5
6

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 3 years have passed since last update.

WaveSurferによる音声分析

Last updated at Posted at 2020-12-28

#はじめに
この記事は,音声分析ソフト「WaveSurfer」の基本操作や少々わかりづらい操作をまとめた記事である.
実際に自分も使用している為,使用していて忘れてしまいそうな部分も含めまとめた.
使用したWaveSurferのバージョンは8.5.2.8である.

#音声ファイルの読み込み
File → Open → 分析したい音声ファイルを選択 → 選択した音声ファイルの音声波形が表示
※wav形式のファイル以外は読み込めない為,注意が必要.

ki-ta_1.png

#波形の拡大縮小,周期の確認
WaveBarを右クリック → Create Pane → Waveform → 下の画像のようになる

ki-ta_3.png

上記の画像の状態から,ツールバーの+が描かれている虫眼鏡のようなボタンを押すと拡大され,下記の画像のようになります.そうすることで1周期の波形を見ることができる.縮小したい場合は,-が描かれている虫眼鏡のようなボタンを押せば縮小される.なお,下記の画像の波形は,単独で発音した/a/の波形である.

ki-ta_2.png

また,上記で表示させた拡大させた波形を画面から消去したい場合,
右クリック → Delete Pane
で表示を消すことができる.

#時間表示
WaveBarを右クリック → Create Pane → Time Axis

ki-ta_14.png

#ピッチ分析,パワー分析
###ピッチ分析(声の高さ)(基本周波数分析)
WaveBarを右クリック → Create Pane → Pitch contour

赤線の部分のピッチ(基本周波数)の値は,左下のオレンジ線の部分に表示される.

ki-ta_4.png

###パワー分析(声の大きさ)
WaveBarを右クリック → Create Pane → Power plot

赤線の部分のパワーの値は,左下のオレンジ線の部分に表示される.

ki-ta_5.png

#広帯域分析,狭帯域分析
###広帯域分析
WaveBarを右クリック → Create Pane → Spectrogram

スペクトログラムの上で右クリック → Properties → 下記の画像のように表示されるため

FFT window lengthAnalysis window typeAnalysis bandwidthCut spectrogram atを広帯域分析ができるように変更する.

   設定項目 広帯域分析      
FFT window length 512,1024,2048など
Analysis window type HammingまたはHanning
Analysis bandwidth 200
Cut spectrogram at 3000,5000,8000,10000,16000 など

※Analysis window typeの窓の種類は任意

ki-ta_6.png

上記の画像のような設定にすると,以下の画像のようなスペクトログラムが表示される.

ki-ta_7.png

広帯域分析は時間分解能を高めた分析方法で,フォルマントの時間的変化の観測に向いている.

###狭帯域分析
WaveBarを右クリック → Create Pane → Spectrogram

スペクトログラムの上で右クリック → Properties → 下記の画像のように表示されるため

広帯域分析と同じように
FFT window lengthAnalysis window typeAnalysis bandwidthCut spectrogram atを狭帯域分析ができるように変更する.

   設定項目 狭帯域分析       
FFT window length 512,1024,2048など
Analysis window type HammingまたはHanning
Analysis bandwidth 20
Cut spectrogram at 2000,3000,5000,8000,10000,16000 など

※広帯域分析と同じくAnalysis window typeの窓の種類は任意

ki-ta_8.png

上記の画像のような設定にすると,以下の画像のようなスペクトログラムが表示される.

ki-ta_9.png

狭帯域分析は周波数分解能を高めた分析方法で,アクセントやイントネーションなど声の基本周波数に関する観測に向いている.

#FFT分析,LPC分析
###FFT分析
一定区間(1周期が目安)の波形を選択 → 右クリック → Spectrum Section → AnalysisをFFTに選択
※Window,Order,FFT pointsは任意

ki-ta_10.png

ki-ta_11.png

###LPC分析
上記の画像のAnalysisをLPCに変更
※Window,Order,FFT pointsは任意

ki-ta_12.png

LPC分析によってスペクトル包絡を表示させ,フォルマントを観察することができる.
なお,上記のFFT分析とLPC分析の画像は/a/の波形で行ったものである.

#フォルマントプロット
WaveBarを右クリック → Create Pane → Formant Plot → 表示されたスペクトルグラムを右クリック → Properties → Spectrogram → 広帯域分析の値に設定

ki-ta_13.png

フォルマントプロットは,第1~第4フォルマント周波数を色線でプロットする.

5
6
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
5
6

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?