアの方と話せた | 技術の話もキャリアの話も聞けた |
| サイバーエージェントへの解像度が上がった | 会社の空気や働く場所のイメージが具体化した |
| 東京で働く感覚を現実味をもって捉えられた | 地方在住者として大きな価値があった |
| 反省したこと | 今振り返って思うこと |
|---|---|
| 3日目に寝坊した | かなり反省している。就業型インターンであればなおさら許されないことだった |
| 結果としてAIに頼った部分もあった | 目標に対して完全に満足とは言えない |
| API選定の難しさを見積もり切れていなかった | 体験を実現するにはデータ品質まで見る必要があった |
| 最終日の進め方に改善余地があった | 先に資料を作るか、機能を絞るべきだった |
短期集中の開発では、何を作るかと同じくらい、どこまで作るかを早い段階で決めることが重要だと感じました。今回は最後の詰めでかなり苦しんだので、今後は完成度の見せ方まで含めて早めに逆算したいです。
当時のメモも残しておく
本文では読みやすさを優先して整理しましたが、
当時の空気感が残っているので生のメモも折りたたみで置いておきます。
開発中のメモ
1日目〜2日目午前
とにかく設計をした。実装解釈が割れそうな点をできるだけ潰していった。普段ならすぐに実装へ入りたくなるが、ここで急ぐと参加した意味がないと思った。Android開発でもWeb開発でも、この工程は同じである。
2日目午後
設計方針が固まったので、工程をすべてIssueに分割した。全部のIssueを学習ドキュメントのような構造にすることで、自分の理解が進むようにしていった。30個のMain Issue × 各4個程度のsub-Issueという構想を持っていたが、3つしか終わらずどうすんねん感が否めない。
3日目
寝坊した、えぐすぎる。どんな顔して行けばいいんだろう。
4日目
チームの人と深い話をした。全国からいろんなバックグラウンドを持つ人たちが集まる醍醐味ってここやな。
5日目
デモ動画を撮る直前にAPI制限にかかった。マジかよ。
これからどうしたいか
今後はiOSと比較する視点を持ちながら、あらためてAndroid開発への理解を深めていきたいと思っています。今回のインターンで触れた設計や状態管理、オフライン対応の考え方は、Androidだけに閉じた話ではなく、モバイル開発全体を考えるうえでも学びが大きかったです。
そして率直に言えば、サイバーエージェントの夏の短期インターンにも参加したいです。今回の5日間は上手くいったことも反省点も含めて、自分にとってかなり濃い経験でした。だからこそもう少し成長した状態でリベンジしたいと考えています。
おわりに
参加前の自分はモバイル開発の経験がほとんどなく、短期集中で何かを作り切った経験もありませんでした。それでもこのインターンを通して、Android開発の基礎だけでなく、設計を先に言語化する重要さや、短期間で形にするための優先順位づけの難しさを実感できました。
完璧な5日間だったとは言えません。
寝坊もしましたし、Web開発でも触れてきたのにAPIに苦しみましたし、発表にも反省が残りました。ただそれでも参加後の行動や学びにつながっている以上、自分にとって非常に意味のある経験だったと思います。
もし今、CA Tech Dojoのような短期インターンに応募するか迷っている人がいるなら自分は参加して良かったと伝えたいです。
特にこのインターンに限っていえばWebは触ってきたけれどモバイルはこれから、という人にとっては、かなり良い入口になるはずです。
おまけ:前日に秋葉原で見た東京マラソンの写真