QiitaとZennのAEO比較:実際に調べてみた
1週間くらいこれ出すか悩んだんですけど(たいした情報ではないので)とりあえず調べたのに結果を共有しないのはもったいないと思ったので、雑ですが記事にしてみました。
この記事でわかること
AIの回答に参照されるかどうか、とSEOは同じ部分と違う部分がある。
きっかけ
QiitaとZennどっちがいいか、みたいな記事で「Qiitaの方がZennよりもAEOの観点からAIに参照されやすい」って書いてあるのを見かけました。
それを見て最初に思ったのが「Qiitaの方が記事数多いんだからそれはそうでは?」ということでした。Wikipediaが一番参照されてるっていうのも同じ理由だろうと。
ちなみに、AEO(Answer Engine Optimization)というのは、SEOのAI版です。ChatGPTやPerplexityみたいなAIツールに自分の記事を引用してもらうために行う施策とかですね。
既存の調査では「Qiitaの方が参照されやすい」という結果が出てたんですが、それって本当にプラットフォームの違いなのか、それとも単に記事数の差なのか気になったんですよね。
じゃあ一回、同じような条件でAIの応答を調べたらどうなるんだろう?と思ったので調べてみました。わざわざいろんなAI使って聞いてる人もいないと思うので、それぞれのAIの回答傾向の違いも合わせて分析してみます。
何をしたか
基本的には、2日前くらいにバズった記事をQiita、Zennそれぞれで1つずつ探してきて、その記事が出てきそうなシンプルな質問を考えました。
バズってる=ある程度質が担保されてる、引用されやすいというイメージです。
質問対象は以下のプラットフォームです
- Gemini (Pro、課金済み)
- ChatGPT (課金済み)
- Groq (無料版)
- Groq (Source表示版)
- Claude (Sonnet 4.5、Web検索機能付き)
- Claude (Source表示版)
- Perplexity
- Google AI Mode
- Google検索
どちらも日本語で聞いて、日本語で答えてもらいました。
(locationによってAIの回答がかなり異なるので、タイトルが日本語で書かれてるのにわざわざ英語で聞かなくていいかなと思ってます。)
Sourceは、普通の回答をコピーするだけだとフロントに表示されているsource linkが拾えなかったので、わざわざ全体をコピーしたりして持ってきたものです。各AIツールによって引用の表示方法が違うので、この辺りは手作業で調整しました。
聞いた記事と質問
Zenn
- https://zenn.dev/aun_phonogram/articles/4be2f4745726fb
- 質問:「claude codeですぐ制限にかからないためには何をしたらいい?調べて欲しい」
Qiita
- https://qiita.com/shibata1111/items/855524191d08f73a6748
- 質問:「意外と知られていないログインの裏側について教えて。調べて欲しい」
どちらの質問も、とりあえず記事のトップに書いてあることでクエリに引っかかりそうな特徴的な長めの単語を持ってきたつもりです。**「調べて欲しい」**を付けたのは、AIに明示的にWeb検索を促すためです。これがないとAIが自分の知識だけで答えてしまって、リアルタイム検索してくれないことがあるので。
事前予測
まあ、やはりQiitaの方がアクティブユーザーも多く、記事に対するインプレッションも大きいので、Qiitaの引用が多くなると予想しました。どこかで見た記事( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000160942.html )では5倍くらいの差があった(Qiitaが3%くらいのcitation、Zennが0.6%くらいのcitation)ので、少なくとも2倍くらいの差が出ると思ってました。
要するに「Qiitaの方が強い」という仮説を検証するつもりでした。
結果
とにかく回答が出揃いました。で、結果を見てびっくりしたんですが、予想と全然違ったんですよね。
ドメイン単位での引用状況
回答の中では、Claudeの制限についてはZennでも他にさまざまな書き方がなされており(これは予想外でした。Zennユーザーって結構Claude使ってるんだなと)、結果的に
Zenn質問では
- Zennドメイン:5つのツールで引用 (ChatGPT, Groq source, Claude Source, Google AI mode, Google)
- Qiitaドメイン:2つのツールで引用 (Claude source, Google)
Qiita質問では
- Qiitaドメイン:4つのツールで引用 (ChatGPT, Groq source, Perplexity, Google AI mode)
- Zennドメイン:3つのツールで引用 (ChatGPT, Groq source, Claude Source, Google AI mode, Google)
ここで面白いのが、Zenn質問でZennドメインの引用が5つだったこと。事前予測の「Qiitaの方が2倍強い」とは真逆の結果です。
記事単位での引用状況
