株式会社サポーターズさんが2022年3/17~19まで開催していた技育祭に参加したので、その感想を記憶がフレッシュなうちに備忘録的な感じで書こうと思います。
特に自分の印象に残っているものがメインになりますが、ご了承ください。
全体的な話
技育祭とは、「技」術者を「育」てることを目的とした学生向けのイベント(お祭り)です。そのため、会社の雰囲気紹介や就職に向けての戦略などをお話ししてくださる企業さんも一定数いました。もちろん、それに限らずGeek祭の名に恥じないようなギークっぷりを発揮し、最近の技術のこととかをお話ししてくださる方もいました。
3日間参加する中で、もう聞き飽きたよってくらい、耳にたこができたくらい言われていたことが
「目に見える形でアウトプット」でした。
「なにゆえ目に見える形なのか?」と「アウトプットの重要性」については以下で詳しく書いています。
また最近、機械学習が面白そうと思うようになった自分からしてみると、初日の東大教授である松尾先生のお話はとても身に沁みました。それも最後に書いておきます。
目に見える形である必然性
見える形でというのは、記事だったりGithubだったりなんでも良いのですが、つまりは第三者が確認できる形で何かを残すことだと思います。これがなぜ必要かについては、3日目のちょまどさんやchokudaiさんのトークセッションで、議論されていました。
結論としては、ポテンシャルを感じることができるからというものでした。ポテンシャルというのは、「その人が会社に入った後でも成長する可能性」のことですね。
新卒採用であれ、中途採用であれ、採用された人間に会社の将来を担ってもらうことになります。そういった人がこれから先、価値あるものを生み出す人材になりうるかという指標を見出すためのプロセスとして、面接だったりが行われるわけです。
目に見える形でアウトプットした痕跡を残すことは、その人が勉強したり努力したりすることが出来る人だという証拠になります。この証拠は、就職におけるアドバンテージになることは間違いないのです。
その点、競技プログラミングのレートなどは客観的な指標として扱いやすいものだったりもします(急に競プロの宣伝をしてしまいました)。とにかく、モノを作ってみてGithubのレポジトリを充実させたり、学んだことを記事にしたりするのが大事だということを忘れないようにしましょう。
アウトプットの重要性
このトピックについては既に周知の事実ではあると思いますが、改めて書かせて頂きます。
現状として、実際に何か物を作ったことがある学生は10%程度だというようなことが、とあるスライドに載っていました。これを見て、「あれ、結構少ないな」と思いました。
既に社会人で企業に勤めている方にとっては、エンジニアである以上コードを書かないといけないのが当たり前で、いわばアウトプットを強制させられていると言っても過言ではないかと思いますが、学生にとってそのような環境はあまりありません。
ひろゆきさんは、「漫画家になりたいなら漫画を書け」という比喩を用いていましたし、落合陽一さんは、「とにかく何か作れば」とおっしゃっていました。エンジニアというものを作り出すことを基本とする職に就きたいなら、まずは「ものを作ることから始めろ」というのは至極真っ当な指摘だなあと感じました。
また具体的に作りたいものがあまりない、といった悩みを抱えている学生も多かったイメージです。個人的に、この原因として思い当たるものが幾つかあります。
- 何が作れるのか思い描けない
- プログラミングそのものを学ぼうとしている
- 能動的に動くための意思力が不足している
1,3に関しては、今回のような技育祭などを通じて掴んでいったりすることも多く、またモチベーションを上げるきっかけになるので、そこは大丈夫な気がしています。しかし、原因が2の場合は、なんか間違えてしまっている可能性があるかもしれません。プログラミングをしようと思い至ったその根本の熱意や動機を改めて見直すのも良いことだと思います。
アウトプットをすると、定着率がよくなるだとかのメリットなどには触れませんが、この作業を学生のうちから積み重ねることで「つよつよ」になれるかもしれませんね!
松尾先生のAIの話
以下は完全に個人的な話ですが、東大のAI研究やそのスタートアップで有名な松尾豊先生のお話が、やはり一番記憶に残っています。
現在、画像分類などのさまざまな分野でAIが人間の性能を超え始めていることは、研究で示されてきました。GPT-3に代表される自然言語処理における進歩により、人間が書いた文章なのかAIが書いた文章なのかを見分けることすら難しいような、そういった時代になりつつあります。そして、AIがこれからどのように進展して行くのかと考えるとワクワクするばかりです。
とはいえ、ここまで性能を出せるようになったということは、理論がかなり進んでいることもまた確かな事実ではあります。そんな中、時代の最先端まで追いつこうとするのは一見大変そうですが、松尾先生はこんなエールを送ってくださいました。
「AIを学ぶのはまだ遅くない。むしろ早い。」
我々は上手くいっている部分に対して目を向けがちですが、AIにも不得意な部分がまだまだ大量に存在します。それらの分野を開拓していくのは、私たちの世代なのかもしれません。
また、大学の教授とは思えないようなこんなことも言っていました笑
「理論はどうでもいいから、とりあえず触れ」
難しそうな理論を勉強したくない、という理由で敬遠するのはとても勿体ないことだということを伝えたかったんだと思います。「とにかくアウトプットをしろ」ということと何か通じるものがあるような...
終わりに
以上、技育祭の備忘録でした。
皆さんも何か頑張ろうと思えたら嬉しいです。
おまけ
せきぐちあいみさんのライブパフォーマンスめちゃくちゃ凄かったですねえ〜
VRでアートを創り出すという発想といい、その手捌きといい、そこに使われている技術といい、見どころ満載で自分の知らない世界を垣間見ることができた感じがして、とても楽しかったです。