iPhone ↔︎ Windows 相互にテキストのコピペを簡素化する自前クリップボード同期環境を作りました(Android ↔︎ Windows でも動きます)
iPhone + Mac だと当たり前にできる「コピーしたものをすぐペースト」を、
iPhone + Windows でも限界まで近づけたい
そのために作ったのが Notemod-selfhosted(サーバー) と ClipboardSync(Windows) の組み合わせです
無料を含む4つのレンタルサーバーでの動作を確認済み(Xサーバー、さくらインターネット、XREA エクスリア、InfinityFree)
GitHub で公開しています。自分が使うためのツールなのでこれからもアップデートしていきます。使っていただけたら嬉しいです。バグなどの報告も歓迎です。
ChatGPT がコードを書いてくれたので、とてもスピーディーに完成できました
この記事でわかること
- Notemod-selfhosted と ClipboardSync が何をするものか
- どういう仕組みで「Windows→iPhone」「iPhone→Windows」を実現するか
- 最小セットアップ手順(サーバー / Windows / iPhone)
- セキュリティ的に最低限押さえるポイント
背景:LINEに送る、自分にメールする、面倒でセキュリティ的にも心配
WindowsでコピーしたURLや文章を、iPhone や Android スマホに貼りたい
逆に iPhone や Android スマホでコピーしたワンタイムパスワードとかを Windows へ持っていきたい
クリップボードは、個人情報の宝庫。他人が管理するサーバーをできるだけ使いたくない
でも現実は…
- 自分宛にメール
- 自分にLINE/メッセージ送信
- クラウドメモに貼り付け
- とにかく手数が多い
この「1日何十回も発生する小さなストレス」を、自前の仕組みで消すのが目的です
あと、Notemod-selfhosted だけでも simplenote.com などのノートサービスを代替できるものだと思います
iPhone のショートカットと組み合わせると、クリップボードだけではなく、色々できます
- カメラで画像認識してノートを送る
- しゃべって音声認識でノートを送る
- テキスト入力してノートを送る
エンジニアの端くれではあってもプログラマー職ではない私ですが、今回 ChatGPT と一緒にこれを作ったことをきっかけに AI に対して「一発でちゃんと動くコードを書かせる」にはどう指示すべきかということがわかってきました。
全体像:Notemod-selfhosted を “中継サーバー” にする
Notemod-selfhosted は、元の Notemod(静的UI/ブラウザのローカルストレージに保存)をベースにしつつ、共有ホスティングでも動く / DB不要 / JSON1本で運用できるようにした self-hosted 版です
ClipboardSync は、Windowsの常駐トレイアプリで、
- 送信:Windowsクリップボード → Notemod-selfhostedへPOST
- 受信:Notemod-selfhostedから最新ノート取得 → Windowsクリップボードへ(必要なら自動Ctrl+V)
をホットキー中心で回します
現在、画像の送受信、ファイルの送受信に対応すべく試行錯誤中です
仕組み(ざっくり図)
[Windows]
Ctrl+C
↓ (ClipboardSync: Send)
Notemod-selfhosted /api/api.php に送信
↓
[Server: Notemod-selfhosted]
notemod-data/data.json に保存(INBOXなど)
↓
[iPhone]
ショートカット実行
read_api.php で最新ノート取得
↓
ペースト
逆方向(iPhone → Windows)も可能で、Windows側は ClipboardSync の Receive ホットキーで最新ノートを引っ張り、必要なら自動ペーストします
Notemod-selfhosted とは
特徴(要点)
- 単一データソース:
notemod-data/data.json - PHPで 書き込みAPI / 読み取りAPI / クリーンアップAPI を提供
-
.htaccessを自動生成してconfig/やnotemod-data/などを直アクセスから守る(環境依存あり) - Basic認証が使えないホスト向けに Web UI認証も用意
- PWA対応(ホーム画面に追加してアプリっぽく使える)
- ノートアプリとしても結構使えるのではないかと思ってます
必要環境
- PHP 8.1 以上(v1.1.0以降)
- HTTPS推奨(PWA用途だと実質必須)
ディレクトリ構成イメージ
public_html/
├─ index.php
├─ logger.php
├─ notemod_sync.php
├─ api/
│ ├─ api.php
│ ├─ read_api.php
│ └─ cleanup_api.php
├─ notemod-data/
│ └─ data.json
└─ config/
├─ config.php
└─ config.api.php
ClipboardSync とは(旧 Clipboard Sender)
ClipboardSync は Windows常駐のトレイアプリで、v1.0.0で受信機能が加わって名称が変わりました
主な機能
-
Send(Windows→iPhone)
- クリップボードのテキストを Notemod-selfhosted に送信(POST)
