生成AIでキャラクター画像を量産しようとすると、「表情だけ変えたいのに雰囲気が変わる」「構図は合っているのに服のディテールが崩れる」といった一貫性の揺れが課題になります。
PixAIの「Reference Pro」は、この問題に対して 複数画像を同時に参照し、自然言語で編集指示を受け取り、キャラクター性やレイアウトを維持したまま画像を再構成するモデル です。
本記事では、Reference Proが複数画像をどのように扱い、どこまで一貫した出力を得られるのかを、実際の挙動を中心に検証していきます。
Reference Proの概要
PixAI Reference Proは、テキストプロンプトから画像を新規生成するモデルではなく、既存画像を参照して編集するための変換モデルです。編集対象は1枚でも機能しますが、最大の強みは複数画像の特徴を同時に参照できる点にあります。
Reference Proの特長
・複数画像から共有するキャラクター性（顔立ち・髪型・体格）を抽出する
・服装・構図・視点・スタイル・文字配置といった要素を総合的に扱う
・自然言語の指示を受けて「どの要素を維持し、どこを変えるか」を最終画像に反映する
PixAIのReference Pro参照画像群の特徴を保ちながら、指示された変更だけを適用する編集モデルです。このため、従来の画像生成で起きがちな「髪型が変わる」「スタイルが崩れる」「レイアウトが毎回変わる」といった再現性の問題を軽減し、キャラクター一貫性とレイアウト再現性を両立したワークフロー が実現できます。
参照：PixAI Reference Pro
Reference Proの複数画像参照＆編集を検証
Reference Proは、複数枚の参照画像を同時に情報統合できます。ここでは、参照画像の構成や自然言語の指示を変えながら、どのようなアウトプットが見られるかを実際に検証していきます。
１.異なるキャラクターを一枚の絵に
Reference Proの複数画像参照編集を使えば、別々の画像に描かれた異なるキャラクター同士を、違和感なく一枚の絵にまとめることができます。各キャラクターの特徴を個別に保持したまま、構図や距離感を統一して合成します。共演イラストやクロスオーバー表現、複数IPのコラボビジュアル制作なども可能です。
上記画像生成例では、全く異なるタイプの女性をリミックスさせています。指示は「左の女性に右の女性の衣装とポーズをさせて」という簡単なものでした。
２.指定した小物を追加
参照画像に対して小物の追加指示を行うだけで、違和感のない合成が可能です。たとえば「この女性に日本刀を持たせて」と指示すれば、手の角度や重心、ポーズとの整合性を保った自然な構図で反映されます。単なる後付け合成ではなく、人物と小物の関係性まで再構成されるため、演出カットや世界観づくりにもそのまま活用できます。もちろん、小物の独自性も再現してくれます。
３.文字・パネル要素を含む参照画像の反映
文字やパネル要素を含むサンプリングにも対応しています。たとえば「Happy Birthday」と書かれたプラカードを持つ構図を基に編集する場合でも、文字の配置や可読性を保ったままキャラクターへ自然に反映されます。従来は文字が崩れやすいプロセスでしたが、Reference Proは構図・人物・テキスト要素を一体として処理できるため、スタンプ、告知画像、記念ビジュアルなどの制作にも活用できます。
４.ひとつのキャラから複数アイコンを作成
1体のキャラクター参照から複数のアイコン画像を作成することも可能です。たとえば、同一キャラの表情違い、角度違い、服装違いといったバリエーションを、参照画像を起点に自然言語で指示するだけで生成できます。SNS用アイコン、プロフィール画像、サービス内UI用アバターなど、用途ごとに統一感のある複数アイコンを効率よく作れます。
複数アイコンを一度に作成する場合は、元モデル画像とアイコンフォーマット画像の2枚を用意します。上記画像をサンプリングしてもらってもOKです。ぜひ、やってみてください。
Reference Proの操作フロー
さまざまなパラメータ設定が必要なWebUI（ローカル）での画像編集とは大きくことなり、Reference Proの操作は直感的かつスピーディです。
①モデルを起動する
PixAIモデル選択で「Reference Pro」を選択すると、自然言語による画像編集に特化した専用モデルが起動します。この時点で、参照画像＋文章指示によって編集するワークフローが確立されます。WebUI（ローカル）環境の画像生成とは異なり、生成パラメータの細かな調整は不要で、すぐ編集作業に入れます。
②参照画像を登録する
次に、編集の元になる参照画像を複数枚登録します。公式ガイドのとおり、Reference Proはキャラクター・姿勢・衣装・構図・文字配置などの要素を横断的に把握し、それらを総合的に解釈します。顔がはっきり写った画像、全身のポーズが分かる画像、構図の参考になる画像など、役割の異なる参照を組み合わせることで、反映精度が自然に高まります。
③自然言語で編集内容を指示＆生成
参照画像を登録したら、次は自然言語で編集内容を入力します。「髪色はそのままで角度だけ変える」「冬服バージョンにしたい」「この画像に近いレイアウトに整える」といった意味ベースの指示でOKです。Reference Proでは、参照画像に対する差分操作そのものが指示の中心になるため、特定の呪文やトリガーワードは特に気にしなくても大丈夫です。
最後に生成ボタンを押します。Reference Proが参照画像群と編集内容を統合的に処理し、キャラクター性・構図・文字・衣装などの整合性を保ったイラストを生成します。
Reference Pro / チャット編集 / ミオエージェントを比較
PixAIには、Reference Proに似た機能としてチャット編集とミオエージェントがあります。いずれも自然言語で画像を扱える点では共通していますが、目的と得意分野は大きく異なります。Reference Proは、複数の参照画像から特徴を統合し、キャラクターの一貫性やレイアウト構造を保ったまま精密に編集します。
一方、チャット編集は単枚生成・編集に使われます。編集履歴を参照しながらイラスト修正を進める際にとても便利です。ミオエージェントはイラスト生成のアシスタントという感じですね。相談しながら単枚のイラストを作り上げていきます。
いずれに機能も生成画像をそのまま他機能にトレースして生成・編集できるため、用途に応じてすぐに使い分けることができます。例えば、Reference Proで生成した画像の微調整をチャット編集でやったり、何か新しい魅力をつけるためにミオエージェントに相談したりします。
まとめ
PixAI Reference Proは、複数画像を参照しながら自然言語だけで編集指示を完結できる点が大きな特長です。
従来のプロンプト調整やレイヤー操作では揺らぎやすかった「キャラの再現性」「レイアウトの安定性」を担保できるため、創作者が求める再現性のある生成システムを構築しやすくなります。しかも、操作もWebUI版と比べると格段に容易です。ぜひ、試してみてください。また、公式サイトの機能紹介ガイドも参考になるので、Reference Proの公式ガイドもチェックしておきましょう。