はじめに:チャットから直接ファイルを作る
「プレゼン資料を作りたいけど、ゼロから作るのは大変...」
「報告書の下書きを作りたいけど、調査から始めるのは時間がかかる...」
2025年9月、こうした悩みに応える新機能が登場しました。
Office Agent です。
Copilot Chatで指示を出すだけで、Word文書やPowerPointプレゼンテーションを生成してくれる機能です。
日本でも使えます。 ただし、いくつか条件があります。
この記事では、Office Agentとは何か、どう使うのか、日本で使うための条件を整理します。
Office Agentとは
概要
Office Agentは、Copilot Chat上でWord文書やPowerPointプレゼンテーションを生成する機能です。
従来のCopilot Chatは「テキストで回答する」だけでしたが、Office Agentは「完成したOfficeファイルを作成する」ことができます。
どこで使うのか
- Copilot Chat(ブラウザ版、またはMicrosoft 365 Copilotアプリ)
Word、Excel、PowerPointのアプリ内ではなく、Copilot Chatの画面から使います。

Office Agentでできること
PowerPoint
プレゼンテーション資料を生成します。
できること:
- Web調査を含むスライド作成
- テーマ・デザインの自動適用
- 構造化されたプレゼンテーション
- スライドの枚数・内容の調整
使い方の例:
[トピック]について、タイトルスライド、重要な分析情報の3スライド、リスクと軽減策の2スライド、最後に「次のステップ」スライドを含む7スライドのエグゼクティブブリーフを作成してください。クリーンなエンタープライズスタイルを使用し、各スライドに短い発表者ノートセクションを含めてください。
Copilotが以下を実行します:
- 意図の確認(対象読者、テーマ、重点項目など)
- Web調査の実施
- スライドの生成
- フィードバックに基づく修正
Word
報告書・提案書を生成します。
できること:
- Web調査を含む文書作成
- 構造化された報告書
- 見出し・セクションの自動構成
- 内容の調整・修正
使い方の例:
[イニシアティブ]を要約し、[対象読者]への価値を概説し、最初の30日間のチェックリストを含む2ページの顧客概要を下書きしてください。
Copilotが以下を実行します:
- 意図の確認(文書の長さ、詳細度など)
- Web調査の実施
- 文書の生成
- フィードバックに基づく修正
Excel
近日提供予定
現時点(2026年2月)では、まだExcelのOffice Agentは提供されていません。
日本で使うための条件(2026年2月時点)
Office Agentを日本で使うには、以下の条件が必要です。
重要: これは現時点(2026年2月)でのプレビュー段階の条件です。正式リリース後は、標準のMicrosoft 365ライセンスだけで使える可能性があります。
1. ライセンス(現時点)
Office Agentは、Frontierプログラム経由で提供されています。
Frontierプログラムに参加するには:
- Microsoft 365 Copilotライセンスが必要
- 前提:対象のMicrosoft 365プラン(Business Basic, Business Standard, Business Premium, E3, E5など)
重要: 現時点では、標準ライセンス(Business Basic, Business Standard, E3など)だけでは、Frontierプログラムに参加できません。Microsoft 365 Copilotライセンスの追加購入が必要です。
2. Frontierプログラムへの参加
Frontierプログラムは、Microsoftの早期アクセスプログラムです。
参加方法:
- Microsoft 365管理センターにアクセス
- 「Copilot」→「設定」→「ユーザーアクセス」
- 「Copilot Frontier」を選択
- 特定のユーザー、グループ、または全員を選択
日本からの参加: 可能です。Microsoftの日本公式ブログでもFrontierプログラムが紹介されています。
3. Anthropicモデルの有効化(重要!)
管理者がAnthropicモデルを有効化する必要があります。
有効化方法:
- Microsoft 365管理センターにアクセス
- 「設定」→「組織設定」→「サービス」→「Copilot」
- 「AI providers for other large language models」(他のLLM用AIプロバイダー)を有効化
注意:
- テナント全体への有効化が必要
- この設定をしないと、Office Agentは表示されません
4. 言語対応
日本語でも使えます。
日本語でプロンプトを入力すれば、日本語でファイルを生成してくれます。
使い方の流れ
1. Copilot Chatを開く
Webブラウザで copilot.microsoft.com にアクセスするか、Microsoft 365 Copilotアプリを起動します。
2. Office Agentを選択
左メニューから「Office Agent (Frontier)」を選択します。
表示されない場合は:
- Frontierプログラムに参加しているか確認
- Microsoft 365 Copilotライセンスがあるか確認
- Anthropicモデルが有効化されているか確認
3. 指示を出す
作りたいファイルの内容を、日本語で指示します。
4. Copilotが確認
Copilotが、意図を明確にするための質問をしてきます:
- スライドの枚数は?
