これまでの記事で、サーバーがどこに存在し、どのように配置されているのか、そしてアベイラビリティーゾーン(AZ)が可用性を高めるための重要な単位であることを確認しました。
では、さらに広い視点でシステム全体の可用性や継続性を考えるとき、どのような単位が使われるのでしょうか。
本記事では、AWSにおける「リージョン」という概念について、役割や用途をシンプルに整理していきます。
1. 事前知識
1.1. AZ
AZとは物理的に分かれた複数のデータセンターで構成された拠点のことです。
サーバーを異なるAZに分散して配置することで、特定のAZに障害が発生してもサービスを継続しやすい構成を実現するための仕組みです。
より詳しい解説は、以下の記事も参考にしてみてください。
2. リージョン
リージョンとは、AZよりもさらに大きな単位で、サービスの可用性や継続性を高めるために用意されたエリアのことです。
同じリージョン内では複数のAZを使って冗長構成を組むことで障害に備えることができますが、地震や大規模障害などで特定のリージョン自体が影響を受ける場合に備えるため、AWS では別のリージョンにも環境を配置できるようになっています。
このようにリージョンは、より広い範囲でサービスを継続させるための単位として利用されます。
3. リージョンの用途
リージョンの用途は以下です。
- 大規模な障害や災害が発生した場合にもサービスを止めないため
- 利用者に近い場所からサービスを提供するため
- 特定のリージョンでしか利用できないサービスを使用するため
利用者に近いリージョンを選択することで、通信距離が短くなり、ページの表示や処理の応答が速くなるというメリットがあります。
また、AWSの一部のサービスや機能は、特定のリージョンでのみ利用可能な場合があるため、「どのリージョンを選択するか」によって、利用できるサービスが変わることもあります。
このようにリージョンは、単なる場所の違いではなく、災害対策、通信の安定性、そして利用できるサービスの範囲にまで影響する、システム設計上の重要な単位です。
4. まとめ
AZは同じエリア内で可用性を高めるための単位であり、リージョンは、それをさらに広い範囲で支えるための単位です。
AWSでは、まず複数のAZを活用して可用性を確保し、それでも対応しきれない大規模な障害に備える場合に別のリージョンを利用します。
リージョンは、システムの安定性や設計に大きく関わる重要な要素です。

