###概要
#####この記事の想定読者
いずれかに該当する人(この記事の投稿者は全てに該当します)
●FreeCAD のユーザーで流体解析シミュレーションに興味がある人
●お金をかけずに流体解析シミュレーションを行いたい人
●DEXCS2020 for OpenFOAM のユーザーで,境界条件の設定方法について他の方法を試してみたい人
●OpenFOAM のユーザーで,メッシュ生成と境界パッチの設定を楽に行う方法を探している人
#####FreeCADとは
オープンソースの3D-CADソフトです.(注1)
#####CfdOFとは
FreeCAD用のアドオンで,CFD(流体解析シミュレーション)の設定が簡単にできるようになります.対応しているCFDソフトはOpenFOAMです.(注2)
#####OpenFOAMとは
オープンソースのCFD(流体解析シミュレーション)ソフトで,世界中の研究機関や大学で使用されています.スパコン「富岳」でも対応しています.(注2)
###前提とする端末環境
DEXCS2020 for OpenFOAM のアドバンス版と通常版で動作確認しています.DEXCS2020 for OpenFOAM は下記の環境のため同様の環境ならば大丈夫だと思います.
● Linux/ubuntu 20.04 LTS
● OpenFOAM v2006
● ParaView-5.6.3
● cfMesh-v1.1.2
● FreeCAD 0.19
つまり,CfdOFというアドオンだけが未インストールの状態で,他に必要なFreeCAD,ParaView,cfMesh,OpenFOAMは全てインストール済の状態から始まるという前提です.
(注3)(注4)
DEXCS2020 for OpenFOAMは下記のサイトから入手できます.
DEXCSの最新版公開用ファイル
###CfdOFのインストール
FreeCADを起動してください.
メニューバーから[Tool]→ [Addon manager]を選んでください.
下のような画面が表示されます.[Workbench]タブに切り替えてリストの中から[CfdOF]を左クリックで選択してください.下の画面は既にインストール済の状態のため,CfdOF(installed)と表示されています.右の画面の説明を読んでいくと,Plotワークベンチが必要で先にインストールするようにという注意事項が記載されています.
Plotワークベンチをインストールするには,リストからPlotを選択して,画面の下方の[Install/Updete selected]を左クリックしてください。インストールが成功した旨のメッセージが出たのち,[Close]を左クリックしてください.
機能を有効化するためにFreeCADの再起動を促すメッセージが表示されているので,[OK]を左クリックしてFreeCADの再起動をしてください.
FreeCADの再起動後は,同様の操作でCfdOFをインストールしてFreeCADを再起動してください.
メニューバーから[Edit]→ [Preferences...]を選んでください.下のような画面が表示されます.CfdOFを選択してください.「OpenFOAM Install directry」を指定してください.DEXCS2020 for OpenFOAMの場合は[/home/dexcs/OpenFOAM/OpenFOAM-v2006]でした.[ParaView executable path]を指定してください.DEXCS2020 for OpenFOAMの場合は空欄で良かったです.[Default output directory]は任意に指定してください.[cfMesh]のインストールは必要ありません.[HiSA]ソルバーは必要に応じてインストールしてください.[Apply]を左クリックしてください.[OK]を左クリックしてください.
##おことわり
OpenFOAM、ParaView、cfMesh、FreeCADは、それが関係する会社や団体等の商品名および商標です.
#####脚注
(注1)
FreeCAD公式サイト
FreeCADの機能の紹介については、web上に多くの情報があるので各自で調査してください.
(注2)
OpenFOAMという言葉の示す範囲は弾力的です.OpenFOAMはもともとはC++用の数値計算ライブラリーです.偏微分方程式を有限体積法で数値計算するのに便利なため,CFDという用途での普及が進みました.数値計算ライブラリー機能の上に構築されているCFD用の各種ソルバーやユーティティソフトまでをOpenFOAMと呼ぶ場合もあります.CFDの一連の作業をするには,ソルバーの他に形状作成ソフト,メッシュ生成ソフト,結果可視化ソフトも必要です.単なるソルバーに過ぎないOpenFOAMがあたかもCFD作業全般に対応しているかのような表現になっているのは,詳細な説明を記載するのが全体の構成上で枝葉末節になってしまうと判断しためです.
(注3)
この記事を読んでいただいている方のレベルは様々だと思います.
パソコンにあまり詳しくないとか,インストールを簡単にしたいと思っている方
DEXCS2020 for OpenFOAM は必要なソフトが予めセットアップされている環境です.これをインストールするのが楽だと思います.
CFDを簡単に始める方法を探していて,ここに辿り着いた方
Windowsの上でCFDをしたくてVirtualBoxのような仮想マシンソフトを絶対に使いたくない方は,申し訳ありませんが他の記事を当たってください.Windowsの上でCFDをしたいがVirtualBoxのような仮想マシンソフトを使っても構わないという方は,DEXCS2020 for OpenFOAM をインストールする方法が楽だと思います.
Linux上でOpenFOAMがセットアップされた環境を持っていて,Linuxでのソフトのインストールに慣れている方
おそらくparavieやcfMeshは既にインストールされているでしょう.FreeCADをインストールしてください.
(注4)
この記事の投稿者は,Windows版のFreeCAD,ParaView,OpenFOAM があることは知っています.Windows版のFreeCADとParaView も使っています.しかし,Windows版でのcfdOFのインストールに成功していません(CfdOFからOpenFOAMを実行できません).情報をお持ちの方,宜しくご教示のほどお願いします.
以上