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コードレビューで設計の話が始まったとき、プロジェクトはだいたい詰み始めている

Last updated at Posted at 2025-12-23

これは思想の話ではありません。
私自身が複数の現場で何度も失敗を見てきた事実です。

この記事は「設計の話をやめろ」ではなく「設計をちゃんとやるために、レビューから切り離せ」というものです。設計について議論することはチーム開発においてとても重要なものです。

実体験:レビューが機能しなくなった瞬間

以前いたチームで、こんな流れがありました。

  • 機能追加のPR(変更はそこそこ大きいが、仕様は単純)
  • 実装者は事前に要件を確認し、期限内に実装
  • レビュー開始

最初の指摘は妥当でした。

  • 命名の微修正
  • 条件分岐の簡略化

ところが、途中から流れが変わります。

「このクラス、そもそも責務分け間違ってません?」
「この設計だと、将来〇〇が入ったときに辛そう」
「レイヤー構造から考え直した方がいい気がします」

ここからPRは3日止まりました。

そのレビューで実際に起きたこと

  • 実装者は設計を説明し始める
  • レビューアは「理想の設計」を提示し始める
  • 誰も「このPRをどうするか」を決めない

結果はこうです。

  • 一部だけ直してマージ
  • 「本当は良くないよね」という空気だけが残る
  • 次のPRでも同じ議論が再発

設計も、レビューも、どちらも良くならなかった。

問題は設計ではなく「レビューに持ち込んだこと」

この経験で気づいたのは、設計の良し悪しではありません。

「レビューで設計を扱うと、必ず中途半端になる」
これが問題でした。

理由は明確です。

1. 実装コストはすでに発生している

コードを書いたあとに設計を否定されると、
議論は必ず「今さら戻れるか」という話になります。

結果、
本来やるべき設計改善は見送られ、妥協案だけが残る。

2. 設計議論は結論が出にくい

レビューは本来、Yes/Noを早く決める場です。
設計はそうではありません。

両者の性質が根本的に違います。

3. 心理的安全性が壊れる

この現場では、次第にこうなりました。

  • 実装者は最小限しか書かなくなる
  • レビューアは強い指摘を避ける
  • 誰も設計の話をしたがらなくなる

一番まずい状態です。

「レビューで気づいたから仕方ない」への実体験からの答え

もちろん、実装を見て初めて問題に気づくことはあります。
私自身、何度もありました。

ただ、そのとき取るべきだった行動は、当時の自分がやっていたこととは違いました。

正解はどちらかです。

  • この設計は致命的なので、このPRは止める
  • 今回は割り切って通し、設計改善を別チケットに切る

レビューで設計の理想論を語ることではありません。

その後、このチームで変えたこと

同じ失敗を繰り返さないために、次のルールを決めました。

  • 設計に関わる指摘は

    • 「PRを止めるかどうか」まで言語化する
  • 止めない場合、レビューではそれ以上設計を深掘りしない

  • 設計の話は、実装前か振り返りでやる

これだけで、

  • PRの滞留時間が減り
  • レビューが短くなり
  • 設計の話がむしろ前向きにできるようになりました

「それでも設計を指摘しないと腐る」

これはもっともです。
ただ、私の経験上、腐る原因は別にありました。

  • 設計レビューの場が存在しない
  • 実装前に相談する文化がない
  • 設計の責任者が曖昧

これらを放置したままレビューで設計を殴ると、腐敗を遅らせるどころか、見えなくするだけでした。

例外について

以下は、レビューで止めるべきです。

  • 明確な破綻構造
  • セキュリティや安全性に直結する設計ミス
  • 将来ではなく「今」壊れる設計

重要なのは、「設計が微妙」では止めないこと。

まとめ

この話は、設計を軽視したいわけではありません。

むしろ逆で、

  • 設計をちゃんと扱いたいなら
  • レビューという場から切り離すべき

という、かなり実務的な結論です。

コードレビューで設計の話が始まったら、
一度立ち止まって考えてみてください。

それ、本当に“今ここ”でやるべき議論でしょうか。


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