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ADX + UE5でインタラクティブミュージック(AtomCraft編/新バージョン対応)

Last updated at Posted at 2019-11-27

はじめに

ADXアンバサダーとして執筆しておりますSigと申します。
この記事ではアンリアルエンジン5と、サウンドミドルウェア「ADX for UE」を連携させ、ゲームの状況によって変化するBGMをセットアップします。
ゲームの臨場感づくりに一役買うでしょう。
UE5.2+「ADX LE UE SDK(2.00.00.00)」を使用します。

前提

「ADX for UE LE」を使用します。導入や簡単な使い方は以下の記事にあります。
ADX for UEの導入で、一歩上のサウンド表現を(導入編/UE5/ADX新バージョン改訂版)

ADX for UEの導入で、一歩上のサウンド表現を(実践編)

やること

  • AtomCraftで動的に操作可能なBGMを作成
  • UE5にインポート
  • ブループリントでパラメータを操作
  • BGMのトラックごとにフェードイン・フェードアウトができるようにする
  • テストプレイ

AtomCraftでのセットアップ

まず、ひとつのBGMを3つに分割したwavファイルを用意しました。こちらをダウンロードしてください。
https://drive.google.com/open?id=1TJqtemlYZxxnt0n5Kj-cNYHFJtVLd35W
展開すると以下のようなファイルが入っています。
A01.png

これはひとつの楽曲を3つのパートに分割したもので、最初は静かなAパートのみ、ゲーム中でBパート、Cパートが加わると段々と賑やかな構成になるよう設計します。

AtomCraftでプロジェクトを作成

AtomCraftを起動し、新規プロジェクトを作成します。
A02.png

ワークユニットを作成します。
A03.png

ファイルを読み込む

先程ダウンロードした3つのwavファイルをAtomCraftにインポートします。
マテリアルツリーの「マテリアルルートフォルダ」にドラッグアンドドロップ。
A04.png
A05.png

AtomCueの作成

これらを同時に再生するAtom Cueを作りたいので、新規にキューを作成します。
「ワークユニットツリー」の「CueSheet_0」を右クリックし、キュー「ポリフォニック」を作成します。
A06.png

キュー内に、3つの音声をドラッグアンドドロップします。
A07.png
3つのトラックが作成されました。
すべての音声データを0秒の位置に揃えます。
A08.png

この状態で再生すると、3つのトラックが同時に流れ、完成形のBGMが流れます。
トラックのミュートボタンを押して、各トラック単体でも聞いてみましょう。
A09.png

##ループの設定
これらのサウンドはBGMとして扱いたいので、ゲーム中ではループ再生するよう設定してあげる必要があります。
マテリアルツリーで波形データをクリックして選択します。
A23.png
エディタ右側にある「インスペクター」で、**「ループ情報の上書き」を「True」**にします。
A24.png
のこり2つの波形データにも、同じようにループ設定をします。

##Aisacのセットアップ
UE5からAtomCue内のサウンドを動的に操作するのにあたって必要なのが**「Aisacコントロール」**です。
サウンドのボリュームなどをパラメータ化し、UE5側でfloat値を渡すことで任意に設定したカーブにしたがって変化させられます。
A27.png

まずはパートAのトラックを右クリックして「AISACの作成」を選びます。
A10.png
AISAC名はわかりやすいものを、AISACコントロールには**「Aisacコントロール_00」**を指定します。AISACグラフタイプは、今回はボリュームを変化させたいので「ボリューム」にします。
A11.png

新たなAisacコントロールが作成され、編集可能になりました。
A12.png
AISACの編集から今までのタイムライン編集に戻るには、下のタブをクリックして切り替えます。
A13.png
AISACリストの「ボリューム」を選択します。
A14.png
ボリュームを表す黄色いグラフが操作できるようになるので、線をドラッグして任意の形にしてみましょう。音量が左端で0、右端で1になるようにしてください。ポイント上で右クリックするとカーブの形状が変えられます。
A15.png
再生中に上部の数値をドラッグして動かすと、ゲーム内で数値が動いたときの変化を確認できます。0に近づくほどAパートの音量が小さくなるはずです。
A16.png
音が鳴らない場合、トラックがミュートされていないか確認してみてください。

パートBのトラックパートCのトラックも同様にしてAisacコントロールを作成します。
各トラックを個別のコントロールで操作したいのでパートBには**「AisacControl_01」を、パートCには「AisacControl_02**」を割り当てます。
A17.png
A18.png

トラックAと同様にカーブを編集します。
A19.png

すべて完了したら、上部のバーでAisacコントロール00,01,02の値を動かして、各パートのボリュームが変動するか試してみましょう。
A20.png

キューシートのビルド

UE5にインポートできるよう、キューシートをビルドします。

UE5で判別できるようキューの名前を変えます。
A25.png

あとはツールバーからビルドするだけです。
A21.png
A22.png

UE5側での実装は後編、「ADX for UEでインタラクティブミュージック(ブループリント編)」に続きます。

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