📝 はじめに
こんにちは。Dirbatoの下出です!
PMとして日々、会議の議事録、タスク整理、アイデアメモ、仕様の整理など、膨大な情報と格闘しています。
PMにとって「情報整理」は生命線です。どのツールを使えばいいのか、どう書けば後から探しやすいのか——この問いに対する答えを見つけるまで、私は実に10個のツールを渡り歩きました。
この記事では、私がなぜそれぞれのツールを試し、なぜ合わなかったのか、そして最終的にどこに辿り着いたのかをお話しします。
同じ悩みを持つPMやビジネスパーソンの方の参考になれば幸いです。
TL;DR
- 結論:メモはツールではなくフォーマットを統一するのが先。私はMarkdownに統一した
- 運用:Markdownを書く環境として VSCode+拡張機能(VSNotes+Office Viewer+GitHub Copilot)が一番ラクだった
- 向く人:個人メモが散らかりがちなPM / 検索性と移植性が欲しい人
10個のツールを試した結果、メモの資産は Markdownに統一するのが最適でした。
そのうえで、私の運用例が以下の構成です。
VSCode
├── Office Viewer拡張機能(WYSIWYG(見たまま編集))
├── VSNotes拡張機能(ノート管理)
└── GitHub Copilot(メモ作成支援)
この構成を選んだ理由は、私がツールに求めていた条件をすべて満たしていたからです。
- VSCodeで満たす:プレーン貼り付け/検索/クロスプラットフォーム/マウスズーム
- 拡張で満たす:WYSIWYG/ノート管理/AI支援
以下、なぜこの結論に至ったのか、10個のツールを試した経緯を詳しくお話しします。
💡 PMにとってメモ・情報整理が重要な理由
PMの仕事は「情報のハブ」になることです。
- 複数の会議で決まったことを正確に記録する
- ステークホルダーごとに異なる文脈を整理する
- 過去の決定事項をすぐに引っ張り出す
- アイデアを逃さずキャプチャする
情報が散らばると何が起きるか?
「あの件、どこにメモしたっけ...」
「前回の会議で何が決まったんだっけ...」
「このメモ、いつ書いたやつだ...」
こんな経験、ありませんか?私は何度もありました。
だからこそ、「どこに」「どう書くか」を真剣に考える必要があったのです。
🔍 私が試した10個のツールとその評価
| ツール名 | 概要・特徴 | 良かった点 | 合わなかった点(課題) |
|---|---|---|---|
| Atlassian Confluence | チーム共有・Jira連携が強みのドキュメントツール | ・チーム共有や権限管理が柔軟 ・検索機能が強力 ・Jira連携が便利 |
・個人のメモには機能過多で胃もたれする ・ブラウザベースで動作が重い ・個人メモをチームツールに置く抵抗感 |
| Microsoft OneNote | 自由なレイアウトが特徴のデジタルノート | ・リッチテキストが直感的 ・階層構造(セクション/ページ)が明確 ・Officeユーザーなら共有容易 |
・「游ゴシックの呪い」(半角英数入力で勝手にフォントが変わる仕様)によるストレス ・見た目の調整に時間を取られる |
| Microsoft Excel | IT業界で多用される表計算ソフト | ・フィルタや並び替えで構造化できる ・WBS等で操作に慣れている |
・フォーマットの自由度が高すぎて整理に迷う ・長文メモに向かない(セル内改行が見づらい) ・起動が重い |
| Microsoft Word | 文書作成の定番ツール | ・長文作成や見出し機能が充実 ・校閲機能が使える |
・「ちょっとしたメモ」には起動が重く大げさ ・コピペ時の書式混入 ・メモが増えると検索・管理が大変 |
|
VSCode (拡張機能なし) |
エンジニア向けコードエディタ ※Microsoft製 |
・プレーンテキストで貼り付け可能 ・動作が軽快で強力な検索機能 ・クロスプラットフォーム対応 |
・デフォルトではマウスでの拡大縮小ができない(設定で解決可) ・Markdownのプレビューが別ペインになり煩わしい |
| Macのメモ | Apple純正のシンプルメモアプリ | ・起動が速くシンプル ・Apple製品間での自動同期 |
・コピペ時に書式が混入し見た目が崩れる ・組織利用ではiCloud同期がNGの場合がある |
| Macのテキストエディット | macOS標準エディタ | ・インストール不要 ・標準テキストモードへ切替可能 |
