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9.1 熱応力と弾塑性解析(はんだ付け)

Last updated at Posted at 2022-02-08

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この記事の前提を記載します。

5.0 線形熱応力、6.0 接触解析の基本、7.0 塑性変形の基本 の読了を前提として、操作についての記載を省略している場合があります。 5.0、6.0、7.0 の記事は、1.0、2.0、4.0の記事の読了を前提としています。

解析内容

使用ファイル
Solid-SMD-R.stp only-solder.stp (注1)
単位
mm-ton
材料物性値:Solder
Solder  (注1)
縦弾性係数:E=17640 [MPa]
ポアソン比:ν=0.4
線膨張係数:α=26.7e-6 [1/℃]
降伏点:εs=0.001、σs=17.64 [MPa]
材料物性値:Chip
Chip  (注1)
縦弾性係数:E=309680 [MPa]
ポアソン比:ν=0.2
線膨張係数:α=7.0e-6 [1/℃]
弾性材料
材料物性値:PCB
PCB  (注1)
縦弾性係数:E=22540 [MPa]
ポアソン比:ν=0.3
線膨張係数:α=14.0e-6 [1/℃]
弾性材料
荷重状態  fix(面):Dx = Dy = Dz =0 [mm] PCBの底面  fixX(面):Dx =0 [mm] 対象面  fixZ(面):Dz =0 [mm] 対象面  形状全体: -30 ℃ → 80 ℃ (注3) 実際に形状を4分の1にしたモデルで計算しています。 ![Fig09_10_001.PNG](https://qiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/0/888272/9776e096-cdc7-d488-aaf0-9ba65c2b5995.png)
  • (注1)
    Solid-SMD-R.stpはマルチシェイプ形式のファイルのためPrepomaxでは正常に読み込めません。代わりに、こちらに保存してある09_10_Chip.brepと09_10_PCB.brepを使ってください。
  • (注2)
    この値は元の例題での値です。PrePoMax の Material Library に近い材料は無いため新規作成します。
  • (注3)
    この記載は元の例題での記載です。この記事では0℃→110℃で行います。その理由は5.0の記事に記載しています。

形状の読込

PrePoMaxの新規起動または新規作業開始をしてください。
unit system:mm,ton,s,℃ に設定してください。

only-solder.stp、09_10_Chip.brep、09_10_PCB.brepをインポートしてください。
オブジェクト・ブラウザのGeometryタブのツリーに作成されたオブジェクトの名前を、それぞれ、Solder、Chip、PCBに変更してください。

メッシュ作成

ChipとPCBは、デフォルトのメッシュサイズのままで良いです。
Solderは、Max element size を 1mm にしてださい。

Solder、Chip、PCBにCreate Meshを実行してメッシュを生成してください

材料物性値の設定

3つの材料を全て新規作成してください。

Material names = Solder
Elasticity/Elastic
 Young's modules = 17640 MPa
 Poisson'sratio = 0.4
Thermal/Thermal expansion
 Thermal expansion = 26.7e-6 ℃^(-1)
 Zero temperature = 20 ℃ (デフォルトのまま)
Thermal/Thermal conductivity
 Thermal conductivity = 1 mW/(mm・℃)  (注4)
Plasticity/Plastic
  Yield stress Plastic strain[/]
  17.64 [MPa]   0 [/]
  17.64 [MPa]  10 [/]

Material names = Chip
Elasticity/Elastic
 Young's modules = 309680 MPa
 Poisson'sratio = 0.2
Thermal/Thermal expansion
 Thermal expansion = 7.0e-6 ℃^(-1)
 Zero temperature = 20 ℃ (デフォルトのまま)
Thermal/Thermal conductivity
 Thermal conductivity = 1 mW/(mm・℃)  (注4)

Material names = PCB
Elasticity/Elastic
 Young's modules = 22540 MPa
 Poisson'sratio = 0.3
Thermal/Thermal expansion
 Thermal expansion = 14.0e-6 ℃^(-1)
 Zero temperature = 20 ℃ (デフォルトのまま)
Thermal/Thermal conductivity
 Thermal conductivity = 1 mW/(mm・℃)  (注4)

  • (注4)
    適当な正の値を入力してください。この記事は熱的定常状態のため熱伝導の考慮は不要です。しかし設定しないとエラーになり、熱伝導率が0の値でもエラーが出ます。

ツリーのMaterialsの下に3つのオブジェクトが表示されているのを確認して次に進んでください。

セクションの設定をしてください。
 Type = Solid section
 Name = Solid_selection-Solder
 Material = Solder
 Region type = Part name
 Part = Solder

同様にして、Chip と PCB も設定してください。

ツリーのSectionsの下に3つのオブジェクトが表示されているのを確認して次に進んでください。

面の命名

fixX、fixZ、fix の設定をしてください。
※ あとのStep/BCsのときに設定しても構いません。

###結合面の設定
 FE ModelタブのツリーのConstraintsの右クリックメニュー Search Contact Pairs
 表示されている内容を確認して「Search」を左クリックしてください。
Fig16_20_03.png
Contact pairsの欄に表示された内容を確認して「OK」を左クリックしてください。

ツリーのConstrainsの下に、SolderとChipの結合、SolderとPCBの結合が出来ています。

解析設定

解析ステップを新規作成してください。

 FE ModelタブのツリーのStepsの右クリックメニューのCreate。
 メニューバーの場合はStep→Step→Createです。

 Type = Coupled temperature-displacement step
 Data
 Name = Step-1 (デフォルトのまま)
 Solver = Default (デフォルトのまま)
 Nlgeom = Off (デフォルトのまま)  (注5)
 Stedy state = On (デフォルトのまま)
 Incrementation = Default (デフォルトのまま)

  • (注5)
    Offのままでも弾塑性材料は自動的にNlgeomオプションがOnになって計算されます。Onにすると弾性材料に対してもNlgeomオプションがOnになり無駄な計算が成されます。

BCs(Boundary Conditions;境界条件)を作成してください。

 FE ModelタブのツリーのStep-1/BCsの右クリックメニューのCreate。
 メニューバーの場合はStep→BC→Createです。

≪固定面≫
 Type = Displacement_rotation
 fixXとfixZの設定をしてください。

 Type = Fixed
 fixの設定をしてください。

≪温度≫
 Type = Temperature
 Properties
 Name = Temperature-1(デフォルトのまま)
 Region type = Selection
 Magnitude = 110 ℃

 マウスのボックス選択機能を使って、形状全体を選択してください

相当塑性ひずみが出力されるようにしてください。

≪ファイル保存≫
いったんファイルを保存してください。名前は任意ですが、ここでは09_10フォルダーの09_10.pmxファイルとしました。

ソルバー計算

ソルバー計算を実施してください。

結果の表示

表示例を示します。
Solderの最大応力が28.81MPaで降伏応力よりも大きくなっているので塑性変形が発生しています。

ResultタブのMesh/Partsで、Solderだけが表示されるようにしています。
Fig09_10_003.PNG
Fig09_10_004.PNG

≪ファイル保存≫
ファイルを保存して終了してください。

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