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6.0 接触解析の基本

Last updated at Posted at 2022-01-17

トップページはこちらです。
1.0、2.0、4.0の記事の読了を前提として、操作についての記載を省略している場合があります。
ver1.1.1では近接している面を自動認識する機能が追加されていますが、ここでは使用しません。
実際の作業は、途中まで4.0 部品の連結 と同じです。

参考にさせていただいた『SALOME-Mecaの使用法解説』の順序は、6.0が「接触面の摩擦なし」で、そのあと6.1で「接触面の摩擦あり」でした。

ここでは、摩擦係数μに非常に小さな値を代入して計算しています。

この理由は、PrePoMax(CalculiX)で摩擦なし(摩擦係数μ=0)の状態が設定できないと勘違いしていたためです。そのあと「摩擦なし」でも計算できることを確認しました。「摩擦なし」の場合の設定については本文中の補足コメントで対応しました。

解析内容

使用ファイル
multi-bar-1.stp  (注1)
単位
mm-ton
材料物性値:Top
Steel  (注2)
縦弾性係数:E=212000 [MPa]
ポアソン比:ν=0.293
材料物性値:Base
Aluminum  (注2)
縦弾性係数:E=70600 [MPa]
ポアソン比:ν=0.343

荷重状態
 a)  面:変位 Dz= - 0.1 [mm]
   TopとBaseの間の初期隙間 = 0 [mm]

Fig401.PNG
(図のほうにエラッタがありcondBarになっています。正しくはcontBarです。)


  • (注1)
  • このファイルはマルチシェイプのため、ProPoMaxで使うには修正が必要です。
    修正済のファイルをこちらに置きました。
    自分で修正する場合は下記の操作です。
    - マルチシェイプStep形式に対応している3D-CADでmulti-bar-1.stpファイルを読み込む。
    - TopとBaseの部品を別々にエクスポートする。

  • (注2)
  • この値は元の例題での値です。ここでは PrePoMax の Material Library に登録済の近い値の材料を使います。

形状の読込

PrePoMaxの新規起動または新規作業開始をしてください。
unit system:mm,ton,s,℃ に設定してください。

multi-bar-Base.stpをインポートしてください。
オブジェクト・ブラウザのGeometryタブのツリーにSolid_part-1が作成され、グラフィック・パネルには部品が表示されます。

multi-bar-Top.stpをインポートしてください。
オブジェクト・ブラウザのGeometryタブのツリーにSolid_part-2が作成され、グラフィック・パネルには部品が表示されます。

ツリーに表示される名前の変更ができますが、ここでは
・Base部品のインデックス = 1
・Top部品のインデックス = 2
という規則で設定していきます。

メッシュ作成

Solid_part-1にCreate Meshを実行してメッシュを生成してください。
Solid_part-2にCreate Meshを実行してメッシュを生成してください。
※ 番号順に操作してください。

材料物性値の設定

Material Library から材料物性値を呼び出してください。

 FE ModelタブのツリーのMaterialsの右クリックメニューのMaterial Library。
 メニューバーの場合はProperty→Material library。

 Steel:S185
 Aluminum:1060_Alloy
Fig402.PNG
 ツリーのMaterialsの下に S185 と 1060_Alloy が表示されます。

セクションの設定をしてください。

 FE ModelタブのツリーのSectionsの右クリックメニューのCreate。
 メニューバーの場合はProperty→Section→Create。

 Type = Solid section
 Properties
 Name = Solid_selection-1 (デフォルトのまま)
 Material = 1060_Alloy
 Region type = Part name
 Part = Solid_part-1

 「OK-New」を左クリック

 Type = Solid selection
 Properties
 Name = Solid_selection-2 (デフォルトのまま)
 Material = S185
 Region type = Part name
 Part = Solid_part-2

 「OK」を左クリック
Fig403.PNG

ツリーのSectionsの下に Solid_selection-1 と Solid_selection-2 が表示されます。

面の命名

面に名前を付けてください。

 FE ModelタブのツリーのMeshのSurfaces の右クリックメニューのCreate。
 メニューバーの場合はModel→Surfce→Create

1) Properties
  Name = fix
  Surface type = Element
  Region type = Selection
2) Surfaces, edges and vertices
3) 面を選択してください。
4) 「Ok-New」を左クリックしてください。
Fig404.PNG

同様にして、あと3つの面の設定をしてください。
3つ目までは「OK-New」 最後の4つ目は「OK」です。
Name = contBase
Name = contBar(図のほうにエラッタがありcondBarになっています)
Name = load
Fig405.PNG