・デフォルトはリッチテキストのため書式が混入する ・標準テキストにすると見出し等の視覚整形ができない ・メモが増えると管理が困難 |
| Macのスティッキーズ | デスクトップ付箋アプリ | ・起動が一瞬でリマインダーになる ・色分けが可能 |
・コピペ時の書式混入 ・保存忘れによるデータ消失リスク ・長期保存や検索に向かない |
| ブラウザの プレーンテキストエディター |
ブラウザ機能を利用した簡易エディタ | ・完全なプレーンテキストで書式を気にせず使える ・軽量で環境を選ばない |
・検索や置換などの便利機能がない ・ブックマーク管理で破綻しやすい ・保存の手間とデータ消失リスク |
| ターミナル+Vim | CLIベースのテキストエディタ | ・動作が非常に軽快 ・キーボードから手を離さず集中できる ・正規表現検索が可能 |
・ファイルを開くまでの手順(ディレクトリ移動等)が手間 ・複数ファイルの横断閲覧が不便 ・学習コストが高い |
「これだ!神ツール」と思ったツールが3日で合わなくなる。
あるあるですよね?(私だけ?)
📄 なぜMarkdownに行き着いたのか
10個のツールを試して気づいたことがあります。
ツールの問題ではなく、「フォーマット」の問題だったということです。
私が求めていたのは:
- ⌘+V(Mac)/ Ctrl+V(Windows)でプレーンテキストとして貼り付けられる
- 見るときはリッチテキストのように読みやすい
この2つを両立できるのがMarkdownでした。
Markdownには、色々嬉しい特徴があります。
| 特徴 | メリット |
|---|---|
| プレーンテキスト | どんな環境でも開ける。ツールに依存しない |
| 軽量な記法 | 見出し、箇条書き、表が簡単に書ける |
| 検索性 | grep、全文検索が効く |
| バージョン管理 | Gitで履歴管理できる |
| ポータビリティ | 10年後も読める |
特に「ツールに依存しない」という点が決め手でした。
ConfluenceもOneNoteも、そのツールがなくなったらデータはどうなる?Markdownなら、最悪メモ帳でも読めます。
✨ 最終構成:VSCode+拡張機能(VSNotes+Office Viewer+GitHub Copilot)
構成(役割サマリ)
| 役者 | 役割(ひとことで) | 具体的に嬉しいこと |
|---|---|---|
| VSCode | メモの母艦 | プレーンテキストで扱える/検索が強い/軽い |
| Office Viewer | 見たまま編集 | 「編集」と「プレビュー」を行ったり来たりしない |
| VSNotes | 管理の導線 | 作成・タグ・一覧が揃って"散らかりにくい" |
| GitHub Copilot | 作成支援 | 議事録の整形、表変換、校正が速い |
1️⃣VSCode(ベースエディタ)
📝 概要
エンジニア御用達の無料テキストエディタ。軽快な動作と強力な拡張機能が特徴。
✅ メモ用途での利点
- プレーンテキスト貼り付け:どの環境でも書式なしで貼り付け可能
- 強力な検索機能:フォルダ全体を横断検索できる
- 軽快な動作:大量のファイルを開いてもサクサク動く
- 無料でクロスプラットフォーム対応:Windows/Mac/Linuxで使える
💡 Tips
マウスホイールでズームできるようにする設定も追加しました。
settings.jsonに以下を追加:
{
"editor.mouseWheelZoom": true
}
これで⌘+マウスホイール(Mac)/ Ctrl+マウスホイール(Windows)(またはトラックパッドでピンチイン・アウト)でエディタのフォントサイズを拡大縮小できます。
2️⃣Office Viewer拡張機能
📝 概要
VSCode用の拡張機能で、MarkdownをWYSIWYG(見たまま編集)で編集できる。さらにExcel、Word、PDFなど様々なオフィスファイルもVSCode内でプレビュー可能。
✅ 何が解決されるか
- 通常のVSCodeでは編集画面とプレビュー画面を分ける必要があるが、Office Viewerを使えば:
- 書いたそばから整形された状態で表示される
- 「プレーンテキストで入力 → リッチテキストのように表示」を実現
- 編集とプレビューを同時に見る煩わしさがなくなる
✅ Markdown以外にも対応
| ファイル形式 | 対応拡張子 |
|---|---|
| Excel | .xls, .xlsx, .csv |
