この記事は ひまプロ談話室 Advent Calendar 2025 の 13日目の記事です!(2日遅刻)
はじめに
この記事を書いているのは、開発を始めて約1年、現在は休学してインターンに参加している大学2年生です。
昨年度、大学でプログラミングを学び始めてからの数ヶ月間、私は強烈な「孤独」と「焦燥感」に苛まれていました。
大学の教室で一人、最前列に座って黙々とコードを書く日々。
周囲と話すこともなく、ただ「遅れたくない」という一心で勉強していた私には、自分がどこに向かっているのか、そもそもこの努力に意味があるのかが分からなくなる瞬間が何度もありました。
それでも今、私はエンジニアの世界に強い手応えと居場所を感じています。
この記事では、そんな私が
「本当にたのしいこと」を追い続けた結果、最高のコミュニティと機会に出会うまでの過程を、正直に書こうと思います。
大学入学、Progateにハマる
2024年4月、私は某私立女子大の情報科学科に入学しました。
入学当初の私は、とにかく焦っていました。
「大学では、できる人がたくさんいるに違いない」
「ここで出遅れたら終わる」
そう思い、授業が始まる前から必死に予習をしていました。
各週のテーマ(変数、条件分岐、カプセル化など)が書かれたシラバスをChatGPTに読み込ませ、講義内容を予想させる。3回先までの内容をProgateやpaizaなどのe-Learningサービスで先取り学習する。
授業で扱う内容がすでに「知っているもの」になり、周囲が戸惑っている横でスムーズに理解できる感覚が、正直かなり楽しかったです。
「私、ちゃんとやれてるかも〜😄」
そう思えることが、当時の自信のほぼすべてでした。
大学デビュー失敗?
しかし、入学して2週間ほど経った頃から、状況は変わっていきます。
周りの学生たちは、自然とグループを作り、授業後にご飯に行ったり、休日に遊びに行ったりしていました。一方の私は、相変わらず一人で前の席に座り、黙々とパソコンに向かっていました。
そのとき、ふとこんな感情が湧いてきました。
「もしかして、自分って人間的に魅力がないのでは?」
さらに追い打ちをかけるように、SNSでこんな言葉を目にします。
「大学時代、勉強ばかりしていると就活で苦労する」
この一文は、当時の私にとってかなり強烈でした。
プログラミングは楽しい。
でも、このまま勉強だけしていて本当に大丈夫なのか?
エンジニアを目指す以前に、「社会でやっていける人間」なのか?
気づけば、こんな考えが頭を支配するようになっていました。
- 「趣味:プログラミング、って言うプログラマーになるのは危ないのかも」
- 「協調性を示せる“人間的な趣味”を作らないといけないのでは」
「そうだ、ドラム教室に通おう」
実は当時、私はすでに音楽サークルに所属していました。
サークルでステージに立ち、かっこいい演奏ができるようになりたいという気持ちもありました。
そこに追い打ちをかけるようにあったのが、
「面接で話せるエピソードを作らなきゃ」という焦りです。
今振り返るとかなり不純ですが、当時の私は本気でした。
サークル活動をちゃんと形にしたい。
できれば、就活でも使える経験にしたい。
そう思い、ドラム教室に通い始めます。
月収4万円の私にとって、月謝15,000円は決して安くありませんでした。それでも、
「これでガクチカができる」
「ちゃんと“大学生らしいこと”をしている自分になれる」
そう信じていました。
しかし、半年経っても、私はほとんど成長を実感できませんでした。
「ガクチカのため」は楽しくない
プログラミングでは、コードを書けばすぐに結果が返ってきます。
エラーが出る。動かない。直す。動く。
この即時性のあるフィードバックループこそが、私にとっての「楽しい」の源でした。
一方でドラムは、地道な練習の積み重ねです。
上手くなっているのかどうかも分かりづらく、目に見える成果がなかなか出ません。
そして何より致命的だったのは、
目的が「技術の習得」ではなく「就活のため」だったことでした。
上手くなりたいわけでも、音楽がやりたいわけでもない。
ただ「話せるネタ」が欲しかった。
当然、モチベーションは続きませんでした。
さらに言えば、そこには同じ熱量を共有できる仲間も、挑戦する場(ライブなど)もありませんでした。
コミュニティなし。チャレンジなし。目的はガクチカ。
今なら、失敗する理由がはっきり分かります。
1年前の自分に声をかけられるなら、こう言いたいです。
「ガクチカのために習い事を始めるのは、マジでやめなさい!!!!」
初めてのハッカソン、そして現実
ドラム教室を続ける意味を見失っていた2024年12月。
私はふとしたきっかけで、ハッカソンに個人参加することになります。
「初参加はハードルが高い」とよく言われますが、当時の私はそれほど怖くありませんでした。
なぜなら、自分は「プログラミングができる側」だと思っていたからです。
しかし、その認識はキックオフで一瞬にして崩れます。
「リポジトリ招待するので、GitHubのアカウント名教えてください〜」
頭が真っ白になりました。
GitHub?