ツリーのSurfacesの下に fix、contBase、contBar、load が表示されます。

接触面(相互作用)の設定

接触面の設定をしてください。

 FE ModelタブのツリーのMeshのContact → Surfaces interactions の右クリックメニューのCreate。
 メニューバーの場合はInteraction → Contact → Surfaces interaction → Create

1) Data
  Interaction name = Surface_interaction-1(デフォルトのまま)
2) Interaction models
  Selected = Surface behavior
 Properties
  Data
  Type = Hard

3) Interaction models
  Selected = Friction
 Properties
  Data
  Friction coefficient = 1e-6
  Stick slope = Default
4) 「OK」を左クリックしてください。

Fig601.PNG
右図のスクリーンショット画面の下のほうに摩擦係数(μ>0)と表示されています。Firctionを追加するとμ=0という設定はできません。

「摩擦なし」の状態で計算するには3)の操作をスキップして4)の操作をしてください。こののちの操作は全て同じです。


接触面ペアの設定をしてください。
 FE ModelタブのツリーのMeshのContact → Contact pairs の右クリックメニューのCreate。
 メニューバーの場合はInteraction → Contact → Contact pair → Create

1) Data
  Name = Contact_Pair-1 (デフォルトのまま)
  surface interaction = Surface_interaction-1 (デフォルトのまま)
  Method = Surface to surface (デフォルトのまま)
  Adjust = Yes (デフォルトのまま)
  Adjustment size = Default (デフォルトのまま)
 Master Region
  Master region type = Surface name
  Master surface = contBase
 Slave Region
  Slave region type = Surface name
  Slave surface = contBar
3) 「Ok」を左クリックしてください。
Fig602.PNG

解析設定

解析ステップを新規作成してください。

 FE ModelタブのツリーのStepsの右クリックメニューのCreate。
 メニューバーの場合はStep→Step→Createです。

 Type = Static step
 Data
 Name = Step-1 (デフォルトのまま)
 Solver = Default (デフォルトのまま)
 Nlgeom = On
 Incrementation = Default (デフォルトのまま)
Fig08.PNG

固定する面を作成してください。

 FE ModelタブのツリーのStep-1/BCsの右クリックメニューのCreate。
 メニューバーの場合はStep→BC→Createです。

 Type = Fixed
 Properties
 Name = Fixed-1 (デフォルトのまま)
 Region type = Surface name
 Surfaces = fix
 「OK-New」を左クリック
Fig407.PNG

 Type = Displacement/Rotation
 Properties
 Name = Displacement_rotation-1 (デフォルトのまま)
 Region type = Surface name
 Surfaces = load
 U1 = 0 mm
 U2 = 0 mm
 U3 = Unconstrained
 UR1 = Unconstrained
 UR2 = Unconstrained
 UR3 = Unconstrained
 Color = Lime (デフォルトのまま)
Fig603.PNG
 「OK-New」を左クリック

 Type = Displacement/Rotation
 Properties
 Name = Displacement_rotation-2 (デフォルトのまま)
 Region type = Surface name
 Surfaces = load
 U1 = Unconstrained
 U2 = Unconstrained
 U3 = -0.2 mm
 UR1 = Unconstrained
 UR2 = Unconstrained
 UR3 = Unconstrained
 Color = Lime (デフォルトのまま)

「OK」を左クリック

≪補足≫
 Type = Displacement/Rotation の設定を2つに分けています。
 2のほうは、Top部品が初期値0mmから最終値の-0.2mmまで徐々に押し込まれていく操作に関係する設定です。
 1のほうは、Top部品の移動に関係しない設定です。

 今回は、静的計算(Static step)のため、分ける必要はありませんでした。

≪ファイル保存≫
いったんファイルを保存してください。名前は任意ですが、ここでは06_00フォルダーの06_00_a.pmxファイルとしました。

ソルバー計算

ソルバー計算を実施してください。

表示例を示します。
Top部品の上面(load)が0.2mm移動しています。
Top部品とBase部品の接触面に応力が生じています。

「摩擦なし」の設定でも同じ計算結果になることを確認しました。

Fig604.PNG
Fig605.PNG

参考にさせていただいた元の例題ではあと2種類の形状の計算もしていますが、いったんここまでとします。

≪補足≫
参考にさせていただいた元の例題では、Top部品の変位量を0から最終値までランプ関数にしたがって変化させる設定での計算、すなわち非定常計算をしています。摩擦が働かない場合は、非定常計算と定常計算の結果は同じになります。

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