| Word | .docx |
| 画像・フォント | .svg, .ttf, .otf, .woff, .woff2 |
| 圧縮ファイル | .zip, .jar, .vsix, .rar |
💡 Tips
Office Viewerは、Extensions for Visual Studio Codeで公開されているVSCode拡張機能です(インストール数:約99万以上)。
ショートカット:
- リストを上に移動:
Ctrl+Alt+I(Mac:⌘+^+I) - リストを下に移動:
Ctrl+Alt+J(Mac:⌘+^+J) - VSCodeの標準エディタで編集:
Ctrl+Alt+E(Mac:⌘+^+E) - エディタのズーム:
Ctrl/⌘+マウススクロール
3️⃣VSNotes
📝 概要
VSCode用のノート管理拡張機能。指定フォルダにMarkdownノートを作成・管理できる。
✅ 主な機能
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| ノート作成 | 指定フォルダに自動でMarkdownファイルを作成 |
| タグ管理 | YAMLフロントマターでタグ分類 |
| サイドバー表示 | ノート一覧・タグ一覧を確認 |
| コマンドパレット | 素早くノート作成・検索 |
VSNotesは、Extensions for Visual Studio Codeでノートを管理するための拡張機能です(インストール数:約11万以上)。
💡 Tips
ファイル名のフォーマットを変更
VSNotesのデフォルトでは、ファイル名に時刻まで入ってしまいます。
2026-01-19_11-20_会議メモ.md ← デフォルト
これだと長すぎるので、年月日のみに変更しました。
2026-01-19_会議メモ.md ← カスタマイズ後
タグで検索性を向上
Markdownのフロントマター(ファイル冒頭のメタ情報)にタグを入れています。
---
tags:
- 議事録
- サンプルプロジェクト定例
- 要件定義
- MTG_定例
---
タグの分類例:
| カテゴリ | タグ例 |
|---|---|
| 種類 |
議事録 メモ アイデア TODO
|
| 会議名 |
MTG_定例 MTG_レビュー
|
| システム名 |
WEBシステム 基幹システム
|
| ジャンル |
要件定義 設計 運用
|
こうしておくと、VSNotesのサイドバーや検索ですぐに目的のメモにたどり着けます。
具体的な使い方
新規メモの作成フロー
-
⌘+Shift+P(Mac)/Ctrl+Shift+P(Windows)でコマンドパレットを開く -
VSNotes: Create New Noteを選択 - ファイル名を入力
- テンプレートが自動挿入される
- 書き始める
フォルダ構成の例
notes/
├── 2026/
│ ├── 01/
│ │ ├── 2026-01-15_サンプルプロジェクト定例.md
│ │ ├── 2026-01-16_要件ヒアリングメモ.md
│ │ └── 2026-01-19_アイデアメモ.md
│ └── 02/
└── templates/
└── meeting_template.md
🤖 生成AIを活用したMarkdownメモの効率化
⚠️ 組織のポリシーを確認して適切に利用してください。
GitHub Copilotでメモ作成を時短
VSCodeを使うもう一つの大きなメリットは、GitHub Copilotとの連携です。私はMarkdownメモの作成・添削にもCopilotを活用しています。
活用シーン
- 議事録の構成を整える
- 箇条書きを表形式に変換
- 誤字脱字のチェック
- レイアウトの再考・リファクタリング
プレミアムリクエストを消費しないモデルを活用する
Businessプランでは月300回のプレミアムリクエスト制限がありますが、
GPT-5 mini、GPT-4.1、GPT-4oは「含まれるモデル(included models)」として
プレミアムリクエストを消費せず、有料プランでは無制限で利用可能です。
Markdownメモの添削程度であれば、これらのモデルで十分な品質が得られます。
※2026年1月時点の情報です。最新情報はGitHub Docsをご確認ください。
Markdownメモに使える簡単プロンプト集
GitHub Copilot Chatや他の生成AIでも使える、Markdownメモ向けの汎用プロンプトを紹介します。