- 送信ON/OFFをホットキーで切り替え
-
Receive(iPhone→Windows)
-
read_api.phpから最新ノート取得 → クリップボードへ - そのまま自動Ctrl+V(任意)
- ペースト前に “待ち時間(ms)” を入れる(アプリ相性対策)
-
-
掃除(INBOX削除)
-
cleanup_api.phpを使って INBOX に溜まったクリップボード履歴を一括削除 - 毎日 or X分ごとの自動削除スケジュール
-
-
バックアップ管理
- サーバー側でバックアップ生成が有効な場合、バックアップファイル数表示・一括削除が可能
セットアップ手順(最小)
1) サーバー:Notemod-selfhosted を設置
- リポジトリをサーバーへアップロード
- ブラウザでアクセスして、Web UI にしたがって認証情報を設定する(自動的に 'config' ファイルが作られる)
- 初回アクセスで、表示言語の設定と最初のカテゴリーを作ることで
data.json生成(環境・設定により.htaccess等も自動作成)
2.1) iPhone:ショートカットで「取得」「送信」を作る
- 取得:
read_api.phpを呼んで最新ノートを取り、ペーストできる状態にする - 送信:必要なら
api.phpに送って iPhone → サーバー → PC で貼り付ける
iOS ショートカットは、すでに完成版をダウンロードできるようにしています。
Notemod-selfhosted の設定画面からダウンロードして、そのままショートカットの初期設定を同じ画面でアシストを受けながら簡単に作成できます。
2.2) Android:HTTP Request Shortcuts を使用する
- 取得:
read_api.phpを呼んで最新ノートを取り、ペーストできる状態にする - 送信:必要なら
api.phpに送って Android → サーバー → PC で貼り付ける
Google Play からインストールできる下記のアプリで、iOS ショートカットと同じことを実現できます。
- HTTP Request Shortcuts(無料)
- MacroDroid(無料)
- Tasker(有料)
3) Windows:ClipboardSync を入れてURL・Token設定
ClipboardSync の設定で、基本的に必要なのはこれ
- POST URL(送信先 /
api.php) - Read API URL(受信用 /
read_api.php) - Cleanup API URL(削除・バックアップ用 /
cleanup_api.php) - Token(送信・受信共通)
- (必要なら)Basic Auth
URL例(あなたの環境に合わせて差し替え)
POST URL: https://example.com/notemod/api/api.php
Read API URL: https://example.com/notemod/api/read_api.php
Cleanup API URL: https://example.com/notemod/api/cleanup_api.php
使い方:日常はこうなる
Windows → iPhone(いちばん使うやつ)
- Windowsで Ctrl+C
- ClipboardSync が自動で送信(ONのとき)
- iPhoneでショートカット実行
- ペースト
iPhone → Windows(戻したいとき)
- iPhoneでコピー → ショートカットで送信
- Windowsで Receive ホットキー(Ctrl+Shift+R など変更可能)
- 自動ペースト(オン/オフ可能)
「ブラウザやアプリを常時開いて中継」みたいな手間を減らして、操作をホットキー/ショートカットに寄せるのが狙いです
セキュリティ注意点(最低限ここだけ)
- トークンは強い値にする
- 可能なら 'api/' には Basic認証 + token が強い
-
config/やnotemod-data/は直アクセスさせない(.htaccessが効かない環境なら別手段で) - 外部公開するなら HTTPS 推奨(PWAや安全性の面でも)
-
data.jsonの暗号化を予定 - サーバーを自前で用意するとさらに強固に
トラブルシュート(よくある)
-
Receiveはできるのに自動ペーストが効かない
対象アプリが管理者権限で動いているとブロックされることがある
まずメモ帳でテスト、ダメなら自動ペーストOFFで運用 -
送信されない
送信がOFFになっていないか、POST URL / token が合っているか確認
まとめ
Notemod-selfhosted + ClipboardSync は、
- 共有ホスティングでも動く軽量な「自前メモ&API」を用意し
- Windows側はトレイ常駐とホットキーで “ほぼ無意識” に同期し
- iPhone側はショートカットで “ワンタップ” に寄せる
ことで、iPhone×Windows のコピペ体験を実用レベルまで押し上げる仕組みです
リンク集
Notemod-selfhosted:
https://github.com/StayHomeLabNet/Notemod-selfhosted
ClipboardSync:
https://github.com/StayHomeLabNet/ClipboardSync
ClipboardSender + Notemod-selfhosted(概要)
https://stayhomelab.net/2026/01/03/notemod-selfhosted-clipboardsender/