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【Rで自習統計学】公務員の給与調整や消費者物価指数の計算【ラスパイレス指数】

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統計検定くらいでしか使う事ないと思いますがメモとして。

ラスパイレス指数とは

ドイツのラスパイレスさんが作った指数
物価に対してラスパイレス指数を使う時は、ここでは「ラスパイレス物価指数」と呼ぶことにする。
数量に対してラスパイレス指数を使う時は、ここでは「ラスパイレス数量指数」と呼ぶことにする。

ラスパイレス価格指数は統計検定では基準年の物価と比較年の物価の問題として出てきます。

ラスパイレス価格指数

例:2015年および2016年の1世帯当たりの牛肉と豚肉の購入量と購入時の金額を調べた。
2015年 : 牛肉 6200 g 340円/100 g : 豚肉 19865 g 149/100g
2016年 : 牛肉 6400 g 340円/100 g : 豚肉 20418 g 144/100g

これをラスパイレス指数に変換することで総合的な価格動向をとらえることが出来ます。
2015年を基準として、2016年の指数を計算すると、

df <- data.frame(price_2015=c(340,149),
                 price_2016=c(340,144),
              quantity_2015=c(6200,19865),
              quantity_2016=c(6400,20418))

numerator<- df$price_2016 * df$quantity_2015
denominator<- df$price_2015 * df$quantity_2015
sum(numerator)/sum(denominator)
0.98

基準年の数値を100とするため、100を掛け算するので

0.98 * 100 = 98

2015年の物価に比べると、2016年は物価が少し下がっていることが分かります。
上記の例では2016年に豚肉の値段が下がっているので物価が下がっているというざっくりとした指標はあっているように思います。

別の視点で肉の流通量はどうなっているのか?を考えましょう。

ラスパイレス数量指数

価格と数量を入れ変えるだけです。

numerator<- df$quantity_2016 * df$price_2015
denominator<- df$quantity_2015 * df$price_2015
sum(numerator)/sum(denominator)
1.029 * 100 = 103

肉の流通量は上がっているということが分かりました。

公務員の給与計算のラスパイレス指数

公務員の給与の診断のためにラスパイレス指数が使われているそうです。
国家公務員の年齢や勤務年数などから層分けして人数を集計する。
地方公務員も同じような層の人が同じような人数で働いていると仮定して、
国家公務員と地方公務員の給与差がどのくらいかを計算することで、特定の地域の公務員が安すぎる(高すぎる)給与でないかを調べることができる。

人数を国家公務員基準で決めているのでザックリとした比較になるが、給与設定が適切であったかどうかの指標にはなる。

地方公務員の給与が安いとき---を仮定したデータ

df <- data.frame(salary_government=c(300,400,500,700,800,1200,1500),
                 salary_local=c(300,350,400,500,550,600,700),
                 number_of_government=c(50,40,30,20,20,20,10))

numerator<- df$salary_local * df$number_of_government
denominator<- df$salary_government * df$number_of_government
(sum(numerator)/sum(denominator) ) * 100
70.43

地方公務員の給与が高いとき---を仮定したデータ

df <- data.frame(salary_government=c(300,400,500,700,800,1200,1500),
                 salary_local=c(400,500,800,1200,1500,1600,1700),
                 number_of_government=c(50,40,30,20,20,20,10))

numerator<- df$salary_local * df$number_of_government
denominator<- df$salary_government * df$number_of_government
(sum(numerator)/sum(denominator) ) * 100
145.2

実際の公務員は

国家公務員の給与から離れすぎないように調節をするため、このように100から大きく離れた値はとらないようです。
平成31年の集計結果は総務省のページから参照できます。

https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei12_02000001.html

ついでに

ラスパイレス指数が出てきたらパーシェ指数とフィッシャー指数についても簡単にメモ

パーシェ指数

公務員の給与の話で国家公務員の人数と地方公務員の人数の年齢・学歴・勤続年数などが同じと仮定してラスパイレス指数を計算していましたが、地方公務員の人数分布の方を優先して給与を比較したいときに使える。

計算例としては先ほどのお肉の話を使う。

df <- data.frame(price_2015=c(340,149),
                 price_2016=c(340,144),
              quantity_2015=c(6200,19865),
              quantity_2016=c(6400,20418))

numerator<- df$price_2016 * df$quantity_2016
denominator<- df$price_2015 * df$quantity_2016
(sum(numerator)/sum(denominator) ) * 100
0.98

この例ではほとんど変わりませんが、2016年の数量をもとに2016年と2015年の価格を比較している。

フィッシャー指数

\begin{align}

フィッシャー指数 =\sqrt{ラスパイレス指数 × パーシェ指数}

\end{align}

ラスパイレス指数とパーシェ指数の幾何平均
基準側と比較側の数量や人数分布のどちらかを優先していたが、幾何平均をとることで平均的な値を求めたもの。

おわり

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