リポジトリ?
私は、そのどちらも何を指すのか知りませんでした。
異世界に来てしまった感覚
このハッカソンは、
- 1週間のオンライン事前開発
- 最後の土日2日間のオフライン開発
という構成でした。
事前開発期間の私は、ひたすらcommitとpushの練習をしていました。
「開発」というより、「最低限の生存スキルを身につける時間」だったと思います。
現地1日目。
会場に入った瞬間、また衝撃を受けました!
- ステッカーだらけのPC
- 当たり前のように持参されるPCスタンド
- ディスプレイに映るカラフルなターミナル
完全に異世界でした。
それでも、なぜか評価された
高校生のチームメンバーにAPIの書き方を教わりながら、私は必死に手を動かしました。
分からない単語が出てくるたびに、裏で調べると、あっという間に時間が進みます。
中間発表では、すでにデモを公開しているチームがいくつもあり、
「もう完成してるじゃん……!?」と心が折れかけました。
最終発表では、技術構成の説明の8割が理解できませんでした。
聞いたことある単語が出てきたときだけ、分かったふりをして頷いていました。
そんな状態で迎えた表彰式。
私たちのチーム名が呼ばれました。
結果は、優秀賞(準優勝)。
正直、嬉しさよりも困惑の方が大きかったです。
「なんで、私たちが?」
審査員の評価理由は、
「EKSとArgoCDのインフラ構成が素晴らしい」。
...????????
評価されたのは、自分が理解できなかった技術でした。
でも、その瞬間、不思議とこう思ったのです。
「この世界に、居ていいって言われた気がする」
努力の方向が、違っていた
このハッカソンを通して、私は初めて気づきました。
自分は、努力していなかったわけではありません。
ただ、「エンジニア就活はこういうものだ」という前提が、そもそも間違っていました。
私はどこかで、
「大学の勉強をちゃんとやって、あとはサークルや趣味で“人間的な経験”を積めばいい」
そんなバランスをこなすことで、エンジニアになれると思っていました。
でも、ハッカソンで見た世界は全く違いました。
そこにいた人たちは、遊び+勉強ではなく、エンジニアリング+エンジニアリングをしていました。
授業で習うことをこなす、ではない。
就活用に話せるエピソードを作る、でもない。
純粋に、技術そのものに時間と情熱を突っ込んでいる。
気づけば触っている。
分からないから調べる。
楽しいから、やめられない。
遊んでいた人が評価されていたわけではありません。
私とは“努力している次元”が違う人たちが、そこにいました。
その事実を前に、これまで抱えていた焦りや自己否定は、不思議と一気に消えました。
代わりに湧き上がってきたのは、強烈な憧れでした。
「これは、一生かけて極め続けられる世界なんだ!」
そう、はじめて腑に落ちた瞬間でした。
Hello World!
ハッカソンが終わったあと、私はすぐにドラム教室を退会しました。
「かけだしエンジニアを中級にキャリアアップさせるラジオ」こと、「ひまプロ」 のポッドキャストを通学中に聴き始めたのもこの頃でした。
楽しそうにエンジニアリングを発信する中級エンジニアの2人と、高いモチベーションで学び続けるかけだしエンジニアが作り出す雰囲気が心地よく、
当時から今まで何度も元気をもらっている番組です。
この記事は ひまプロ談話室 Advent Calendar 2025 の 13日目の記事です!
ドラム教室を辞めて浮いた月謝は、技術書、AIエージェントのサブスク、イベントの遠征費に消えていきました。
そして気づけば、毎月のようにハッカソンや勉強会に参加する生活になっていました。
そこには、同じ熱量を持つ仲間がいました。
成果を褒め合い、挑戦を応援し合えるコミュニティ。
失敗しても笑い合える心理的安全性。
この環境のおかげで、私は恐れずに新しい技術に挑戦できるようになりました。
結果として、開発を始めて約1年で2社のインターンに参加し、現在は休学してフルコミットしています。
趣味:エンジニアリングでいいのか?
いまとなっては、エンジニアは「趣味:エンジニアリング」でないと続かない職業だと思うようになりました。
この1年で強く感じたのは、この業界では業務時間外のキャッチアップが避けられないということです。
技術の進歩は速く、「楽しい」からこそ追い続けられる人だけが残ります。
義務としてやる勉強は、いずれ限界が来ます。
本当にたのしいと感じること。
その熱量を共有できる仲間を見つけること。
それができれば、成長は自然とついてきます。
もし今、1年前の私のように、孤独や焦りを感じている人がいるなら、伝えたいです。
「楽しい」を信じていい。
そこに、ちゃんと居場所はあります!


