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Open InterpreterをVSCode(docker+python)で使ってみる。

Last updated at Posted at 2023-11-01

はじめに

Open Interpreterの使い方を説明します。

Open Interpreterは、大規模言語モデルを使って
コードの生成・実行を人間の代わりにしてくれますが、
必要となるライブラリのインストールも自動的に行います。
便利ですが、ローカル環境ではライブラリの管理が困難となったり、
システム環境が変わってしまうリスクもあるため、
Docker環境上でOpen Interpreterを使用する方法を説明します。

本投稿は、Mac OSを前提としています。
投稿時点のバージョン:macOS Monterey 12.4

※ Open Interpreter自体の特徴については、本投稿では割愛します。
 以下の記事がとても分かりやすかったです。
 Open Interpreterの使い方から実践までを解説【画像付き】

前提条件

(1) アプリケーション

VSCodeとDockerを使用するため、
以下のアプリケーションを事前にインストールして下さい。
 ① Docker for Mac
 ② VSCode
 参考ページ:
  以下の記事にDocker for Mac、VSCodeのインストール方法を記載しています。
  VSCodeとDockerで開発環境構築 (Python + PostgreSQL + Git)

(2) OpenAI 関連

① OpenAI API key
 API keyを利用するため、事前にOpenAI platform画面
 "View API keys"から作成して下さい。
② クレジットカード支払いの設定と上限金額の設定
 この設定をしておかないと、API利用時に以下のエラーが発生します。
 事前にOpenAI platform画面の"Billing overview"から設定して下さい。

openai.error.RateLimitError: You exceeded your current quota, please check your plan and billing details.

 ※ ChatGPTのAPI利用は、ChatGPT Plusとは別の機能のため、
  ChatGPT Plusの契約をしていても、利用できません。
  API利用を有効にするために、クレジットカード支払いの設定と
  上限金額の設定が必要となります。

 参考ページ:
  OpenAI APIのエラー(openai.error.RateLimitError)について


長くなりましたが、前提条件さえ満たしていれば、
これ以降の作業は簡単に終わります。

作業手順

以下の順で説明していきます。
 1. Docker コンテナの設定
 2. VSCodeでコンテナに接続
 3. 動作確認

1. Docker コンテナの設定

1-1. 作業ディレクトリの作成

任意のパスに作業ディレクトリを作成します。
例として、「openinterpreter-sample」という作業ディレクトリ名にしています。

mkdir openinterpreter-sample

1-2. 「.devcontainer」ディレクトリの作成

作業ディレクトリ直下に「.devcontainer」を作成します。

mkdir .devcontainer

1-3. 「Dockerfile」ファイルの作成

.devcontainerの直下に「Dockerfile」を作成します。

vi Dockerfile

以下の内容を記載します。

FROM python:3.11
ENV PYTHONUNBUFFERED 1
RUN pip install open-interpreter

[Dockerfileの説明]
 ① python:3.11
  Pythonを利用するためのライブラリ
  参考:PythonのVersion
   3.9ではopen-interpreterのインストール中に以下のエラーが発生します。
   3.10でも問題ありませんでしたが、本投稿では、3.11を指定します。

=> ERROR [dev_container_auto_added_stage_label 2/2] RUN pip install open

 ② open-interpreter
  open-interpreterを利用するためのライブラリ

1-4. 「devcontainer.json」ファイルの作成

.devcontainer直下に「devcontainer.json」を作成します。

vi devcontainer.json

以下の内容を記載します。

{
  "name": "Python Sample(Open interpreter)",
  // Dockerfileでイメージ・コンテナを作成
  "dockerFile": "Dockerfile",
  // リモート先のVS Codeにインストールする拡張機能
  "extensions": [
    "ms-python.python"
  ],
}

[devcontainer.jsonの説明]
 ① "name"は、VSCodeに表示される名前となります。(好きな名前を設定して下さい。)
 ② "dockerFile"は、実行するDockerfileを指定します。(作成したDockerfileと紐づきます)
 ③ "extensions"は、コンテナにインストールする拡張機能を指定します。
  後から手動でインストールも可能です。

1-5. ディレクトリ構成の確認

以下のコマンドを作業ディレクトリ直下で実行し、作業ディレクトリの内容を確認します。

tree -a .

