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2025年、1年間を生成AIに頼りすぎて失ったもの、得たもの

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2025年は、間違いなく生成AIが開発現場に完全に定着した年だった。
ChatGPT、Claude、Gemini、CodeRabbit、Cursor、GitHub Copilot、v0.dev、Replit Agent……挙げればキリがないほどツールが溢れ、どれも「使える」レベルを超えて「頼れる」ものになった。

2025年は意識的に「生成AIを最大限活用する」1年にした。
結果、生産性は確実に上がったが、同時に「失ったもの」も明確に実感した。
ここでは、得たものと失ったものを正直に振り返ってみる。

得たもの

1. 圧倒的な初速とイテレーション速度

一番変わったのは「考える時間」から「試す時間」へのシフトだ。
以前は新しいライブラリやアーキテクチャを試すのに、ドキュメント読み込み+サンプルコード作成で半日〜1日かかっていたものが、今はプロンプト1発で土台ができ、30分以内に動くプロトタイプが作れるようになった。

特にCursor + Claude 4の組み合わせは強烈だった。
「この要件でClean Architecture + DDD + CQRSを適用したSpring Boot + Kotlinのサンプルを、テスト込みで書いて」と投げると、ほぼそのまま動くコードが出てくる。
修正指示も自然言語で出せて、差分レビューが劇的に早くなった。

結果として、PoCやMVPのサイクルが1/3〜1/5になったプロジェクトが多くあった。
事業サイドからの「もっと早く形に」というプレッシャーに対して、かなり余裕を持って対応できるようになった。

2. 雑務の大幅削減

  • 単純なCRUD APIの実装
  • テストケースの雛形
  • ドキュメントの初稿(README、API仕様)
  • PRの説明文
  • 英語→日本語の技術ドキュメント翻訳

これらがほぼ自動化された。
特にPR説明文は「この変更の背景・影響範囲・確認ポイント」を箇条書きで出してくれるので、レビュアーからの指摘が減った。

3. 精神的な余裕

「分からない」を「AIに聞く」で即解決できるので、詰まってイライラする時間が激減した。

失ったもの

1. コードの「身体感覚」の衰え

一番痛感したのはこれだ。
以前は、コードを書く行為そのものが「考える道具」だった。
頭の中で状態遷移を追いながらタイピングし、バグの匂いを嗅ぎ分ける。

そういう身体感覚が、徐々に薄れていった。

今はAIが8割書いてくれるので、自分で書く行数が激減。
結果、コードの微妙なニュアンス(可読性・パフォーマンスのトレードオフ・エッジケースの扱い)が「感覚」で掴みにくくなった。
レビューで「ここはこう書いた方が…」と指摘されても、以前ほど即座に「確かに」と腑に落ちなくなった場面が増えた。

2. 深いデバッグ力の低下

幻覚(ハルシネーション)や微妙に間違ったコードをAIが出すのは当たり前になったが、
それを「見抜く力」が鈍ってきた。
「なんか変だな」と思っても、原因を特定するまでに時間がかかるようになった。
昔は自分で書いたコードだからこそ「ここがおかしい」と直感で分かったが、今は「AIが書いたコード」なので、疑うポイントが分散してしまう。

特に複雑な並行処理や分散システムのバグハントで、その差を痛感した。

3. 設計の「自分らしさ」の喪失

AIは「標準的で安全な」設計を好む傾向がある。
Clean Architecture、レイヤード、DDD、Functional Core & Imperative Shell…どれも悪くないが、 プロジェクトの文脈に合わせて「あえて崩す」判断が減った。
「AIがこう言ってるから」という思考停止が、知らず知らずのうちに増えていた。

結果、コードに「個性」や「チームの色」が薄くなったと感じる。
レビューで「これ、誰が書いたか分からないね」と言われたときは、結構ショックだった。

4. 指導力の低下

「なぜこの設計にしたか」を説明する機会が減った。
自分がAIに頼りきりだと、「ここは自分で考えて書いた方がいいよ」と言う説得力が弱くなる。
「自分もAI使ってるけど…」という言い訳が頭をよぎる。

2026年に向けての抱負

完全にAIを切るつもりはない。
ただ、使い方を変える。

  • コアロジックやビジネスルールに関わる部分は、まず自分で書いてからAIにレビューさせる
  • 複雑なバグ修正は、AIの提案を「参考」止まりにし、最終判断は人間で
  • 週1回は「AIなしDay」を設けて、生のコードを書く時間を確保
  • チームミーティングで「AIに頼った部分」と「自分で考えた部分」を明確に共有

生成AIは強力な相棒だが、過度に甘えると「相棒」ではなく「代行者」になってしまう。
2026年は「AIと一緒に戦う」感覚を取り戻したい。

生成AIは電卓やIDEの登場と同じくらいのインパクトだが、 電卓が出ても数学の本質は変わらなかったように、エンジニアの本質である、問題を構造化し、トレードオフを判断し、責任を取るという業務は変わらない。

ただ、その本質を維持するためには、意識的に「自分で考える時間」を守らないといけない。
それが、2025年の最大の教訓だった。

2025年、生成AIに助けられまくった1年だった。

ありがとう。でも2026年は「AIに頼りながら、自分を磨く」年にする。
結局一番強いのは、AIと人間の「いいとこ取り」を本気でやれるエンジニアだと思うから。

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