BiBTeXについて自分なりにまとめてみたいと思います。
#BiBTeXとは
$\LaTeX$における参考文献のデータベースです。
以下の手順を行うだけで、参考文献欄にそれらしい形式で参考文献が出力されるため、参考文献周りの記述がかなり楽になります。
- データベースに参考文献を追加する。
- 本文中で引用する。
- コンパイルする。
この際、引用されなかった参考文献は参考文献欄に出力されないため、とりあえずデータベースに参考文献を入れておく、といった使い方も出来ます。
#使い方
##前準備
- 空のデータベースファイル
hoge.bib
を作成します。
※空のテキストファイルをhoge.bib
で保存すれば大丈夫です。
※hoge
の部分は自由に変えて大丈夫ですが、ここではhoge
にしたとします。 - 本文中の参考文献を出力したい位置に以下の記述を追加します。
\bibliography{hoge} %hoge.bibから拡張子を外した名前
\bibliographystyle{junsrt} %参考文献出力スタイル
なお、参考文献出力スタイルには主に以下のスタイルがあります。
欧文用 | 和文用 | 特徴 |
---|---|---|
plain |
jplain |
参考文献をアルファベット順で出力する |
unsrt |
junsrt |
参考文献を引用された順で出力する |
これ以外のスタイルについては文系のマカーにも「使える」LaTeXをご覧ください。
※学術論文の場合には、参考文献出力スタイルが予め指定されている場合が多いため、投稿する学会の決まりに従って指定すると良いでしょう。
##参考文献の追加
hoge.bib
に参考文献を追加します。
###学術論文を追加する場合
学術論文の情報をそれらしい形で出力する方法 - Qiitaをご覧ください。
###Webページを参考文献として追加する場合
BibTeX entry from URLを利用すると、BiBTeXの項目を自動的に生成できます。
###手で追加する場合
BibTeX - Wikipediaを参考に記述してください。
###アドバイス
- 著者が複数いる場合には
and
で繋げます。 -
van Valin
のように姓にスペースが入る場合には『姓, 名』で記述します (ex. Robert van Valin ->van Valin, Robert
)。
※Robert van Valin
と記述した場合、van
がミドルネーム、Valin
が姓として扱われてしまいます。 - Robert York IIIのような場合、
York, III, Robert
の順番で記述します。 - 姓は先頭のみ大文字にして記述すると良いです (ex.
Suzuki
)。 - デフォルトではBiBTeX内の大文字は全て小文字として出力されてしまうため、文字列を
{}
で囲って記述すると良いでしょう。
@inproceedings{
KyTea,
title={Pointwise prediction for robust, adaptable Japanese morphological analysis},
author={Neubig, Graham and Nakata, Yosuke and Mori, Shinsuke},
booktitle={Proceedings of the 49th Annual Meeting of the Association for Computational Linguistics: Human Language Technologies: short papers-Volume 2},
pages={529--533},
year={2011},
organization={Association for Computational Linguistics}
}
##引用
例えば、以下の論文を引用したいとします。
@inproceedings{
KyTea, %文献参照名
title={Pointwise prediction for robust, adaptable Japanese morphological analysis},
author={Neubig, Graham and Nakata, Yosuke and Mori, Shinsuke},
booktitle={Proceedings of the 49th Annual Meeting of the Association for Computational Linguistics: Human Language Technologies: short papers-Volume 2},
pages={529--533},
year={2011},
organization={Association for Computational Linguistics}
}
このとき、本文中の引用したい位置で以下のように記述します。
%\cite{文献参照名}で引用
Neubigら\cite{KyTea}は...
##コンパイル
- $\TeX$ファイルを1回コンパイルします。
- 以下のコマンドを実行し、データベース中の参考文献を反映させます。
- 欧文の場合
bibtex {TeXファイル名}
- 和文の場合
pbibtex {TeXファイル名}
- $\TeX$ファイルを3回コンパイルします。
#参考文献