概要
FEMでは要素種類と要素サイズによって計算結果が異なります。
「段付丸棒」を例題にして行ったパラメトリックスタディについて説明します。
≪前提≫
PrePoMaxの基本操作は、Qiitaでの拙記事『PrePoMax使用法解説』に記載していて、その内容を理解している方を対象としています。最初にこの記事を読んで、PrePoMaxの操作が判り難いと感じた方は『PrePoMax使用法解説』を読んでいただきたく思います。
解析内容
- 使用ファイル
- SteppedRoundBar-Quarter.step (注1)
- 単位
- mm-ton
- 材料物性値
- Steel (注2)
- 縦弾性係数:E=210000 [MPa]
- ポアソン比:ν=0.28
- パラメトリックスタディ
- 要素形状:四面体要素
- 要素種類:線形要素と2次要素の2種類
- フィレット部のメッシュ細分化:何通りか行います
D=Φ40[mm],d=Φ20[mm],r=2[mm],公称応力は小径側です。
r/d=0.1,D/d=2 より α=約2.0 です。
(図の出典:設計図表便覧)
- (注1) 対称性を考慮して4分の1のモデルで行います。ファイルをこちらに置きました。
- (注2) PrePoMax の Material Library に登録済のS185材料を使います。
形状の読込
PrePoMaxの新規起動または新規作業開始をしてください。
unit system:mm,ton,s,℃ に設定してください。
SteppedRoundBar-Quarter.stepをインポートしてください。
オブジェクト・ブラウザのGeometryタブのツリーに Solid_part-1 が作成され、グラフィック・パネルには部品が表示されます。
メッシュ作成
全体メッシュサイズの設定
Meshing Parameters を設定します。
GeometryタブのツリーのSolid_part-1の右クリックメニューの Meshing Parameters。
メニューバーの場合はMesh → Meshing Parameters。
Mesh size
Max element size = 2 [mm](修正)
Min element size = 0.02 [mm](修正)
Grading = 0.3
Element per edge = 2
Element per curvature = 2
Mesh optimization
Optimization step 2D = 3
Optimization step 3D = 3
Mesh type
Second order = No(修正)
Midside nodes on geometry = No
Quad-dominated mesh = No
Mesh operations
Split compound mesh = No
局所メッシュサイズの設定
Mesh refinement を設定します。
GeometryタブのツリーのMesh refinementの右クリックメニューの Create。
メニューバーの場合はMesh → Mesh refinement → Create。
Data
Name = Mesh refinement-1
Mesh size = 1 [mm](修正)
パラメトリックスタディでの変更箇所
ここまでの設定内容は、四面体の線形要素でフィレット面のメッシュサイズを1mmとするという意味です。
あとで行うパラメトリックスタディのときに変更する箇所は以下です。
Meshing Parameters
Mesh type
Second order = No(線形要素)/Yes(2次要素)
Midside nodes on geometry = No(線形要素のとき)/Yse(2次要素のとき)
Mesh refinement
Data
Mesh size
最小メッシュサイズは、
Meshing Parameters の Min element size と Mesh refinement の Mesh size 両方の制約を受けます。
メッシュ生成
Solid_part-1にCreate Meshを実行してメッシュを生成してください。
材料物性値の設定
Material Library からS185 材を設定してください。
FE ModelタブのツリーのMaterialsの右クリックメニューのMaterial Library。
メニューバーの場合はProperty→Material library。
セクションの設定をしてください。
FE ModelタブのツリーのSectionsの右クリックメニューのCreate。
メニューバーの場合はProperty→Section→Create。
解析設定
解析ステップを新規作成してください。
FE ModelタブのツリーのStepsの右クリックメニューのCreate。
メニューバーの場合はStep→Step→Createです。
Type = Static step
Data
Name = Step-1 (デフォルトのまま)
Solver = Default (デフォルトのまま)
Nlgeom = Off (デフォルトのまま)
Incrementation = Default (デフォルトのまま)
固定する面を設定してください。
FE ModelタブのツリーのStep-1/BCsの右クリックメニューのCreate。
メニューバーの場合はStep→BC→Createです。
Type = Fixed
Properties
Data
Name = Fixed-1 (デフォルトのまま)
固定する面を選択してください。
対称面を設定してください。
FE ModelタブのツリーのStep-1/BCsの右クリックメニューのCreate。
メニューバーの場合はStep→BC→Createです。
Type = Displacement/Rotation
Properties
Data
Name = Displacement_rotation-1 (デフォルトのまま)
region
対称面を選択してください。
(場所は下の図を参照してください。見やすいようにメッシュサイズを粗くしています。)
DOF
U1 = 0 [mm]
U2,U3,UR1.UR2,UR3 = Unconstrained
Type = Displacement/Rotation
Properties
Data
Name = Displacement_rotation-2 (デフォルトのまま)
region
対称面を選択してください。
(場所は下の図を参照してください。見やすいようにメッシュサイズを粗くしています。)
DOF
U1 = Unconstrained
U2 = 0 [mm]
U3,UR1.UR2,UR3 = Unconstrained
荷重を加える面を設定してください
FE ModelタブのツリーのStep-1/Loadsの右クリックメニューのCreate。
メニューバーの場合はStep→Load→Create。
Type = Pressure
Properties
Data
Name = Pressuer-1 (デフォルトのまま)
Magnitude
Pressure = -100 [MPa](マイナス100です)
≪ファイルの保存≫
いったんファイルを保存しておいてください。
ソルバー計算・結果表示
ソルバー計算を実施してください。
結果表示をしてミーゼス応力の最大値を確認してください。この計算は152.4[MPa]でした。
応力集中率(応力集中係数)=最大応力÷公称応力、だから、
α=152.4÷100=1.524 です。
パラメトリックスタディの実行
パラメトリックスタディを行って、ミーゼス応力の最大値と、応力集中係数αの値を調べてください。
本来なら、メニューバー:Edit → Regenerate for Remeshing で良いようですが、ver1.1.1では動作しないため、以下のように操作してください。
(1)Geometry タブにする。
(2)MeshingParametersとMesh_refinment-1の内容を変更する。
(3)Solid_part-1にCreate Meshを行う。
(4)FE Models タブにする。
(3)Analysis-1にRunを行う。