以下のように表示されます。

.
└── .devcontainer
    ├── Dockerfile
    └── devcontainer.json

1 directory, 2 files

2. VSCodeでコンテナに接続

2-1. コンテナへの接続

(1) VSCodeの左下の緑のアイコンをクリックし、「Open Folder in Container…」を選択します。
スクリーンショット 2023-10-31 20.08.45.png

(2) 作業ディレクトリを選択します。
「1-1. 作業ディレクトリの作成」で作成した作業ディレクトリを指定します。

2-2. リモート環境の確認

(1) WORKSPACEに作業ディレクトリ内のディレクトリ/ファイルがマウントされています。
スクリーンショット 2023-10-31 20.15.02.png

(2) ターミナルで以下のコマンドを実行し、Pythonのバージョンを確認します。

python -V

下記のようにPython 3.11.*が表示されていれば成功です。
スクリーンショット 2023-10-31 20.23.11.png

3. 動作確認

3-1. OpenAI API keyを指定します。

事前に用意したOpenAI API keyを以下のコマンドで指定して下さい。

export OPENAI_API_KEY="[OpenAI API key]"

※ ダブルクォーテーションで囲まないとkeyが認識されず、実行時エラーが発生します。

3-2. プログラムの作成

interpreterを利用するPythonプログラムを作成します。
※ sample.pyという名前で作成しています。

import interpreter

# ユーザー確認を必要としない
interpreter.auto_run = True
# GPT-3.5-turboの指定
interpreter.model = "gpt-3.5-turbo"
# 会話の初期化
interpreter.reset()

while True:
    user_input = input("入力してください> ")
    interpreter.chat(user_input)

3-3. プログラムの実行

python sample.py

(1) 下記のように「入力してください>」が繰り返し表示されます。
 対話形式でメッセージを入力していきます。

入力してください> 

本投稿では、「ピカチュウとカピゴンの強さを比較するレーダーチャートを作成する」を
達成したいと思います。

入力してください> ピカチュウとカピゴンの強さを比較するレーダーチャートを作成してください。

▌ Model set to GPT-4                                                                                                                                      

Open Interpreter will require approval before running code.                                                                                                 

Use interpreter -y to bypass this.                                                                                                                          

Press CTRL-C to exit.                                                                                                                                       

                                                                                                                                                            
  もちろん、わかりました。以下に実行計画を示します。                                                                                                        
                                                                                                                                                            
   1 データ取得:                                                                                                                                            
     ピカチュウとカピゴンの特性データを取得します。このデータはポケモンのAPIから取得します。Pythonのrequestsモジュールを使ってこのAPIからデータを取得しま   
     す。                                                                                                                                                   
   2 データ処理: 取得したデータを整形し、レーダーチャートを作成するための形にします。Pythonのpandasを使ってデータを処理します。                             
   3 レーダーチャート作成: レーダーチャートを作成します。Pythonのmatplotlibを使ってチャートを作成し、それを画像ファイルとして保存します。                   
   4 レーダーチャート表示: 保存したレーダーチャートの画像を表示します。この操作はshellコマンドを使って行います。                                            
                                                                                                                                                            
  それではすぐに作業を開始します。                                                                                                                          
                                                                                                                                                            
  まずは、Pythonのrequestsとpandas、matplotlibライブラリがインストールされていることを確認します。もし、インストールされていない場合はpip install requests  
  pandas matplotlibというコマンドを実行します。こちらの操作は大丈夫でしょうか?                                                                             
                                                                                                                                                            
入力してください> 
入力してください> 大丈夫です

▌ Model set to GPT-4                                                                                                                                      

Open Interpreter will require approval before running code.                                                                                                 

Use interpreter -y to bypass this.                                                                                                                          

Press CTRL-C to exit.                                                                                                                                       


                                                                                                                                                            
  import requests                                                                                                                                           
  import pandas as pd                                                                                                                                       
  import matplotlib.pyplot as plt                                                                                                                           
                                                                                                                                                            
  {'status': 'Python libraries imported successfully'}                                                                                                      
                                                                                                                                                            

  Would you like to run this code? (y/n)
  y

run_code
run_code
run_code
run_code
run_code
                                                                                                                                                            
  import requests                                                                                                                                           
  import pandas as pd                                                                                                                                       
  import matplotlib.pyplot as plt                                                                                                                           
                                                                                                                                                            
