私たちが普段使うLINEやYouTube。その裏側では、サーバーを安全に動かすデータセンターが支えています。
この記事では、その役割や今の重要性をわかりやすく紹介します。
1. 前提条件
データセンターを理解するためには、まず欠かせない存在であるサーバーについて振り返っておきましょう。
サーバーは一見むずかしく感じますが、まずは次のポイントを押さえておけば十分です。
- サーバーとパソコンは本質的には同じ「コンピュータ」
- 違いは 「どう使うか」という役割や用途によって生まれる
- 初心者は 「パソコンの仲間で、用途によって意味が変わるもの」と捉えれば十分
より詳しい解説は、以下の記事も参考にしてみてください。
2. データセンター
データセンターとは、たくさんのサーバーをまとめて安全に動かすための「サーバー専用の倉庫」のような大きな施設です。
普通のオフィスや建物にサーバーを置くと、次のような問題が起きやすくなります。
- 停電するとサービスが止まってしまう
- 夏の熱でサーバーが壊れてしまうかもしれない
- 誰かに勝手に触られたら危険
そこで、こうしたリスクを避けるために作られたのがデータセンターです。
倉庫に荷物がきれいに並べられているように、データセンターの中ではサーバーが整然とラックに並べられています。特徴としては以下があります。
- 電気のバックアップ
停電しても動き続けられるように、大型バッテリーや発電機を完備 - 冷却システム
サーバーは動作中に大量の熱を出すため、専用の空調で常に冷却 - 物理的なセキュリティ
入退館にはカードキーや生体認証が必要で、監視カメラも常時稼働
つまりデータセンターは、サーバーを安全に保管し、いつでも安定して利用できるようにしている「巨大なサーバー倉庫」なのです。
私たちが日常的に利用するLINE、YouTube、オンラインゲーム、クラウドサービスも、すべてこのサーバー倉庫の中で動いています。
3. 最近のデータセンターの用途
昔のデータセンターは、主に企業が自社システムを動かすために使われていました。
銀行やメーカー、病院などが自分たちでサーバーを購入し、データセンターに設置して運用する。
このように「オンプレミス」の延長として利用されるのが一般的でした。
ところが、今ではデータセンターの使い方が大きく変わっています。
代表的なのがクラウドサービスの基盤としての役割です。
- AWS、Google Cloud、Microsoft Azure などのクラウド事業者は、自前の大規模データセンターを世界中に建設し、そこから仮想サーバーやストレージを提供している
- 企業や個人は、サーバーを自分で買って設置する必要がなく、クラウド上のデータセンターを「借りて使う」形が主流になっている
- 動画配信サービスやSNS、オンラインゲームなど、私たちが日常で使っている多くのサービスも、背後ではクラウド事業者のデータセンターが動いている
つまり、昔は「自社のサーバーを置く場所」だったデータセンターは、今では「世界中の人が共有するクラウドの心臓部」へと進化しているのです。
4. 最近のデータセンター需要
最近のデータセンターは、AIの普及によって需要がどんどん増えています。
AIは人間では処理しきれないほど多くのデータを一度に計算するため、強力なコンピュータが必要です。
そのコンピュータを動かす場所として、データセンターの役割がますます重要になっています。
今ではクラウドだけでなく、AIを動かすための社会のインフラとしても注目されています。
5. まとめ
データセンターは、サーバーを安全に動かすための「巨大な倉庫」です。
昔は企業が自社システムを置く場所でしたが、今はクラウドやAIを支える社会の基盤になっています。