「モデルプロバイダを全部まとめる1本のエンドポイントが欲しい」と探し始めると、必ずこの2つの名前に行き当たります。OmniRouteとLiteLLMです。2026年9月2日時点でGoogleトレンドの「omniroute」が急上昇(Breakout)しているのを機に、両方のリポジトリを取得し、READMEの主張とLICENSEファイルの中身を突き合わせて比較しました。結論から書くと、OmniRouteは開発者個人のマシンに置く無料ゲートウェイ、LiteLLMはチームで共有するインフラで、用途が重なっているようで実はほとんど競合しません。
数字で見る2つのゲートウェイ(2026-09-02時点)
| OmniRoute | LiteLLM | |
|---|---|---|
| GitHubスター | 60,112 | 57,827 |
| ライセンス | リポジトリ全体がMIT | コアはMIT、enterprise/配下は別の商用ライセンス |
| インストール | npm install -g omniroute |
pip install litellm |
| 動作形態 | ローカルゲートウェイ+ダッシュボード+デスクトップアプリ | Python SDKまたは共有プロキシサーバー |
| プロバイダ数(作者の主張) | 352プロバイダ、1,312のモデルID(README) | 100以上のLLM API(リポジトリ説明文) |
| エージェントからの使い方 | リポジトリに46個のスキルを同梱、MCP+A2Aサーバー | SDK、プロキシ設定、MCPサーバー |
| 差別化のポイント | トークン圧縮(RTK、Cavemanモード) | Rustコアのスループット、エンタープライズ機能 |
スター数はGitHub API、ライセンスは両リポジトリのLICENSEファイルを直接読んだ結果です。プロバイダ数の「352対100+」はどちらも作者のカウントなので、比較の物差しにはしないでください。実際に常用するプロバイダは数個、という人がほとんどではないでしょうか。
OmniRouteとは何か
diegosouzapw氏によるMITライセンスの無料AIゲートウェイで、http://localhost:20128 にOpenAI互換のエンドポイントを1本立てます。READMEはクォータを検知して自動フォールバックする19種のルーティング戦略と、ツール実行結果を20〜40%圧縮すると主張するトークン圧縮を掲げています(数値は作者のベンチマークです。ゲートウェイに依存しないトークン削減の手法はトークン使用量を減らすClaudeスキルのガイドにまとめています)。特徴的なのは、リポジトリ自体が46個のエージェントスキル(SKILL.mdファイル)を同梱している点で、skills.shではインストール数上位20個が各308〜388インストールに達しています(全期間、2026-09-02時点)。
APIの入口にあたるスキルは、認証まわり(Bearerキー、OIDC、30日セッションJWT)を1ファイルで教える構成で、中身はomni-authのディープダイブで1行ずつ読みました(連載のディープダイブ一覧もあります)。サーバー自体の起動は姉妹スキルのOmniRoute CLI Serveが担当です。
LiteLLMとは何か
BerriAI社によるゲートウェイの定番です。リポジトリの説明文いわく「RustコアとPython SDKで100以上のLLM APIをOpenAI形式(またはネイティブ形式)で呼ぶ。コスト追跡、ガードレール、ロードバランシング付き」(リポジトリ説明文、拙訳)。pip install litellm で入り、チームで1本のプロキシを共有する構成が基本です。LICENSEを読むと、enterprise/ ディレクトリ配下だけが別の商用ライセンスで、企業向け機能をここで売る構造になっています。エージェントから使う手段としてはLiteLLM MCPサーバーのリスティングもあります。
Claude Codeで使うならどちらか
どちらも仕組みは同じで、OpenAI互換のベースURLとしてエージェントの前に立つだけです。選び方はエージェントではなく体制で決まります。
- 1人で開発していて、無料プロバイダを跨いだ自動フォールバックとダッシュボードが欲しいならOmniRoute。設定は環境変数2つだけです。
export OMNIROUTE_URL=http://localhost:20128
export OMNIROUTE_KEY=... # ダッシュボードで発行
curl $OMNIROUTE_URL/api/health # {"ok":true} が返れば設定完了
- チームでプロキシを共有し、キー単位でコストを追跡し、将来エンタープライズ機能を買う可能性があるならLiteLLM。Pythonスタックとの親和性も高いです。
コミュニティにはLiteLLM経由でClaude Codeを動かすこのスキルのリスティングも登録されています(13インストールと小規模ですが、経路が実在する証拠にはなります)。
注意点を3つ
- プロバイダ数を比較指標にしない。352対100+は各作者の数え方の違いを測っているだけです。
- OmniRouteは認証情報を混ぜると401になる。APIはBearerキー、ダッシュボードはパスワード+セッションクッキーで、別物です。
- ゲートウェイは通過する全プロンプトを見る。どちらもセルフホストが基本なので自分のマシンに閉じますが、リモートに置くなら信頼の判断が必要です。参考までに、2026年8月時点のエージェントスキルのセキュリティ調査では、79,848件のリスティングのうち87.8%が一度も監査されていませんでした。
同じ比較を英語でより詳しく書いた初出記事はOmniRoute vs LiteLLMにあります。実インストール数で並ぶ全体像はスキルのリーダーボードへどうぞ。
ソース: diegosouzapw/OmniRoute / BerriAI/litellm(いずれもコミット時点の実ファイルを参照)。
開示: 本記事はスキルディレクトリSkillselionの運営によるものです。カタログはskills.sh、GitHub、MCPレジストリから毎日更新し、実インストール数でランキングしています。