月100万の広告を信じる前に知りたい、フリーランスエンジニアの単価の現実
「フリーランスエンジニアになれば月収100万!」——SNSでよく見る広告だ。
あれを額面通り受け取ると、フリーランスになってから「思ったより稼げない」と苦しむことになる。
この記事では、提示単価から手取りまでのお金の流れと、言語・職種による相場の違いを整理する。
この記事は 「フリーランスエンジニアで月100万」の広告は、なぜ嘘なのか のダイジェスト版です。
業界別の相場ランキングや月100万超エンジニアの詳細分析は、上記の完全版をどうぞ。
「月100万」広告のカラクリ
あの手の広告が大量に存在する理由はシンプルだ。フリーランスエージェントの紹介アフィリエイトで稼げるからだ。
「プログラミングスクールに通う → フリーランスになる → 月収100万」という黄金ルートを発信し、途中にエージェントやスクールの紹介リンクを貼る。読者が登録すれば紹介者に報酬が入る構造だ。
つまり記事を書いている本人は、エンジニアとして月100万稼いでいるのではなく、**「月100万稼げるという記事を書いてアフィリエイトで稼いでいる」**ケースが多い。
広告に踊らされる前に、リアルな数字を知っておくべきだ。
提示単価≠手取り:3段階で消えていくお金
ここが最も重要なポイントだ。ネット上に出ている「平均単価○○万円」は、クライアント企業がエージェントに支払う金額(提示単価)であり、エンジニアの手取りではない。
提示単価から手取りに至るまでに、お金は3段階で減っていく。
| 段階 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 提示単価 | クライアントがエージェントに支払う金額 | 例:80万円 |
| ①マージン控除後 | エージェントの取り分を引いた金額 | マージン25%の場合 → 60万円 |
| ②税金・社保・経費控除後 | 所得税・住民税・国保・年金・経費等を引いた金額 | 約3割減 → 40〜45万円 |
提示単価80万円(フリーランスの「ちょっと良い案件」レベル)でも、手取りは40〜45万円程度になる。
提示単価100万円の案件でシミュレーションしても同様だ。マージン25%で受取75万円、税金等を引いて手取り50〜55万円。さらにフリーランスは案件の切れ目に稼働ゼロの月が発生するリスクもある。
広告が見せている「月100万」は、提示単価の最大瞬間風速だ。手取りベースではその半分前後が現実になる。
言語・職種で変わるスタートライン
フリーランスエンジニアの月額平均単価(提示ベース)は約74〜78万円。ただし「何の言語を書くか」「どのポジションか」でスタートラインが大きく変わる。
言語別の相場帯(提示単価ベース)
| 相場帯 | 言語例 | 平均提示単価 |
|---|---|---|
| 高単価 | Go・Scala・Ruby | 81〜83万円 |
| 中〜高 | Kotlin・Swift・Python | 78〜80万円 |
| 中堅 | Java・PHP・JavaScript | 68〜71万円 |
| 低〜中 | COBOL・VB.NET・VBA | 60〜61万円 |
同じ「エンジニア」でも、言語だけでスタートラインに10〜20万の差がつく。
職種別の相場帯(提示単価ベース)
| 相場帯 | 職種例 | 平均提示単価 |
|---|---|---|
| 100万超 | ITコンサル・SAPコンサル | 約102万円 |
| 80〜90万 | ITアーキテクト・PM・PMO | 85〜90万円 |
| 70〜80万 | アプリエンジニア・データサイエンティスト | 73〜79万円 |
| 60〜70万 | プログラマー・テストエンジニア | 60〜66万円 |
数字は明快だ。「コードを書く」だけなら提示66万円、「設計・管理・コンサルができる」と87〜102万円。ポジションによって相場が40万近く開く。
ここからさらにマージンと税金が引かれることを忘れてはいけない。プログラマーの提示66万円なら、手取りは40万円台前半が現実的なラインだ。
▶ 業界別の相場ランキングや、月100万超エンジニアの具体的な人物像はこちら → 「フリーランスエンジニアで月100万」の広告は、なぜ嘘なのか
月100万を超えるのは「技術+α」の人
月100万超のエンジニアは存在する。ただしフリーランス全体で年収1,000万円以上は約4%。25人に1人だ。
その人たちに共通しているのは、技術力だけで到達したのではなく「技術+α」の掛け算ができていることだ。技術×マネジメント経験、技術×業界知識(金融・医療等)、技術×コンサル能力。コードを書くだけで月100万に到達した人はほぼいない。
月100万は、努力の天井ではなくキャリア戦略の結果だ。そして戦略を立てるには、まず自分の現在地を正しく把握する必要がある。
自分の技術スタックが市場でどの位置にあるのか。それを把握する第一歩は、スキルシートを整理することだ。Skillsheet-Port はフォーム入力で体裁が自動統一されるので、キャリアの棚卸しと現在地の把握に使える。
まとめ
フリーランスエンジニアの単価を見るときは、以下を押さえておきたい。
- SNSの「月100万」広告はアフィリエイト目的が大半。額面通り受け取らない
- 提示単価→マージン控除→税金控除の3段階で手取りは大幅に減る
- 言語だけでスタートラインに10〜20万の差がつく
- 職種(ポジション)の差はさらに大きく、40万近く開くこともある
- 月100万超は「技術+α」の掛け算ができる約4%の人
フリーランスという働き方自体には魅力がある。ただし、非現実的な期待値で意思決定するのは危険だ。まずは自分の市場価値を正しく知るところから始めてほしい。
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