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Livebook から KinoDB を使い、ノーコードでデータベース操作する

Last updated at Posted at 2023-11-01

はじめに

Livebook はブラウザ上で Elixir や Erlang などのコードを実行し、結果を視覚化できるツールです

Python における Jupyter に相当します

Livebook のはじめ方はこちら

Livebook には Smart Cell という機能があり、これを使うことで AI・機械学習や画像処理、グラフ表示など、様々なことが ノーコードで簡単に実装できるようになっています

今回は KinoDB を使って、 Elixir を(ほぼ)書かずにデータベース操作する手順を紹介します

実装したノートブックはこちら

環境の準備

Livebook と PostgreSQL をローカル起動している場合はそのまま進めて問題ありません

コンテナで起動したい場合、こちらの記事を参考にしてください

ノートブックの作成

Livebook のホーム画面、右上の + New notebook をクリックします

スクリーンショット 2023-10-31 9.29.34.png

新しいノートブックが開きます

スクリーンショット 2023-10-31 9.31.07.png

セットアップ

Notebook dependencies and setup と書いてある枠(セットアップセル)をクリックし、その中に以下のコードを入力します

Mix.install([
  {:kino_db, "~> 0.2"},
  {:postgrex, "~> 0.17"}
])

これにより、 KinoDB と Postgrex が依存モジュールとしてインストールされます

KinoDB はデータベース用の Smart Cell (DB接続とクエリ実行用の UI)を提供しています

Postgrex が KinoDB の裏で PostgreSQL との接続、データベース操作を実行しています

データベース接続

データベース接続用 Smart Cell の追加

Section と書いてある行と黒い枠(セル)の間、横方向中央あたりにマウスカーソルを持っていくと、 + Elixir + Block + Smart という3つのボタンが表示されます

+ Smart をクリックするとドロップダウンが出てくるので、 Database connection をクリックします

スクリーンショット 2023-10-31 9.37.49.png

すると、以下のようなデータベース接続用の入力フォームが表示されます

スクリーンショット 2023-10-31 9.40.39.png

データベース接続情報の入力

各項目に接続先データベースの情報を入力します

コンテナ起動している場合、 Hostname はコンテナ名を指定してください
(上記 docker compose 定義の場合、 postgres_for_livebook

Password は秘密情報のため、テキスト入力をクリックするとモーダルが表示されます

Name に適当な名前(DB_PASSWORD など)、 Value にパスワードを入力し、 + Add ボタンをクリックしてください

スクリーンショット 2023-10-31 9.43.39.png

接続情報を全て入力したら Smart Cell 左上の Evaluate をクリックしましょう

スクリーンショット 2023-10-31 9.46.44.png

Smart Cell の下に {:ok, #PID<0.276.0>} という出力が表示されれば接続できています

クエリ実行

クエリ実行用 Smart Cell の追加

データベース接続の結果の下、横方向中央あたりにマウスカーソルを移動すると、再び + Smart のボタンが表示されるので、ドロップダウンから SQL query をクリックします

スクリーンショット 2023-10-31 9.57.34.png

すると、以下のような Smart Cell が追加されます

スクリーンショット 2023-10-31 9.59.49.png

Smart Cell からのクエリ実行

黒い枠の中を以下のように変更して、左上の Evaluate をクリックしましょう

CREATE TABLE
  sample
(
  id integer,
  name varchar(20)
)

スクリーンショット 2023-10-31 10.02.38.png

実行結果が以下のように表示されます

スクリーンショット 2023-10-31 10.03.17.png

もう一つ Smart Cell を追加して、今度は以下のような INSERT 文を実行してみましょう

INSERT INTO
  sample
(
  id,
  name
)
VALUES
(
  1,
  'John'
)
RETURNING
  id

RETURNING に書いた id が結果として返ってきました

スクリーンショット 2023-10-31 10.05.34.png

最後に以下の SELECT 文を実行します

SELECT
  *
FROM
  sample

実行結果がテーブルとして表示されました

スクリーンショット 2023-10-31 10.07.32.png

Smart Cell のコード化

Livebook では Smart Cell をコード化することができます

Smart Cell が裏でやっていることを確認してみましょう

データベース接続用 Smart Cell の右上にある鉛筆アイコンをクリックします

スクリーンショット 2023-10-31 10.11.38.png

以下のような警告モーダルが表示されるので、 Convert をクリックします

スクリーンショット 2023-10-31 10.11.49.png

すると、 Smart Cell が以下のコードセルに変換されます

opts = [
  hostname: "postgres_for_livebook",
  port: 5432,
  username: "postgres",
  password: System.fetch_env!("LB_DB_PASSWORD"),
  database: "postgres"
]

{:ok, conn} = Kino.start_child({Postgrex, opts})

実態としては Kino.start_child で Postgrex を別プロセスで起動していることが分かります

また、 password は秘密情報なので、 LB_DB_PASSWORD という環境変数で渡しています

次にクエリ実行の Smart Cell をコード化すると、以下のようになります

result =
  Postgrex.query!(
    conn,
    """
    CREATE TABLE
      sample
    (
      id integer,
      name varchar(20)
    )
    """,
    []
  )

データベース接続のセルで作成した接続 conn を指定し、 Postgrex のプロセス経由でクエリを実行しています

まとめ

KinoDB を使うことで、データベース接続、クエリ実行をノーコードで実装できました

また、クエリの結果は自動的にテーブル表示されるため、結果の UI について考える必要もありません

Livebook からデータベース操作をしたい場合、 KinoDB を活用しましょう

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