Pythonに、便利な代数計算能力を与えるSymPyモジュール。これの自分の腕試しに定積分をしてみようと思い、題材を自動車タイヤのゴムの減りの重さ(kg)を考えてみました。
式さえ立てられれば、あとの計算は、SymPyにお任せです。
#式に至る考え
自動車タイヤを路面に接する部分の表面積は、$2πrh$。これを使って、タイヤがすり減った際の、減ったゴムの体積を考える。
半径 $r$ のタイヤが、半径 $r-x$ にまで減ったとする。
すると、$2πrh$ と $2π(r-x)h$ で定積分すると、溝の分の考慮無しですが、減ったゴム体積が求まる(と思う)。これにゴムの重さ(水との比重)を使うと、減ったゴムの重さが求まる。
定積分の$\int_{r-x}^{r}$は、SymPyではintegrate(式, limの下, limの上)
これに、数字を当てはめる。
*半径310ミリメートルのタイヤが、半径305ミリメートルにまで減( x=5 ミリメートル)
*タイヤの幅は200ミリ
*1立方ミリメートルは、1ミリグラム
*タイヤのゴムをイソプレンゴムとすると比重は0.92
*タイヤの溝の体積を20%とする
SymPYを使う
このタイヤ1本の、すり減った重さ(kg)は、
from sympy import *
r = symbols("r")
r1 = 305
r2 = 310
h = 200
m = 2 * 3.14 * r * h
integrate(m, (r, r1, r2)) *0.92 / 1000 /1000 * 0.8
結果、1.4212896キログラム。
∴4本で、約5.7キログラム。
日本では、数100万台の自動車が走っているので、結構な量はすり減っている。
※式は、あっているのかな?
※ところで、以下の答えは、$\sqrt{2}$と $-\sqrt{2}$。SymPyは、検算に結構便利(宿題にも)。
from sympy import *
x = symbols("x")
y = x ** 2 - 2
solve(y)
以上