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x86アーキテクチャーのUbuntu Desktopの起動速度改善など

Last updated at Posted at 2022-06-19

UTM上のx86アーキテクチャーのUbuntu Desktopをまともに動く速さにした

この記事でx86アーキテクチャー向けのUbuntu DesktopのVertual Boxのovaイメージからqcow2形式に変換し、M1 Mac上のUTMで起動できるようにした。しかし、この記事通りに起動できたとしても動作がとても遅く、使い物にならない使用感である。今回はこれを実用的に使えるように色々やっていく。私の場合はsshでホストからUbuntuに接続して、作業できればいいので、Desktopを削除し、Ubuntu Server的にすることを最終目標とする。念の為GUIを使いたい場合の時のためにGUIありでもある程度使える速さになるように調整してみる。

目次

  • 前提
  • 目標
  • UTMの設定を調整
  • vboxadd.serviceのuninstall
  • Desktopの削除
  • 結果

前提

  • ホスト:M1 Mac

  • 仮想OS:Ubuntu Desktop 20.04

  • 仮想マシン:UTM

  • ホストとUbuntu間のssh接続の設定済み

  • ovaをqcow2に変換し、UTMで起動するまでのUTMの設定(デフォルト)
    image.png

  • Ubuntuの起動、動作が非常に遅い

起動時間の計測

以下のコマンドで起動時間を確認

$ systemd-analyze

結果
image.png

項目 時間
kernel 9.640s
userspace 1min 34.797s
合計 1min 44.437s

考察
結果を見るとuserspaceの時間がとてもかかっていることが分かる。

目標

  • 起動時間の高速化
  • 動作の改善
  • Desktopを削除しUbuntu Serverにする

UTMの設定を調整

調整する項目
  • メモリ
    • デフォルトでは4GBなので6GBもしくは8GBなどにする
    • 今回は6GBにする
  • CPU

UTMはゲストOSの対応アーキテクチャーがarm以外の場合、マルチコア駆動に対応していない。なので、デフォルトではシングルコアの資源しか利用できない。UTMにはForce Multicoreという設定があり、強制的にマルチコア駆動にすることができる。

1. CPU Cores項目でコア数を指定

今回は6core

2. Force Multicoreにチェックをつける

Force Multicoreは動作が不安定になる可能性がある。

設定後、以下のようになる。
image.png

起動時間の計測

image.png

項目 時間
kernel 7.475s
userspace 44.377s
合計 51.852s

明らかに速くなっていることが分かる。

vboxadd.serviceのuninstall

Vertual BoxのGUIの最適化のために入っているvboxadd.serviceが起動時に時間を食っているので消しておく。

1. vboxadd.serviceのバージョンを確認
$ systemctl status vboxadd.service

 以下のような結果が出る。この場合はVBoxGuestAdditions-6.1.26である。
 image.png

2. .isoファイルのダウンロード

Ubuntu上のブラウザでdownload.virtualbox.org/virtualboxにアクセスし、先ほど調べたバージョンを選択する。.isoファイルをダウンロードする。

3. isoファイルをマウントするディレクトリを作成
$ mkdir /mnt/iso
4. isoイメージをマウント

VBoxGuestAdditions_X.X.X.isoX.X.Xは適宜変更する。
今回の場合はVBoxGuestAdditions_6.1.26.iso

$ sudo mount -t iso9660 -o loop ~/Downloads/VBoxGuestAdditions_X.X.X.iso /mnt/iso
5. アンインストール
$ cd /mnt/iso
$ sudo sh VBoxLinuxAdditions.run uninstall
6. 再起動

起動時間の計測

image.png

項目 時間
kernel 7.086s
userspace 26.956s
合計 34.042s

さらに起動時間が速くなっていることが分かる。

Desktopの削除

1. CUIで起動するように設定を変更する
$ sudo systemctl set-default multi-user
2. 入力関係の設定変更
$ sudo update-locale LANG=ja_JP.utf8
$ sudo dpkg-reconfigure keyboard-configuration
3. 再起動
4. パッケージの削除
$ sudo apt -y purge ubuntu-desktop
$ sudo apt -y purge lightdm
5. 再起動

起動時間の計測

image.png

項目 時間
kernel 7.135s
userspace 25.176s
合計 32.311s

少しではあるが起動時間が短縮できた。

これで目標は達成できた。

私の環境では日本語の文字化けが解消できなかった。なにがダメなのか分からないのとsshで繋いだ時には関係ないので、一旦放置しますw

まとめ

起動時間の大幅な短縮に成功した。アプリの実行速度もUTMの資源割り当てを増やすことで改善した。ただし、アプリの実行速度は改善したもののもっさり感は残っており、GUIでアプリを使用するのはストレスを感じてしまう。GUIが必要ないのであればCUIに切り替えて、sshでホストから作業する方がいいだろう。

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