  {'status': 'Python libraries imported successfully'}                                                                                                      
                                                                                                                                                            
                                                                                                                                                            
  {'status': 'Python libraries imported successfully'}                                                                                                      
                                                                                                                                                            
                                                                                                                                                            
  完璧です。requests、pandas、matplotlib ライブラリのインポートが成功しました。                                                                             
                                                                                                                                                            
  それでは計画に従って、次に進みます。                                                                                                                      
                                                                                                                                                            
   2 ピカチュウとカピゴンの特性データを取得します。このデータはポケモンAPIから取得します。ここでは requests                                                 
     モジュールを使用してこのAPIからデータを取得します。                                                                                                    
                                                                                                                                                            
入力してください> はい

▌ Model set to GPT-4                                                                                                                                      

Open Interpreter will require approval before running code.                                                                                                 

Use interpreter -y to bypass this.                                                                                                                          

Press CTRL-C to exit.                                                                                                                                       

run_code
run_code
run_code
run_code
run_code

                                                                                                                                                            
  def get_pokemon_data(name):                                                                                                                               
      response = requests.get(f'https://pokeapi.co/api/v2/pokemon/{name}')                                                                                  
      data = response.json()                                                                                                                                
      stats = data['stats']                                                                                                                                 
      stats_dict = {stat['stat']['name']: stat['base_stat'] for stat in stats}                                                                              
      return stats_dict                                                                                                                                     
                                                                                                                                                            
  pikachu_data = get_pokemon_data('pikachu')                                                                                                                
  pikachu_data                                                                                                                                              
                                                                                                                                                            

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(2) すべての対話を表示すると膨大となるため、途中は割愛します。
対話を繰り返していくと、最終的に以下のPythonのプログラムが作成されました。

import matplotlib.pyplot as plt                                                                                                                           
import pandas as pd                                                                                                                                       
import numpy as np                                                                                                                                        
from math import pi                                                                                                                                       
                                                                                                                                                          
# Define the properties                                                                                                                                   
properties = ['attack', 'defense', 'speed', 'hp', 'special-attack', 'special-defense']                                                                    
                                                                                                                                                          
# Gather the data for Pikachu and Snorlax                                                                                                                 
pikachu = [55, 40, 90, 35, 50, 50]                                                                                                                        
snorlax = [110, 65, 30, 160, 65, 110]                                                                                                                     
                                                                                                                                                          
# Number of variables we're plotting.                                                                                                                     
num_vars = len(properties)                                                                                                                                
                                                                                                                                                          
# Split the circle into even parts and save the angles                                                                                                    
# so we know where to put each axis.                                                                                                                      
angles = np.linspace(0, 2 * np.pi, num_vars, endpoint=False).tolist()                                                                                     
                                                                                                                                                          
# The plot is a circle, so we need to "complete the loop"                                                                                                 
# and append the start to the end.                                                                                                                        
pikachu += pikachu[:1]                                                                                                                                    
snorlax += snorlax[:1]                                                                                                                                    
angles += angles[:1]                                                                                                                                      
                                                                                                                                                          
# ax = plt.figure(figsize=(6, 6), dpi=80).add_subplot(111, polar=True)                                                                                    
ax = plt.subplot(polar=True)                                                                                                                              
                                                                                                                                                          
# Draw one axe per variable + add labels                                                                                                                  
plt.xticks(angles[:-1], properties, color='grey', size=12)                                                                                                
                                                                                                                                                          
# Draw the values                                                                                                                                         
ax.plot(angles, pikachu, linewidth=1, linestyle='solid', label='Pikachu')                                                                                 
ax.plot(angles, snorlax, linewidth=1, linestyle='solid', label='Snorlax')                                                                                 
                                                                                                                                                          
# Fill area                                                                                                                                               
ax.fill(angles, pikachu, 'b', alpha=0.1)                                                                                                                  
ax.fill(angles, snorlax, 'r', alpha=0.1)                                                                                                                  
                                                                                                                                                          
plt.legend(loc='upper right', bbox_to_anchor=(0.1, 0.1))                                                                                                  
                                                                                                                                                          
# Save the figure                                                                                                                                         
plt.savefig('radar_chart.png')   

(3) 作成されたレーダチャートは下記のように出来上がっています。
スクリーンショット 2023-11-01 21.49.47.png


以上で終了となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
今後は、業務効率がアップしそうな使い道を探していきたいと思います。
良いものが見つかればアップしていきます。

参考

Google ColabでOpen Interpreterを試してみた

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