CDCとは?
変更データキャプチャ(CDC)は、データベースの変更箇所を特定し、それを別のデータベースやデータウェアハウスに適用する技術です。CDCには、トリガーベースやログベースなどの方法があります。ログベースのCDCは、トランザクションログから変更箇所を抽出するため、リアルタイム性が高く、データの同期や更新が効率的に行えます。
BigQueryでのCDCの最適化手法
1. CDCレコードをステージングテーブルに挿入する
まず、各新規CDCレコードと対応する操作タイプ(INSERT、UPDATE、DELETE)をリアルタイムでステージングテーブルに挿入します。ステージングテーブルは、変更データや一時的なデータを保存するためのテーブルです。
-- ステージングテーブルにCDCレコードを挿入
INSERT INTO `project.dataset.staging_table` (record_id, operation_type, updated_at)
VALUES ('12345', 'UPDATE', CURRENT_TIMESTAMP())
2. 定期的にDML MERGEを使用する
次に、定期的にDML MERGEを使用して、レポートテーブルに対して複数のDML操作(INSERT、UPDATE、DELETE)を同時に実行します。これにより、計算オーバーヘッドが削減され、パフォーマンスが最適化されます。
-- レポートテーブルに対するDML MERGE操作
MERGE `project.dataset.report_table` AS T
USING `project.dataset.staging_table` AS S
ON T.record_id = S.record_id
WHEN MATCHED AND S.operation_type = 'UPDATE' THEN
UPDATE SET T.column1 = S.column1, T.column2 = S.column2, T.updated_at = S.updated_at
WHEN MATCHED AND S.operation_type = 'DELETE' THEN
DELETE
WHEN NOT MATCHED AND S.operation_type = 'INSERT' THEN
INSERT (record_id, column1, column2, created_at)
VALUES (S.record_id, S.column1, S.column2, S.created_at)
なぜこれらの手順が有効なのか?
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リアルタイムのデータキャプチャ:
- CDCレコードをステージングテーブルにリアルタイムで挿入することで、ソースシステムの変更を即座にキャプチャできます。
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効率的なデータ適用:
- 定期的なDML MERGE操作を使用することで、レポートテーブルへのデータ適用を効率化し、計算オーバーヘッドを削減できます。
これにより、BigQueryのレポーティングテーブルで変更を最小限のレイテンシで利用でき、パフォーマンスを最適化することが可能です。
まとめ
BigQueryでのCDC処理を最適化するためには、ステージングテーブルを使用して変更データをリアルタイムでキャプチャし、定期的にDML MERGEを使用してレポートテーブルにデータを適用することが効果的です。これにより、低レイテンシでリアルタイムのクエリアクセスが可能となり、パフォーマンスが向上します。