こんにちは、SCSK株式会社です!
前回はASTERIAでは具体的にどのようなことができるの?といった内容で、
「ASTERIA Warpでできること」をいくつかご紹介させていただきました。
しかし、「実際に開発すると難しそう」「時間がかかりそう」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、そんな問題を解決するASTERIA Warpの「アダプタ」について、そのメリットを深掘りして解説します。
複雑なシステム連携でお困りの方にとって、必見の内容です!
ASTERIAにおける「アダプタ」
アダプタとは
ASTERIA Warpは、様々なシステムを連携させるための強力なツールですが、システム間のインタフェースは様々で、そのまま連携できるわけではありません。
そこで活躍するのが「アダプタ」です。
今回は、システム連携において非常に重要な役割を果たす「アダプタ」について、
難解な技術用語はできるだけ避け、日常的な例えを用いて説明いたします!
⓵システム連携における「言葉の壁」
異なるシステムを連携させようとすると、しばしば「言葉の壁」にぶつかります。
それは、システムごとにデータの形式(フォーマット)、通信方法(プロトコル)、そして認証方法などが異なるからです。
例えば、あなた(連携元システム)が日本語を話す人だとしましょう。 連携したい相手(連携先システム)は、スペイン語を話す人です。
直接会話しようとすれば、専門の通訳(専門家による個別開発)や言語取得(研修や勉強)が必要になります。
これは、時間とコストがかかる上に、通訳(開発担当者)や話し相手(連携先システム)の変更によるメンテナンス性に課題が生じやすいというデメリットがあります。
⓶自動翻訳機(アダプタ)の登場
そこで登場するのが「ASTERIA(アダプタ)」です。 ASTERIAは、まさに「自動翻訳機」のような役割、
アダプタは「各言語」のような役割を果たします。
日本語を話すあなたと、スペイン語を話す相手の間に入り、それぞれの言葉をリアルタイムで翻訳してくれるのです。
また、相手がスペイン語ではなく他の言語に変わった際も専門の通訳(専門家による個別開発)や言語取得(研修や勉強)では、
再度、時間やコストが発生いたしますが、自動翻訳機(ASTERIA)では、言語設定(アダプタ)を変更するだけで対応可能になります。
このように、アダプタは、異なるシステム間の連携を容易にするための重要なコンポーネントです。
ASTERIAでは、そんなアダプタが以下の通り豊富に用意されております。
では、具体的にアダプタを使うメリットは何でしょうか?
今回は重要なポイントを2つご紹介いたします!
アダプタ一覧※一部抜粋
アダプタを使用するメリット
人件費・開発工数の削減と効率化
アダプタは、システム固有の複雑なAPIやプロトコルを抽象化します。
開発者は、アダプタが提供する標準化された設定を利用することで、
各システムの詳細に煩わされることなく、処理を実装することが可能です。
これにより、専門家でなくても開発が可能になることによる人件費の削減、煩雑な処理が必要なくなることによる開発工数の大幅な削減に繋がります。
上記の日常的な例だと、通訳さんの場合、国ごとの通訳さんを雇う必要があるが、
自動翻訳機の各言語だと用意されている設定をするだけで良いようなイメージですね!
保守性や視認性の向上
アダプタを使うことで、煩雑な処理を削減することができ、
フロー全体の可読性が向上し、複雑な連携ロジックを理解しやすくなります。
また、アダプタは製品ごとに用意されているため一目でどんな連携をしているのか確認することが可能になります。
結果として、保守やメンテナンスが容易になり、システム全体の安定性を確保することができます。
日常的な例だと、自動翻訳機の各言語を選択するだけなので通訳さんを雇うよりも
視認性の向上やメンテンナスがしやすいといったイメージになるかと思います!
属人化の排除
アダプタを使用することで、簡単にフローを作成することができるので、
誰でも仕様を理解することができ、専門家が不要といった点から属人化を排除することができます。
日常的な例だと、通訳さんを雇った場合は、通訳さんが体調を崩してしまった際、対応ができなかったり、
通訳さんの単価値上げ交渉に応じざるを得ないなどのデメリットがありますが、
自動翻訳機の各言語を使用することでそれらのデメリットを排除することができます!