- どのようなビジュアルテーマにしたいか?
- 対象読者は誰か?
5. Web調査が始まる
Copilotが関連情報をWebで調査します。
調査内容はリアルタイムで表示されるので、途中で止めたり、方向を修正したりできます。
6. ファイルが生成される
PowerPointまたはWordファイルが生成されます。
生成されたファイルは、ダウンロードして自分で編集できます。
7. フィードバック・修正
日本語でフィードバックを出すと、Copilotが修正してくれます。
例:
- 「もっと詳細を追加して」
- 「このセクションを変更して」
技術的な特徴
使用モデル
Office Agentは、**Anthropic(Claude)**のモデルを使用しています。
Microsoftは、タスクに応じて最適なAIモデルを選択する戦略を取っており、Office Agentには推論能力の高いAnthropicモデルが選ばれました。
チャットファーストのアプローチ
Office Agentは「チャットから始める」アプローチです。
- チャットで会話しながら要件を明確化
- Web調査を実施
- ファイルを生成
- チャットでフィードバック・修正
このアプローチにより、「何を作ればいいか分からない」状態から始めても、対話を通じて明確にできます。
ライセンス別の利用可能範囲
現時点(2026年2月・プレビュー段階)
標準ライセンスのみ(Business Basic, Business Standard, E3など)
利用不可: ❌
Frontierプログラムに参加できないため、Office Agentは使えません。
この連載で紹介している「ブラウザ版Copilot Chat」や「Office内のCopilot Chat」は使えます。
Microsoft 365 Copilotライセンス
利用可能: ✅
条件:
- Frontierプログラムへの参加
- Anthropicモデルの有効化(管理センターで設定)
- 日本語対応
利点:
- Office Agentが使える
- 組織データ(メール、ファイル、会議)を参照可能
- より精度の高いファイル生成
正式リリース後の見込み
Microsoftは「拡張されたアクセスは近日公開予定」とアナウンスしています。
正式リリース後は、標準のMicrosoft 365ライセンス(Business Basic, Business Standard, E3など)だけで使える可能性があります。
つまり、Microsoft 365 Copilotライセンスがなくても、Office Agentが使えるようになるかもしれません。
ただし、これは確定情報ではないため、続報を待つ必要があります。
実際の使い道
プレゼン資料の下書き作成
外部向けのプレゼンや社内報告の下書きを、Web調査を含めて作成できます。
生成されたファイルをベースに、自分で修正・調整すれば、ゼロから作るより大幅に時間を短縮できます。
報告書・提案書の骨組み作成
「何を書けばいいか分からない」状態から、対話を通じて要件を明確化し、骨組みを作れます。
生成された文書を見ながら、「ここをもっと詳しく」「この視点を追加して」と修正していけば、完成度を高められます。
調査を含む資料作成
Web調査を自動で実施してくれるので、「まず調査してから資料を作る」という流れを一気に進められます。
まとめ:Office Agentの位置づけ(2026年2月時点)
Office Agentは:
- Copilot Chat上でOfficeファイルを生成する新機能
- チャットで会話しながら、要件を明確化できる
- Web調査を含む資料作成が可能
日本で使うには(現時点・プレビュー段階):
- Microsoft 365 Copilotライセンスが必要
- Frontierプログラムへの参加が必要
- Anthropicモデルの有効化が必須
- 日本語対応
- 日本からも利用可能
正式リリース後の見込み:
- 標準のMicrosoft 365ライセンスだけで使える可能性がある
- Microsoft 365 Copilotライセンスがなくても利用できるようになるかもしれない
現時点での推奨:
標準ライセンス(Business Basic, Business Standard, E3など)のみの場合:
- 現時点ではOffice Agentは使えません
- この連載で紹介している「ブラウザ版Copilot Chat」や「Office内のCopilot Chat」を活用しましょう
- 正式リリースを待つのも選択肢です
Microsoft 365 Copilotライセンスを持つ場合:
- Frontierプログラムに参加すれば、日本からでも使えます
- 日本語で使えます
- 将来的には一般提供される可能性が高いです