📝 添削・校正
以下のMarkdownを添削してください。誤字脱字、文法の誤り、読みやすさの観点で修正してください。
---
(ここにMarkdownを貼り付け)
---
🔧 レイアウト改善
以下のMarkdownのレイアウトを改善してください。見出しの階層、箇条書きの使い方、強調表現を見直してください。
---
(ここにMarkdownを貼り付け)
---
📋 議事録テンプレート生成
以下の会議情報から、Markdown形式の議事録テンプレートを作成してください。
会議名:〇〇定例
日時:2026-01-19 14:00
参加者:田中、佐藤、鈴木
議題:△△について
✅ TODOリスト抽出
以下の議事録から、アクションアイテム(TODO)を抽出し、Markdownのチェックリスト形式で出力してください。
---
(ここに議事録を貼り付け)
---
⚖️ この構成のメリット・デメリット
メリット
✅ 無料 — VSCodeや拡張機能は無料
✅ 軽量・高速 — 起動が速い、動作が軽い
✅ プレーンテキストで貼り付け — ⌘+V(Mac)/ Ctrl+V(Windows)で書式なしペースト
✅ リッチに表示 — Office Viewer拡張でMarkdownが整形表示される
✅ Git連携可能 — 履歴管理、バックアップが簡単
✅ どこでも同じ環境 — Settings Syncで別PCでも同じ環境を再現
✅ ツールに依存しない — Markdownファイルはどこでも読める
✅ 生成AIとの相性が良い — GitHub Copilotでメモ作成を効率化できる
✅ 多機能 — Office ViewerはMarkdown以外にExcel、Word、PDFもプレビュー可能
デメリット
⚠️ 初期設定が必要 — 拡張機能のインストール、設定ファイルの編集が必要
⚠️ 非エンジニアにはハードルあり — VSCodeに馴染みがないと最初は戸惑うかも
⚠️ 企業利用時は要確認 — 組織のセキュリティポリシーによっては、VSCodeやVSCode拡張機能のインストールが制限されている場合があります。導入前にIT部門へ確認することをお勧めします。
🏁 まとめ
10個のツールを渡り歩いた私の結論は2つです。
- 結論(本質):メモはツール選びより先に、Markdownに統一する
- 運用(実装例):私は VSCode+(VSNotes/Office Viewer/GitHub Copilot) に落ち着いた
大切なのは「どのツールを使うか」ではなく、「どうすれば情報を整理しやすく、後から探しやすくできるか」という視点です。
Markdownというフォーマットを選んだことで、ツールに縛られない自由を手に入れました。さらにGitHub Copilotを活用することで、メモ作成の効率も大幅に向上しています。
同じ悩みを持つ方の参考になれば幸いです。
インストールが難しい環境での最適解をご存じの方は、ぜひコメントで教えて下さい!
📝更新履歴
- 2026/01/23: TyporaからOffice Viewerへ修正(非推奨から推奨へ)
- 2026/01/21: 公開
🔗 参考リンク
- Office Viewer拡張機能 - Visual Studio Marketplace
- Office Viewer GitHub リポジトリ
- VSNotes - Visual Studio Marketplace
- VSCode公式サイト
- Macでコピー&ペーストする方法 - Apple サポート
- VSCodeでマウスホイールズームを有効にする設定
- OneNoteのフォント問題について - Microsoft Q&A
- Confluenceの個人用スペース - Atlassian
- GitHub Copilot プレミアムリクエストについて - GitHub Docs
- GitHub Copilot CLI: Enhanced agents, context management - GitHub Blog
- AI事業者ガイドライン - 経済産業省
- テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン - IPA
- AI事業者ガイドラインから読み解くAI利用時のセキュリティ対策 - トレンドマイクロ
- 生成AI活用のための主要ガイドライン総まとめ - Qiita
- 【2025年版】生成AI活用に不可欠なセキュリティ対策完全ガイド - Zenn