最低限ドリブンとは
最低限のタスクを消化することを基準に生産性を確保する方法について書きたいと思います。
これまではなんとなく過去の経験や知識をベースに、その時その時の自分のトレンドで仕事のやり方を改善してきましたが、この偶然性に任せきったやりかたではどうも振り回されすぎだなと思ってました。
生産性のブレを小さく抑えようと思い立ち、少し前からノートに記録を取るなどした結果から反省/分析してみて気づいたことを文章にまとめてみたのがこちらの「最低限ドリブン」という方法です。
以下に詳しいことを書きます。
やり方
手帳でもなんでも良いので、その日にやる最低限のタスクに絞って書き出します。
自分は次の条件で最初の書き出しを行います。
- 朝仕事を始めるタイミングで手帳に書き始めます。
- 時間帯の区切りは午前中です。具体的には8:30から11:00までの時間帯を対象範囲にしてます。
- 時間内に最低限やり切ろう(やり切れるはず)と思う分量のタスクを書きますが、最低1つ、最大でも2つまでと決めています。
タスクの分割
タスクを1つと数えるその内容ですが、「仕様書を作成する」などのような大きすぎる表現は避けます。
また同時に「仕様書の作成をできるだけ進める」のように分量が任意に解釈できてしまう表現も避けます。
タスクの例だと、
- xxxプロジェクト > 仕様書 > データベース仕様のセクションを書き上げる
- 昨日作っておいた提案書をチャットに添付してレビュアーに見てもらう
- Viewコンポーネントに機能追加し、依存関係に問題ないかをテストする
などのように具体的な範囲に区切ってタスクを書き出します。
こうすることで大雑把に捉えていた仕事をより理解/分解する作業も進むことになります。
また「どうも気が進まない仕事」というのはやはりあり、そういうものにも当然進捗は必要なので、
- 企画書の目次だけでも作る
というようなタスクを書くこともあります。
これは「○○をできるだけ進める」と似て非なるものです。
「できるだけ頑張る」という前提が臭ってしまうと「最低限」というルールに違反することになります。
最低限が達成できない場合
最低限のタスクに絞って書いたつもりなのに、その日の終わりに振り返ってみたら達成できていなかった、ということはあると思います。
それを「自分の頑張りが足りなかった」と批判するのは無駄なので辞めましょう。
それはタスクが「最低限」ではなかったのです。
なのでさらにタスクを分解しましょう。そして潔く明日以降に繰り越しましょう。
予定より早くタスクを消化できてしまった場合
タスクの分割に慣れてくるとこのケースに遭遇することのほうが寧ろ多いです。
実はこの状態になることがこの方法の目的であると言えます。
時間にも心にも余裕があるこの状態で、その日にもう少しタスクを追加して消化してみましょう。
タスクの追加ルールは朝書き出したときとほぼ同じです。
自分の場合、うまく午前中にタスクが消化できると午後イチでこの状態になれます。
午後何時まで仕事できるかは日によって違いますが、例えば13:00から16:00の範囲を対象にして最低限できそうなタスクを書き出します。
この方法で仕事を進めるようになってから自分の記録を見返すと、平均して1日に4つか5つのタスクを消化しているようです。
こうなったとしても欲張らずに朝チャージするタスクは2つを上限にするのを守っています。
そうでないと最低限ルールが崩れてしまい、モチベーションに一番影響する「午後イチの余裕」を見失ってしまう可能性があるように思います。
生産性は向上するか
方法論の理屈だけ読むと、最低限のリソース内で可能な範囲に留まってしまい「全体的な生産性の向上につながっていない」と解釈できないこともないです。
しかしここが不思議なところで、実際は細かく小さく進捗を重ねることで目に見えて生産性が向上した実感があります。
自分の場合はアウトプットが早くなりました。何日もチームメンバーからの連絡に返信しないなんてこともなくなりましたし、成果物を依頼者にリターンするスピードも上がったと思います。この場に書き込んでいるように文章作成を行う時間も確保できるようになりました。それだけではありません。アウトプットの効率を上げつつ同時に読書をする時間もきっちり確保できるようになりました。読書好きの自分にとってはとても嬉しいことです。
読書をすることで得た知識を仕事にフィードバックできるので正のスパイラルを作りやすいと思います。
あくまで個人の主観ではありますが、生産性向上につながっていると思います。
以前の自分がそうでしたが「進捗感が得られない」「ダラダラ仕事をしてしまっている」と日々感じている方には是非おすすめしたい方法と言えます。
まとめ
なにか大きな目標に向かって頑張り続けるというのとは真逆の方法論です。結果的に大きな何かを達成することはあるかもしれませんが、基本的には「日々の進捗感を充実させる」ことが主眼です。
最低限ドリブンという方法は「自分にとって最低限とはいかほどか」という切り口で仕事への理解を深め、ついでにタスクを十分現実的な作業のレベルに落とし込み、そして消化する、この繰り返しです。
みなさんの日々の生産性向上に役立てば幸いです。