はじめに
Jupyter NotebookでPythonを使っているときに、複数の仮想環境を扱う方法の紹介です。
※ コマンドは、macOSのものです。Windowsなどでは、記述方法が変わるのでご注意ください。
カーネルの仮想環境を追加する
以下では、サンプルとしてPython3.8の仮想環境を追加します。
Python3.8は、python3.8
コマンドで実行できるとします。未インストールの場合は、
https://www.python.org/downloads/ などからダウンロードしてインストールしましょう。
まずは、venv38という仮想環境を作成し、有効化します。別の仮想環境名を使用する場合は、以降のvenv38を適宜読み替えてください。
python3.8 -m venv venv38
source venv38/bin/activate
pip install ...
で必要なライブラリーを適宜インストールしてください。
カーネルに仮想環境を追加します。
pip install ipykernel
python -m ipykernel install --name venv38
追加したカーネルの利用
jupyterは非仮想環境下で使うことにしましょう。一旦、deactivate
で仮想環境を抜けます。
jupyter-notebook
でJupyter Notebookを起動します。
右上の「New」から「venv38」を選ぶと、venv38の仮想環境で新規に始められます。
既存ノートブックのカーネルを変更する
まず、既存のノートブックを開いてください。
Jupyter NotebookのKernelメニューのChange kernelでカーネルを変更できます。
変更できると、右上のカーネルの表示が変わります。
追加したカーネルの確認
以降では、追加した仮想環境上での実行とします。
jupyter kernelspec list
でカーネルとそのパスの一覧を確認できます。
追加した仮想環境を削除する
jupyter kernelspec uninstall venv38
で、追加した仮想環境を削除できます。
ライブラリを追加する
以降では、追加した仮想環境のJupyter Notebook上での実行とします。
たとえば、venv38に、NumPyのインストールを追加したいとしましょう。
通常ですと、!pip install numpy
でできますが、このようにするとvenv38ではなく、本体にインストールされます。
Jupyter Notebookから仮想環境にインストールしたい場合は、以下のようにします。パスは上記で確認したパスではなく、最初に作成した仮想環境のパスです。
!source /path/to/venv38/bin/activate; pip install numpy
以上