アダプタの使用例
今回は一例として「Salesforce」との連携をRESTコンポーネントで実装した場合と
「Salesforceアダプタ」を用いて実装した場合の比較をご紹介させていただきます!
Salesforceからデータを取得し、ASTERIAでデータ変換&ファイル出力を行う
上記内容をASTERIAでRESTコンポーネントとアダプタそれぞれで実装すると・・・
上記の実装例を見ていただくことで、明らかに少ないコンポーネント数で作成できていることや
何の処理を実装しているのかの視認性も良く、今まで説明させていただいた
アダプタを使用したメリットをご理解いただけましたでしょうか?
改めて以下の通り、IF開発における通常のコーディング、RESTコンポーネント、アダプタで比較した表をお見せいたします。
ざっくりまとめさせていただきますと、アダプタを使用することは、特定の製品に特化したものとなるため、
汎用性にはかけるが、その分開発工数の削減や特定製品に特化しているからこその保守性の向上が考えられます!
また、繰り返しにはなりますが、APIの知識に関しても通常の開発に比べ、
用意された設定を実施するのみとなり初心者でも実装に着手しやすい点も挙げられます!
コーディングとRESTコンポーネント/アダプタのメリットとデメリット
主要アダプタの紹介
ASTERIAでは、多種多様なアダプタが用意されておりますが、
ここでは使用例の多い主要アダプタについていくつかご紹介させていただきます。
SAPアダプタ
SAP R/3やS/4HANAとASTERIA Warpを連携。
複雑なSAPのデータ構造を理解する必要がなく、容易にデータ連携を実現します。
様々なSAPトランザクションへのアクセスも可能です。
Dropboxアダプタ
Dropboxとのファイル送受信を自動化。
ファイルのアップロード・ダウンロード、フォルダ監視など、様々な連携シナリオに対応し、業務効率化に貢献します。
kintoneアダプタ
kintoneとのシームレスなデータ連携を実現。
レコードの作成・更新・削除、ファイル添付など、kintoneの機能をASTERIA Warpから直接操作できます。
Salesforceアダプタ
SalesforceとASTERIA Warpを連携。
Salesforceのデータ(リード、案件など)をリアルタイムに同期したり、データ連携による業務自動化を実現します。
Gmailアダプタ
Gmailの送受信メールをASTERIA Warpで制御。
メールの自動送信、受信メールの自動処理、添付ファイルの処理など、様々なメール連携シナリオに対応可能です。
Dr.Sumアダプタ
Dr.SumとASTERIA Warpを連携。
Dr.SumのデータをASTERIA Warpで活用し、データ分析や帳票出力などの業務を自動化できます。
SmartHRアダプタ
SmartHRの人事データをASTERIA Warpで活用。
勤怠管理、給与計算など、人事関連業務の効率化に貢献します。
楽楽精算アダプタ
楽楽精算の経費精算データをASTERIA Warpで活用。
経費精算データの自動取得、承認ワークフローの自動化など、経理業務の効率化を実現します。
SanSanアダプタ
SanSanの名刺情報をASTERIA Warpで活用。
名刺情報と顧客管理システムなどを連携させ、営業活動の効率化に貢献します。
SharePointアダプタ
SharePointのファイルやリストとの連携を容易に実現。
ファイルのアップロード・ダウンロード、リストへのデータ登録・更新など、様々な連携シナリオに対応します。
おわりに
今回は、ASTERIA Warpにおける「アダプタ」についてご紹介させていただきました。
アダプタを使用することで、開発工数の削減や保守性の向上に繋げることをご理解いただけましたら幸いです!
※ASTERIAのエディションごとに機能制限等がありますので、詳細はお問合せください。
次回以降は今回紹介させていただいたアダプタについて、当社で作成したアダプタを深ぼって紹介させていただきます!
最後までご覧いただきありがとうございました!
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