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ADX for UEの導入で、一歩上のサウンド表現を(導入編/UE5/ADX新バージョン改訂版)

Last updated at Posted at 2019-10-26

概要

ADXアンバサダーとして記事を書いておりますSigと申します。
この記事では、「CRI ADX LE版」の「ADX for UE5」の紹介、および導入までを扱います。実際の使い方については、次の記事をご覧ください。
対応バージョンのUEの導入からやっていくので、Epic Games Launcherさえ入っていれば同じように手順を追っていくことができます。

前提

当記事ではUE5.2を使用しています。
基本的にブループリントのみでの実装を想定しています。
ADXはインディー向けの「LE版」であれば、無料で使用できます。
https://game.criware.jp/products/adx-le/

なお、ADX2はADXへ名称が変更になりましたが、ツール構成は変更ありません(2がないから古いほう、というわけではありません)。

記事執筆時点のADX for UEのSDKバージョンは「ADX LE UE SDK(2.00.00.00)」です。

この記事の対象者

  • これからUE5を使おうとしていて、サウンドの扱いについて選択肢が欲しい方
  • 既にUE5を触っている方で、便利な、もしくはユニークなサウンド表現を実装したい方

はじめに

ADXアンバサダーとして執筆しておりますSigと申します。
みなさんUnreal Engine 5(以下UE5)、使ってますか?ゲームはもちろん、映像やVRコンテンツにも、企業個人問わず使用されているゲームエンジンのひとつです。え、使ってない?結構。今すぐインストールしましょう。無料で使用可能です。

UE5のサウンド機能

さて、ゲームなどのコンテンツに欠かせない要素のひとつに、「サウンド」があります。ゲームのバックで流れる楽曲、ゲーム内やUIで使われる効果音、キャラクターのボイスなども、すべて「サウンド」に含まれます。
実際のところ、UE5には標準でかなり強力な機能がついています。
「Sound Class」で一括で音を調節したり、「Sound Cue」によるノードベースのサウンド調節機能があったり……。
また、新たに追加された「MetaSounds」で、より高度な音声機能も実装できるようになりました。

しかし!「ADX for UE5」を導入することで、以下のようなメリットを追加で得られます。

ADXによって変わるサウンド

CRI ADX LE
https://game.criware.jp/products/adx-le/
サウンドミドルウェアである「ADX for UE」では、標準ではできなかった表現や処理・管理の簡略化、さらには全く新機軸のサウンド処理まで実現することができます。以下は、「ADX for UE」が持つ機能の一例です。

サウンドに関するパフォーマンスの向上

  • 高圧縮、高品質なデータ形式
  • モバイルに特化した再生処理
  • サウンド遅延の低減

外部ツール「Atom Craft」による連携

  • サウンドのパラメータを設定し、それを保持したままUE5へインポート
  • サウンドの再生順、再生位置などをAtom Craft側で設定
  • アセットをカテゴリ分けし、一括で管理
  • サウンドアセット内部に様々なパラメータを内包し、UE5でのプログラミング時に受け取る

サウンド演出の強化

  • 環境音などに使用可能な、決め打ちでない自然なランダム再生
  • BGMとボイス、効果音の相互音量調節
  • BGMがシームレスに変化したり、ゲームの状況に応じてアレンジが動的に変化する「インタラクティブ・ミュージック」の実現
  • 前述したAtom Craftとの連携による、サウンドドリブンなゲーム進行

これ以外にも様々なことができるでしょう。さらに、モバイル向けに最適化されたサウンド再生など、パフォーマンス面でも恩恵を受けることができます。
「ADX for UE5」が含まれるミドルウェア「CRI ADX」には、企業で使用できる通常版と、個人・インディー開発に使用できる「LE版」があります。

LE版を使用できる条件

  • 前年度年商が1,000万円以下の会社、または団体・個人であること
  • コンテンツの配信元が自身であること(販売権を自身で持っていること)
  • コンテンツの売上が1,000万円以内であること

