SESの商流で月24万変わる——マージンと商流の仕組みを整理
SESのマージンや商流という言葉は聞いたことがあっても、具体的に自分の手取りにどう影響するのか把握している人は少ない。
同じ案件・同じスキル・同じ仕事内容でも、商流の深さが違うだけで月24万円の差が出ることがある。
この記事では、マージンと商流の仕組みをシミュレーション表で整理し、契約前に確認すべきポイントも紹介する。
この記事は SESエージェントの裏側——マージン・商流・選び方のリアル のダイジェスト版です。
「エンド直がベストとは限らない理由」やエージェントのタイプ分類の詳細は、上記の完全版をどうぞ。
マージン=悪ではない。問題は「見合っているか」
ネット上では「マージン=中抜き=悪」という論調が多い。だが、仲介業という仕組みは人材・不動産・金融などあらゆる分野に存在する。案件元の企業にはエンジニアを探すリソースに限りがあり、その「探す機能」を担っているのがエージェントだ。
マージンはその機能に対する対価であり、存在自体が悪ではない。問題なのは、提供されるサービスに見合わないマージン率で運営しているエージェントだ。
マージン率の相場は以下の通り。
| エージェント種別 | マージン率の目安 |
|---|---|
| フリーランスエージェント | 10〜25%(公開型は8〜12%も) |
| SES企業(正社員型) | 35〜40%(社保・福利厚生・人件費込み) |
マージン率を公開しているエージェントは信頼性の指標になる。非公開でも、契約前に「マージン率の目安を教えてください」と聞くのは当然の権利だ。
商流の深さで手取りはこれだけ変わる
マージンよりさらに深刻な構造問題が商流だ。商流とは、あなたが働く現場(クライアント)との間に何社の会社が入っているかのこと。間に入る会社はそれぞれ10〜20%のマージンを取るため、商流が深くなるほどエンジニアの手元に届く金額は減る。
クライアントの予算が月100万円の場合のシミュレーションを見てほしい。
| 商流 | 間に入る会社数 | エンジニア受取額(目安) | 予算100万との差額 |
|---|---|---|---|
| エンド直(1次請け) | 1社 | 約85万円 | ▲15万円 |
| 2次請け | 2社 | 約72万円 | ▲28万円 |
| 3次請け | 3社 | 約61万円 | ▲39万円 |
※各社マージン15%で試算
同じ案件・同じスキル・同じ仕事でも、商流が違うだけで月24万円、年間約290万円の差が出る。
さらに厄介なのは、自分が何次請けで働いているのかをエンジニア本人が知らないケースが多いことだ。ここを把握せずにエージェントを選ぶのは、値札を見ずに買い物をしているようなものだ。
ただし、「エンド直が最強」とも限らない。エンド直はクライアントとの距離が近い分、契約交渉やトラブル対応を全て自分でやる必要がある。1〜2社挟まった立ち位置なら、エージェントが緩衝材になってくれるメリットもある。自分のスキルとキャリアのフェーズに合った商流を選ぶのが正解だ。
▶ 「エンド直がベストとは限らない理由」やエージェントのタイプ分類の詳細はこちら → SESエージェントの裏側——マージン・商流・選び方のリアル
契約前にエージェントに聞くべき5つの質問
エージェントの質は、契約前の段階である程度見分けがつく。以下の5つを遠慮せずに聞いてみてほしい。
「マージン率の目安を教えてもらえますか?」
公開しているかどうか、聞いて答えてくれるかどうかが信頼の指標になる。
「この案件の商流は何次ですか?」
はぐらかすエージェントは要注意。「エンド直ですか?間に何社入っていますか?」と具体的に聞く。
「この案件は自社開拓ですか、仕入れですか?」
自社でクライアントと直接契約している案件と、別のエージェント経由で仕入れた案件では、商流もマージンも根本的に違う。
「契約後のサポート体制はどうなっていますか?」
案件紹介で終わりなのか、参画後のフォロー・契約更新の交渉・トラブル対応まであるのか。
「担当者は技術スタックを理解していますか?」
キーワードマッチで案件を流すだけなのか、技術やキャリアの方向性を理解した上で提案してくれるのか。
この5つに対する反応で、そのエージェントが「案件を右から左に流すだけの存在」なのか「キャリアのパートナーになれる存在」なのかがかなり見えてくる。
どのエージェントと組むにしても、自分のスキルシートは自分の手元で管理しておくべきだ。エージェントが変わるたびにゼロから作り直す構造では、書類の品質が安定しない。Skillsheet-Port ならフォーム入力で体裁が自動統一されるので、どのエージェントにもそのまま提出できる。匿名共有モードもあるため、名前を伏せたまま複数のエージェントに見せることも可能だ。
まとめ
SESのマージンと商流を理解しておくだけで、エージェント選びの判断精度は大きく変わる。
- マージン=悪ではない。問題はサービスに見合っているかどうか
- 商流が1社深くなるごとに、手取りは10〜20%ずつ減る
- 同じ案件でも商流の違いだけで月24万円、年間290万円の差が出る
- エンド直がベストとは限らない。自分のフェーズに合った商流を選ぶ
- 契約前にマージン率・商流・サポート体制を聞くのは当然の権利
エージェントの裏側を知った上で、味方につける。それがフリーランスエンジニアの生存戦略だ。
▶ 完全版ガイドはこちら → SESエージェントの裏側——マージン・商流・選び方のリアル
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