はじめに
Google BigQueryは、スケーラブルなデータウェアハウスとして、大量のデータを効率的に処理するための強力な機能を提供しています。その中でも特に便利な機能の一つが「ワイルドカードテーブル」です。この記事では、ワイルドカードテーブルの基本的な使い方やその利点について解説します。
ワイルドカードテーブルとは?
ワイルドカードテーブルは、テーブル名にアスタリスク(*)を使用して、特定のパターンに一致する複数のテーブルに対して一度にクエリを実行できる機能です。これにより、同じ構造を持つ複数のテーブルからデータをまとめて取得することができます。
ワイルドカードテーブルの基本的な使い方
ワイルドカードテーブルを使用する際には、テーブル名の末尾にアスタリスク(*)を付けて指定します。また、各テーブルの末尾部分をフィルタリングするために、_TABLE_SUFFIX
擬似列を使用します。
以下に、架空のテーブル名を使用した具体的な例を示します。
例:年度ごとの売上データをクエリする
例えば、各年度ごとの売上データを含むテーブルが次のように存在するとします。
project.dataset.sales_2020
project.dataset.sales_2021
project.dataset.sales_2022
これらのテーブルから全ての年度のデータをクエリする場合、以下のようにワイルドカードテーブルを使用します。
SELECT product, revenue, _TABLE_SUFFIX as year
FROM `project.dataset.sales_*`
ORDER BY revenue DESC
このクエリでは、project.dataset.sales_
で始まる全てのテーブルからデータを取得しています。また、_TABLE_SUFFIX
を使用して各レコードがどの年度のテーブルから取得されたかを識別できます。
エラーメッセージの対処方法
ワイルドカードテーブルを使用する際に、テーブル名の書き方に注意しないとエラーメッセージが表示されることがあります。例えば、次のようなクエリがあるとします。
SELECT product, revenue
FROM project.dataset.sales_*
ORDER BY revenue DESC
このクエリでは、テーブル名をバッククォート(`
)で囲んでいないため、次のようなエラーが発生します。
Syntax error: Expected end of statement but got "*" at [3:32]
この問題を解決するには、テーブル名をバッククォートで囲む必要があります。
SELECT product, revenue
FROM `project.dataset.sales_*`
ORDER BY revenue DESC
まとめ
BigQueryのワイルドカードテーブルは、類似した名前を持つ複数のテーブルに対して一度にクエリを実行できる便利な機能です。テーブル名を正しく指定し、_TABLE_SUFFIX
擬似列を使用することで、効率的にデータを取得することができます。エラーメッセージを参考にして、適切な形式でクエリを記述することが重要です。