詳細はこちらのページをご覧ください。
https://game.criware.jp/products/adx-le/
この記事ではLE版を使用しますので、気軽に導入できると思います。
今回は導入編として、UE5のプロジェクト作成から「ADX for UE」の組み込みまでを見ていきましょう。

UE5、ADX LEを導入してみよう

UE5プロジェクトの作成

まずは今回使用するUE5のバージョン5.2を取得します。既に該当バージョンをお使いの方は、次項まで飛ばしてください。
Epic Games Launcherの左の一覧から「Unreal Engine」、上の一覧からは「ライブラリ」タブを開きます。
01.png

バージョンの空きスロットで「5.2.x(最新のもの)」を選択し、「インストール」を押します。もし空きスロットがない場合、「Engineバージョン」の右にある「+」ボタンを押すと新しく出現します。
02.png

インストールが完了したら「起動」を押してエディタを立ち上げます。

03.png

プロジェクト選択画面が出ますので、左から「GAMES」を選んで新しいプロジェクトを作りましょう。
とりあえず次の画像のとおりに設定してみてください。もちろんフォルダパスなどは任意のもので構いません。
04.png

「Project Settings」では、「Blueprint」ではなく「C++」を選択します。
UE5ではC++でプログラミングはしないよ、という方でも、ここでは同じように選択します。
すべて設定したら、右下の「Create Project」を押してプロジェクトを作成します。
UE5のエディタが起動します……が一旦閉じます
05.png

ADXのデータをUE5で扱えるように、プラグインの導入に移りましょう。

ADX for UEの導入

まずは以下のURLから「CRI ADX LE」をダウンロードします。
https://game.criware.jp/products/adx-le/#ledl

06.png
07.png

「Unreal Engine 5」の**「ADX LE UE SDK」とツールを両方**ダウンロードしておきましょう。
ダウンロードが完了したら、すべてのファイル(重要)をそれぞれ任意のフォルダに展開します。
08.png
09.png

次にプロジェクトフォルダを開きます。直接エクスプローラーで辿ってもいいのですが、もっと簡単な方法があります。
EpicGamesLauncherの「マイプロジェクト」から先ほど作成したプロジェクトを右クリックし、「フォルダで開く」を選べば一発です。
10.png

プロジェクトのルートフォルダが開きます。
解答した「CRI ADX LE」の中、UnrealEngine/Engineフォルダにある「Plugins」をコピーし、
11.png

プロジェクトのルートフォルダにペーストします。
12.png

ここまでできたら、「マイプロジェクト」のプロジェクトをダブルクリックして再度エディタを開きます。
次のようなメッセージが出たら、慌てず「Yes」を選択します。
A09.png
少し時間がかかりますが、プロジェクトが立ち上がります。
もし立ち上がらない場合、対応しているVisual Studioが導入されているか確認してみてください。
13.png

これでADX for UE5の導入は完了です!
続いて、これからの作業のために初期設定を済ませてしまいましょう。

設定

エディタの言語設定

このチュートリアルでは、UE5エディタの言語設定を英語にして進めていきます。もしエディタの言語が日本語の場合、以下のようにして設定を変更してください。

ツールバーの「編集」から、「エディタの環境設定」を開きます。
14.png

「地域&言語」タブから、エディタの言語を「英語(English)」に設定します。
15.png

すぐにエディタ言語が英語に書き換わります。設定は完了です。

プラグインの確認

正しくADX for UEが導入できているか確認してみましょう。
ツールバーの「Edit」から、「Plugins」を選択します。
16.png

「PROJECT」カテゴリ内に「CriWare」というタブができており、その中に入っているプラグインにチェックがついていることを確認してください。
17.png

これでだいたいの設定は完了しました。次の記事ではいよいよ、サウンド再生を実践してみます。

(後日更新予定の実践編に続きます)

CRIWARE公式では、ADX for UE5の構成やファイル概要の詳細が確認できるドキュメントが公開されています。
https://game.criware.jp/learn/tutorial/
こちらもチェックしてみてください。

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