ドメインではなく、今回選んだ特定の記事が引用されたかを見ると:
Zenn記事
- Google検索で13番目
- Google OverviewではトップのpositionでCitation獲得(これは驚き)
- Google AI modeでもcitationあり
Google Overviewっていうのは、Google検索結果の上部に表示されるAI生成の要約のことです。ここでトップに引用されるのはかなり強い。
Qiita記事
- Perplexityのcitationで9番目
- Google AI modeやGoogleの検索にはほとんど出てこなかった
これは事前に調べた「noteはSEOは弱いがAEOが強い」という説の裏付けにはなります。SEO(従来の検索順位)とAEO(AI引用)は必ずしも連動しないってことですね。Qiita記事は従来のGoogle検索では見つけやすかったかもしれないけど、AI Overviewではあまり引用されなかった。逆にZenn記事はGoogle検索では13位だったのに、AI Overviewではトップ。
ただ、これは一概には言えないです。サンプル数が2記事だけなので。
AIツールごとの特徴
検索を行っていないツールもいくつかあって、Gemini等は特に引用を聞かれなければ出さない、検索を裏で行っていても出さない、ということで、内容的には引用されているかもしれないが自社への誘導になったり等は期待が薄そうです。これは企業的な戦略なのかもしれませんね。Googleは自社のGoogle検索に誘導したいだろうし。
回答を見た中では、格段にChatGPTが絵文字を多用していました(どうでもいい)。😊みたいなのがやたら多い。
内容について
Claudeに関する質問:
- Perplexity:まず課金を勧めてきた(まあ確かに課金すれば制限は解決するけど...)
- Claude:コードでの解決を推奨(自社製品なのになぜかコード回避策を提案する)
- その他:あまり変わらなかった
ログインの裏側に関する質問:
- Gemini、Google AI mode:パスワードに関する回答(セキュリティ寄り)
- Perplexity:ログインの全体の流れ(網羅的)
- Claude、ChatGPT:セッションを重視(技術的に深め)
- Groq:ステートレスなHTTPについて(かなり低レイヤー)
- 全体的にウェブログインに限定された
同じ質問でもAIごとに全然違う切り口で答えてくるのが興味深かったです。これはそれぞれのAIの学習データやプロンプトエンジニアリングの違いを反映してるんだと思います。
考察
普通に「Claude codeですぐ制限にかからないためには」みたいな記事は一般的だし、Claudeにとっては普通に社内ドキュメントを取ってきて回答するだけかと思ったら、そうでもなかったです。公式ドキュメントがあっても外部記事を引用することがあるんだなと。これはAEO的には朗報ですね。公式に対抗できる余地がある。
Google AI modeとGoogleではZennの想定した記事が出てきました。Google AI modeではGoogleと同じ記事が出てくることもあるし、Googleと全く異なるサイトが出てくることもあります。この一回だけではわからないですが、体感でいうと3回に一回くらいはGoogleと同じような記事が出てくるケースがありますが、それも1リンクだけ同じ、とかなので、割と全然違うなと思いました。
つまり**「Google検索で上位=Google AI Modeでも上位」とは限らない**ってことです。アルゴリズムの観点から見てもまあ納得の結果。
検証の限界
質問の性質が違いすぎた可能性
Claude制限の話は技術Tipsで、ログインの裏側は概念説明。求められる情報の深さや種類が違うので、単純比較は難しい。他の記事も同様ですね。同じようなことについて書いてて、同じようないいね数なら別で比較できるかも?
あと記事の中身の濃さも違った説があります:
- Qiita:150 words、3,191 characters
- Zenn:282 words、3,778 characters
文章量ではZennの方が約2倍長いんですよね。これが引用に影響した可能性は十分あります。
中身については普通にChatGPTに聞いた方がわかりやすいし詳細な内容だなと感じるケースもちょっとありました(作者の方々本当に申し訳ない)。つまり記事の内容がAIの一般的な知識と被ってる場合、わざわざ引用されない可能性がある。
サンプル数が圧倒的に少ない(各1記事ずつ)のも問題です。統計的に有意な結論を出すには、最低でも各20-30記事ずつくらい必要だと思います。
まとめ
予想に反して、単純に「Qiitaの方が参照されやすい」とは言えない結果になりました。使うAIツールによっても、記事の内容によっても、かなり結果が変わります。
わかったこと:
- プラットフォームの規模(記事数、ユーザー数)だけでは決まらない
- SEOとAEOは別物。Google検索順位とAI引用率は必ずしも連動しない
- AIツールごとに引用傾向が全然違う
- 記事の独自性や情報密度が重要かも
わからなかったこと:
- 本当にプラットフォーム間で差があるのか(サンプル数不足)
- どういう記事が引用されやすいのか(要因が複雑すぎる)
- 長期的な傾向(この調査は1時点のスナップショット)
